1455:引っ張ってこられよう。
あ、わんこがこっち見た。
「ん? おいおいどうした、そんな引っ張んなって」
……なんか召喚士のお兄さんをグイグイ引っ張ってこっちに歩いて来てる。
ああいうの見る度に、首は大丈夫なんだろうかって心配になるよ。
「や、妖精さん。邪魔してごめんね」
「どうもー。いえ、こちらこそ」
どっちかというと、多分こっちがお散歩の邪魔をした方だと思う。
いや、よく解んないけどね。
「こら、脅かすんじゃないぞ?」
ん?
あぁ、わんこがういろうちゃんにそっと近づいてきたのか。
こうして向かい合うと、サイズの差が凄いな。
「うん? どうした?」
おや、なんかその場でスッと伏せたぞ。
顎も地面につけちゃって、ぺたーんって感じだな。
「……んんー?」
……ういろうちゃん、なぜわんこのお鼻をふにふに押さえるんだ。
召喚士さん、困惑してるじゃないの。
当のわんこは思いっきり尻尾をぱたぱたさせて、えらく嬉しそうだけど。
「えーと……?」
あ、こっち側の召喚者も困惑してる。
まぁうん、そうだよね。
謎の状況だもんね。
いや、本当になんなんだろうか。
ういろうちゃんにふにふにされて「光栄ですぅ」みたいな態度だけど、別段シェラやぴーちゃんには興味が無さそうだし。
一般の召喚獣を見る機会が少ないから、関係性が全く解らないな。
【妖精】に呼ばれる子たちと一般的な種族に呼ばれる子たちで、何か違いが有ったりするんだろうか。
それはそれで、ういろうちゃんだけに反応してるのが謎だけど。
……えるちゃんやあるちゃんに、珠ちゃんやういろうちゃんを会わせてみたらどうなるんだろうか。
まぁあっちも【吸血鬼】の召喚獣なんだし、特殊側の枠って可能性が有るか。
あ、終わったのかな?
ういろうちゃん、興味なさげに離れて行っちゃった。
「ん? ……うん、よく解らないけど……?」
なんだその「やりました!」みたいな誇らしげな顔は。
きみの召喚士さん、よーしよしって撫でてあげてるけど疑問符を浮かべっぱなしだぞ。




