1433:需要に遭遇しよう。
しかし相変わらず、カトリーヌさんは静かだな……
と思ったら、さりげなくロシェさんの方について行ってる。
あぁ、一人でも何事も無いだろうけど一応って事かな?
ドアが閉まる前に、「こちらはお任せください」って顔で頷いてたし。
……カトリーヌさんに任せると、阻止するんじゃなくて代わりに自分がとかやりそうで怖いんだけど、まぁ大丈夫だろう。多分。
「それじゃ、私達も行きましょう」
「あ、はい」
話だけならここでも出来るけど、用件を考えると結局色々必要になるし、その方が良いだろう。
「……いや、なんでこのタイミングで餌付けしてるんですか」
「うふふ。仲良くしましょうねーってね?」
ほらいくよーとシェラ達の方を振り向いてみたら、下から出てきたちっちゃいジェイさんに細かく切った野菜を貰ってた。
うん、まぁ最初の印象が大事ってのはそうだと思うけどさ。
そう思ってるならぴーちゃん達にも無駄に……というか必要以上に警戒させなかったら良かったんじゃないかな。
今も喜びつつも警戒心は全然消えてないし。
食べ終わるまで待とうかと思ったらぽりぽり食べながら普通に歩いてきたので、まぁ良いかとそのまま移動してジェイさんの部屋へ。
「で、用件なんですけど」
「あらあら、せっかちさんねぇ」
「いや、何を言われても良い様に色々出しながら言われても……」
「うふふ。そうねぇ、私も人の事は言えないわねぇ」
どう考えても要らないだろって物まで出てきてるぞ。
いや、私には何に使うのかもよく解らないから、もしかしたらって事も有るのかもしれないけどさ。
「まぁ簡単に言うと、こんなのが生えてきまして」
生えたって表現で良いのかは判らないけど、そこは気にしないでおくとして。
舌の先から口吻……だっけ? をにゅいーっと伸ばしてジェイさんに見せてみる。
「あらあらまぁまぁ、お揃いね?」
「いや、違いますけど……」
これは触手ではないぞ。
割と自由に動かせたりはするけど、少なくともジェイさんのそれとは多分違うぞ。
……いや、否定されたからってわざわざ擬態してお揃いにしなくて良いから。
それをされると大体の生き物はジェイさんとお揃いだよ。
「で、こっちが本題なんですけど、ここから麻酔薬が出せる様になった……んですよ」
……いやジェイさん、無言でにっこり微笑みながら容器を出してくるのはやめてくれないかな。
普段以上の本気を感じてかなり怖いぞ。
「あ、ただどうも揮発性が高いというかすぐに蒸発…… あ、はい」
普通のビーカーっぽい物を出されたから特性を言ってみたら、即座に薄いゴム製っぽい袋が差し出された。
空気を抜かれてぺったんこな状態で、口の部分にガラス製の筒がくっつけてあるのかな?
なんか笛付きの風船みたいな見た目だな。
反対側にもゴムの膜で蓋がされてるけど。
……というかジェイさん、研究の分野的にすっごい欲しい品って事なんだろうけど、怖いからせめて何か喋ってほしいよ。




