1426:騒音には気を付けよう。
気を取り直してコツコツ叩き始めて暫く経つと、フミさん達が戻って来る足音が聞こえて来た。
あんまり進んでないけど、今日は仕方ないって諦めておくか。
別にフミさん達を待ってたって訳じゃないけど、丁度良い区切りになりそうだしね。
ロシェさんもそのつもりらしく、足音に反応して片付け始めたっぽいし。
「あら」
おや、フミさんがドアを開けるなり声を……
あぁ、シェラが見て見てーって走って行ったのか。
「うん、良く出来てるわ」
お、高評価だ。
「ただ、ここはもう少し──」
と思ったらしっかりダメ出しも入った。
まぁ良くない所は良くないって指摘してもらわないと、それ以上の成長が出来ないもんね。
放っといても一人で勝手に上達するって事は有るだろうけど、一度見せた上でこれで良いって言われたら、逆にここはこれで良いんだーって気付けなくなりそうだし。
ふんふんと聞いてたシェラが、ありがとーございますとお辞儀を……してから体当たりに行った。
まぁうん、さっきやらなかったもんね。
別にノルマとかは無いと思うけど。
あ、ティアーナさんが横からひょいっとシェラを抱き上げて、はいどーぞってフミさんに押し付けてる。
フミさん、仕方ないって顔はしてるけど手つきは優しいな。
さて、シェラも戻って来た事だし……
「それじゃ、今日はこれで失礼します」
「えぇ。また、いらっしゃい」
さよーならーと手を振って、ティアーナさんが開けてくれたドアから皆で出ていく。
楽しみにしててねーとロシェさんに手を振って、ティアーナさんは自分の店の方へ歩いて……
ん?
ティアーナさんが閉めたドアが中から開けられたけど……
「だから、これもいつも言っている事でしょう……?」
……うん、フミさん、早速作業を始めようとしてたもんね。
そこでバターンってドアを閉められたら、そりゃこうなるよね。
「ごめんなさーい!」
あ、ダッシュで逃げて行った。
どうせ依頼の事ですぐに再会するんだから、逃げても後で余計に叱られるだけだと思うんだけどなぁ。




