1415:仕上げにお願いされよう。
「なんですかー?」
「練習してるところにごめんね?」
「いえ、大丈夫です」
習得出来たらラッキーだってやってるだけで、特に急ぐ事ではないしね。
というか急ぐなら普通にポイント使って取得するし。
「これ、今出来た物なんだけどね」
「おお、綺麗」
「ありがとう」
マンホールの蓋みたいな大きさの厚い金属板の片面に、何やら綺麗な模様が彫られてる。
普通の人から見れば、片手に収まるサイズのメダルみたいな物かな?
「嫌じゃなかったらで良いんだけど、この辺にぷにっと手形を捺してもらえないかなーって。【錬金術】で柔らかくしてあるからさ」
クルっと裏側を向けて何も描かれてないスペースを指差してきた。
他の所は……あぁ、作者名とか日付とかを刻印してあるのか。
あのマークは自分の角をモチーフにしたものかな?
……羊の人だと大体かぶりそうだけど、まぁその辺は細かい違いを出していくんだろう。
「捺すのは構いませんけど、何か意味有るんですか?」
「んー、意味って程の事は無いかな?」
出来た時に丁度居たから、ってだけなのか。
「しいて言うなら…… 験担ぎとか縁起物とかそういう感じ?」
あー、うん、なるほどね。
なんとなく言いたい事は解る。
「私がやっても何のご利益も無いと思いますけどねぇ」
むしろこの世界の【妖精】の刻印なんて、逆に呪いとかが付与されそうで怖いぞ。
流石に無いだろうから、普通に応じるけどさ。
「それは自分の事だからじゃないかな?」
「まぁ……」
うん、確かにそれも有るけどね。
もし逆の立場だったら私だって、ご利益有りそうとか思う気がするし。
それにしても、ご利益って事なら私なんかよりカトリーヌさん……は別方向にアレだから、一番まともなロシェさんに頼んだ方が良い気がするぞ。
まぁその辺は「しいて言うなら」であって、あくまでも「妖精さん」にやってもらったってのが重要なんだろうけどさ。
……しかしカトリーヌさんはカトリーヌさんで、違うご利益はありそうだな。
私だと一切期待できないタイプのやつがね、うん。




