1327:勢いに惑わされよう。
ノーラちゃん、嬉しそうというかホッとした様な感じでお話してるな。
まぁ母国語が通じる人が、必要なタイミングで出てきてくれたらそうもなるか。
しかしこの状況、出来る事は無いけど「待ってます」って感じを出す訳にもいかないし、どうしたものかな。
そういえばぴーちゃんは何を……してるかと思ったら、シェラの背中に跨って仲良く遊んでるな。
ぴゃーって言いながら、振り落とされない様に抱き着いてる。
うん、楽しそうでなによりだよ。
……なんかカトリーヌさん、私の事を「妖精さん」って呼ばせようとしてないか?
単にそう呼ばれてるよってだけかもしれないけどさ。
あぁ、一通りの紹介を済ませてくれてるのかな。
ぴーちゃんとかシェラとかって名前も聞こえてくるし。
「ご迷惑かもしれませんが出来る限り自分で頑張ってみる、だそうですわ」
「ん? ……あぁ、通訳はいいですって話?」
まぁこっちとしては、伝わりさえすればどっちでも良いけどさ。
怪しげだったらお互いにカトリーヌさんに訊ける状況だし。
「にほん、ことば、かんたん、ちがう、です。しかし、がんばる、です」
「うん、良い事だね」
「日本語は難しいけど頑張ります」って感じだろう。
確かに下地が無い状態って前提ならトップクラスの難易度だとか聞いた事有るし、文法とかも違い過ぎるだろうからなぁ。
いや、違うのかすら知らないけど。
あ、そうだ。
「ところで、私に何か、用が有ったのかな?」
「あー、はい。ようじ、ある、です」
うん、有るかどうかで聞いちゃったけど、内容を知りたいかな。
これは私の聞き方が悪かった。
「あー……」
ん?
なんか恥ずかしそうな顔になってるけど、どうしたんだろうか。
……あんまりもじもじされると、変な方向の話じゃないかっていう嫌な予感がしてくるんだけど。
なにやらカトリーヌさんが横から励ますみたいに、あっちの言葉で声をかけてるな。
怒られたりはしないから、遠慮せずに何でも言っちゃって大丈夫だよって感じか?
「うー」
「何かな?」
「お、おねーさま、よぶ、いい、です?」
「……んんん?」
なにゆえ?
どういう事?
え、完全に初対面だよね?
「いい、ちがう、です……?」
「え、いやその…… 駄目って訳じゃ……ない、けど……」
待って今混乱してるから。
そんな捨てられたわんこみたいな目で見ないで。
ってしまったちょっと待って。待って。
そんな救われた様な笑顔になられても困るんだ。
今のは雰囲気に押されただけで許可した訳じゃ……って言う訳にはいかないんだろうなぁ……




