1325:控えめな子を見つけよう。
「それじゃ、ありがとうございましたー」
「またのお越しをお待ちしております」
頭を下げるライサさんに手を振って、役場のホールを後にする。
あ、シェラが最後にちょっとモフらせてあげてる。
まぁすぐに追いついてくるだろう。
「で」
「はい」
「出てきたは良いけど、まだお昼にはちょっと早いねぇ」
「はい」
どうしようかって振ったら一言しか返ってこなかった。
単に私の話の振り方の問題だけど。
「どうしよっかな?」
「それでしたら」
お、太めの庭木の方に飛んでったけど、あっちに何か有るのかな?
「ささ、時間は有りますので遠慮なくどうぞ」
カトリーヌさんに促されて、木の陰から金髪少女が顔を覗かせた。
……のは良いんだけど、覗いてくるだけでそこから出てこないぞ。
「えーと……」
あ、声をかけようかと思ったら引っ込んじゃった。
「知り合い?」
「いえ。こちらでそっと覗いておいででしたので」
あ、別に用が有るとか知ってた訳ではないんだ。
なんか居るなーって見に行っただけなのか。
というか、なんでカトリーヌさんは気にしないのに私からは隠れるんだ。
そんな怖い生き物……ではあるけど、カトリーヌさんも【妖精】だしそこは関係無いか。
お、また出てきた。
目元くらいしか見えないけど、海外の人っぽい雰囲気の有る子だな。
あと頭の位置的に、かなりちっこい。
百四十センチ有るか無いかってくらいじゃなかろうか。
……でもなんか、ソニアちゃんと言い今朝のリアさんと言い妙にちっこい人と縁が有るから、そこまで珍しくもない気がしてしまうな。
む、シェラがとことこ近づいていった。
女の子、特に隠れたりはせずに接近してくるのをじーっと見てるな。
あ、しゃがんでそーっと手を差し出した。
「はぅ……」
出した手にもふっと体当たりされて、ちょっと嬉しそうな声が聞こえてくる。
それにしてもシェラは、握手とかじゃなくてとりあえずこすっていくのは何なんだ。
まぁ良いんだけどさ。




