1276:腕の上で落ち着こう。
「何してんだ?」
あ、アヤメさんが帰ってきた。
中で会ったのか、エリちゃんも付いて来てるな。
「めーちゃんにご挨拶かな?」
「あぁ、なるほど。ってか忘れてた、おはよ」
「おはよー」
忘れてたって事は、一応気付いてはいたのかな?
私が気付いてなさそうだったから黙ってたんだろうか。
「ん…… あぁ、そこか」
「んー? あ、本当だ」
一瞬シェラだけかと思って、すぐにクリスに気付いたらしい。
その辺は流石の偵察係ってとこかな?
単に誰かの視線で気付いただけかもしれないけど。
あ、クリス側からの挨拶って可能性も有るか。
お、クリスがめーちゃんの枝の上でにょろにょろ動いて、とぐろを巻いた様な感じでぶら下がった。
上半身は真ん中でうつ伏せに伸ばして、ふぅやれやれみたいな顔してるな。
あの体勢が落ち着くんだろうか。
家の中にも、どこかに止まり木っぽい物を用意してあげた方が良いのかな?
まぁその辺は必要そうなら、言わなくてもシルクがなんとかしてくれるか。
「なんかあのポーズって、もっとむっちりした蛇ちゃんがやるイメージ有るよね」
「そうですね。ただクリスさんの性格ですし、小さくまとまっている方が落ち着くという事ではないでしょうか」
「あー」
なんか推測されて納得されてるけど、クリス自身から抗議は無いので別に間違いではないらしい。
まぁ確かにクリスくらいの細い蛇だと、枝に沿ってうねってたり草むらに居たりするイメージだなぁ。
とはいえ実際にああやって丸まってるんだから、イメージなんてどうでも良い事か。
なんか違う気がするから伸びてろとか、横暴でしかないし。
「やー、こんな寛いでもらえると嬉しいよねー」
「まぁ懐いてもらえてるって事だしね。お姉ちゃんと違って」
「ひどくない?」
「事実じゃん」
お姉ちゃんの抗議はアヤメさんの一言で抑えられた。
まぁうん、言う必要が無かったのは事実なんだけどね。




