1212:褒められて恥ずかしがろう。
少しずつ加速して本来の蛇行に近づきつつも、頭の動きは器用に抑えて進んでる。
「うーむ。動いていると鱗が煌めいて、実に美しいな」
いつの間にか伏せたまま反転して、頭の上からクリスの蛇部分を眺めてたアリア様。
なんかラキがそうでしょーみたいな顔してるけど、なんで君が自慢げなんだ。
いや、別に良いけどさ。
「おっと、そう照れるな。もっと自信を持つが良い」
急に褒められて微妙に挙動が怪しくなったクリスに笑いかけてるけど、それは多分無理な相談だと思うんだ。
本当に無理なのかはともかく、すぐにどうこうなるものではないだろうし。
あ、クリスが我に返った。
またやっちゃった……って感じの顔してるけど、そんなしょんぼりしなくて良いんだよ。
アリア様、多分そうなるの解った上で褒めてると思うし。
今は私は撫でられないけど、代わりにラキが「だいじょーぶだよー」みたいな顔でなでなでしてあげてるから、任せておこう。
まぁその顔、クリスからは見えてないけど。
ドアを開けるのは再度シルクにお任せして、ぴーちゃんと並んで脱衣場へ。
カトリーヌさんが背後に居る意味は解らないけど、多分考えるだけ無駄だから気にしないでおこう。
「ここはお任せください」
「ぅおっ!?」
ん?
……声に反応して振り向いたら、ドア横で待機してたシルクの手の上でアヤメさんが既に脱がされてる。
あぁ、シルクの指だと大き過ぎて難しいだろうから任せろって事か。
いやうん、流れとしては当然なんだけど、同じ勢いでスパーンと脱衣するのはどうなんだろう。
何か困るわけでもないし、身支度が早いのは良い事なんだろうけどさ。
「あぁ、ちゃんと有るんだな」
「ありがとう御座います」
あ、バスタオル……だとしてもちょっと大きい気がするけど、一応使えるサイズの布は有るんだ。
まぁラキが居るんだし、ラキに使えるタオルの用意が有っても不思議では無いか。
なんでさっきはわざわざ作って……
あ、うん、私の鱗粉をもぐもぐしたかっただけか。




