1209:背中から降りてもらおう。
アリア様達が背中の上をぷにぷに歩いて、翅の付け根に居るコレットさんと合流しに行ってるな。
別にそこに集合しなくても、コレットさんが寄って行けば済んだのではって思う。
まぁどっちでも良いんだけど。
ん?
背中側に意識を向けてたら、されるがままになってたクリスが私の手からするっと抜けて行った。
頭に乗っかってたラキもそのまま一緒か。
「む、クリスか」
「……出るならもうちょっと出てくれば良いんじゃないかな? まぁ良いか」
私の横からにゅっと顔を覗かせたは良いけど、どうやら目元くらいまでしか覗かせてないっぽいな。
とは言え、自分から出て行ってるだけクリスにしては積極的か。
「……ふむ。せっかくのお誘いだからな」
「普通に楽しそうじゃないですか」
ん?
……おっと。
どうもラキに飛び乗られると、尖った爪先がくすぐったくて反応してしまうな。
まぁ我慢できる程度だから良いんだけど。
あ、ラキにアリア様が乗っかった…… と思ったら、てててっと助走を付けてクリスの頭に戻っていった。
……あー、クリスが移動のお手伝いしますーって言ったのか。
言ってはいないけど。
「流石に三人乗るには狭いですしね」
「はい」
残ったアヤメさん達は、シルクの指に登って手のひらに歩いて行ってるっぽいな。
指の厚みですら腰の高さくらいは有るみたいだけど、軽々と登るなぁ。
まぁゲームの補正も有るし、別に難しい事では無いか。
「よし、ではよろしく頼むぞ」
……皆が背中から降りたので顔を上げてみると、ラキの背中からクリスの頭に降り立ったアリア様が、転がって全身でクリスの頭をわしゃわしゃして愛でてるな。
だからもうちょっと王女様としての威厳とかそういうのをですね。
まぁ当のクリスは、微妙に困惑しつつも嬉しげと言うか誇らしげと言うかって感じの笑顔だし、問題が有るわけじゃないんだけどね。
なんだろう、あれは「偉い人のお役に立てる」のと「それが私の為になる」って感じの笑顔なんだろうか。
……常に自信なさげだから、頭に「私なんかでも」とかがついてそうではあるけど。




