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VRMMOで妖精さん  作者: しぇる


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1179/3914

1179:偉い人に絡まれよう。

「む?」


 ちょっときょろきょろしたかと思ったら、おもむろに平伏し始めるクリス。

 あぁ、アリア様が床に居るから、出来る限り頭を下げて挨拶してるのか。


 ……というか放っとかずに机か何かの上で作業してもらえば良かったな。

 今更だけど。



「ふむ。少し離れるぞ」


 あ、ラキに断ってからこっち来た。

 普段なら飛び乗って一緒に走ってくるんだろうけど、今は糸の採取中だから動けないもんね。


「そうかしこまらんで良いぞ。顔を上げるが良い」


 ぽふっと頭を触られて、そーっと顔を上げていく。

 ……四十五度くらいで止まったな。

 アリア様の顔がギリギリ見えるくらいって感じかな?


「ほれ、遠慮するでない」


 あ、両手でおでこを押し上げられた。


 普通ならそっちが遠慮しろよとか言われそうな行動だな。

 まぁサイズ的に無理矢理では無いだろうし良いのか?




「では私は作業に…… 戻る前に、だ」


 よしよしと頭を撫でて終わるのかと思ったら、何か有るのか。


「クリス、少し口の中を見せてもらっても良いかな?」


「何でですか……」


「深い意味は無いぞ」


 うん、気持ちは解るんだけど、「なんでこの人達そんなに人の口の中見たがるんですかぁ……?」みたいな顔でこっちを見られても困る。

 私も訊きたいくらいだから。今訊いたけど。



 あ、観念してアリア様の方を向き直して、あーって口開けた。


「ありがとう。ふむふむ、興味深い」


 遠慮なくずいっと上半身を突っ込んでいくアリア様。

 危険が無いって解ってても、普通はあんなに積極的にいけないと思う。

 カトリーヌさんは普通じゃないから置いておくけど。



 ……なんか微妙に幸せそうな感情がクリスから流れて来てるな。

 あー、そうか、「お友達」は美味しいのか。


 大丈夫だろうけど、うっかり噛んだりしゃぶったりしないでね?

 相手はお姫様だし、迂闊にそんな事したら多分コレットさんが飛んでくるし。


「おぉ……」


 ……少し出てきたと思ったら、なんかクリスの二つに分かれた舌を両手でにぎにぎしてる。

 嫌がってはいないっぽいけど、かなり戸惑ってるな……


 まぁ何となく触ってみたいって気持ちは解らなくもないけど。

 あれはあれで可愛いよね。




「よし、ありがとう。では今度こそ、大人しく戻るとしよう」


 触られたままだと違和感が有るのか、微妙に口をもごもごさせながら頭を下げて見送るクリス。


 ……いや、「なんだったんですか……?」って顔で見られても困る。

 割とそういう人ばっかりな気もするし、その辺は諦めてほしい。

 私も諦めてるから。



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