1134:無駄な実力に感心しよう。
あ、シェラが小走りで近寄ってきた。
「大丈夫ー?」ってくらいの顔だし、効かないのは解ってるっぽいな。
「すみません」
「いやほんと、そういうの困るんだけど……」みたいな顔をしてるシェラに謝るカトリーヌさん。
謝るなら最初からしないでほしいよね。
あれ?
「そういえば魔法攻撃なのにちょっと赤くなってるって、何気に凄いね」
普通ならカトリーヌさんにぽすっと当たってその場に落ちるくらいだろうに。
実際、訓練場で撃ってもらう魔法とかはそんな感じだし。
「完全には無効化されませんでしたね。指で突かれたくらいの衝撃も有りましたし」
シュッと人差し指を前に突き出したのは、このくらいのって事か。
それ、目に当たったら怪我しなかったとしても結構痛いんじゃなかろうか。
カトリーヌさん的には望むところだろうけど。
「ふむ。天才的ではあるな」
「無駄に、としか言い様が無いですがね」
ん?
アリア様が褒めたと思ったら、ジョージさんが苦笑してるな。
無駄って事は、シェラの事じゃないんだろう。
「何がです?」
「カトリーヌが、だな。シェラが狙いを外す事も射撃を止める事も出来ず、かつ自分が射線に入る事が間に合うという、針の穴を通す様なタイミングを見極められるというのは相当なものだぞ」
「……あぁ、確かに……」
当たっても大丈夫だって解ってるし下手に外したら他の人への誤射の危険が有るから迂闊にズラせないって条件付きだけど、外させずに実際に自分に当てさせるってのは凄いのかもしれない。
あの矢のスピードじゃ、撃ったのを見てから飛び込んだんじゃ絶対に間に合わないしね。
いやうん、ジョージさんの言う通り、完全に無駄でしかないけど。
その才能は、もっと意味の有る事に使ってほしい所だよ。
いや、まぁカトリーヌさん本人としては、最も意味の有る事なんだろうけどさ。
撃たされる方の身にもなってあげてね?




