1120:優先されよう。
「少し撫でさせてもらっても構わんかな?」
挨拶が終わった所で、アリア様からお願いが。
うん、あのモフモフ感は触りたくなるよね。
「む? 嫌だ……という訳ではなさそうだが、何か有ると言った事か?」
おや、手を上げて「ちょっと待って」みたいなジェスチャーで返したぞ。
アリア様の言う通りなら、触られるのが嫌って事ではないのか。
どうしたんだろう。
あれ、なんかこっちにとことこ走ってきた。
「ん? どしたの?」
すぐ近くまで来たと思ったらクルっと横を向いて、自分の背中をぽふぽふと。
……ラキもだけど、単に背中とかお腹って言うとどっちの事だか判りづらいな。
まぁどうでも良いし、人に言って伝わってなさそうなら補足すれば良いだけなんだけど。
「ふむ。一番乗りはご主人様にという事か」
「あー…… まぁ、それじゃお先に失礼しますね」
なんか申し訳ないというか失礼な気もするけど、まぁ仕方ないか。
別にアリア様も気にしてないというか、むしろ忠誠心というか懐きっぷりを褒めてるみたいな顔だし。
「おー、ふかふかだなぁ」
見た目に違わず、ふわふわな手触りの毛並みだな。
兎や子猫みたいな感じで実に良い。
現実で触った事無いけど。
褒められたシェラが、「でしょー?」みたいに得意げな笑顔になってる。
……ん? なんか体を捻って……
「おふっ」
「もっとどうぞー!」とばかりに、背中を押されて毛皮にダイブさせられた。
うん、気持ち良いんだけどさ。
もうちょっとゆっくりやってほしいかな。
と思ってたら、よいしょって感じで更に動かされて、うつ伏せで背中に乗せられた。
別に良いんだけどなんていうか、善意の押しがやたらと強いな。
実際気持ち良いんだから、困りはしないんだけどさ。
スキルの効果で伝わってくるのも、嬉しさとか誇らしさみたいなプラスの感情ばっかりだし。
とりあえず好きにさせておいて、問題が有りそうならやんわりと止めていく位で良いかな?
現状、ふかふかでぬくぬくで、何も困ってないし。うん。




