1071:押さえ易い様に加工しよう。
「む、このままでは少し滑るか」
宙に浮かんだ帽子の上に板を乗せて、少しずつ位置を調節してたアリア様が呟いた。
確かに数センチ程度しかない支えの上に普通の板を乗せても、安定はしないだろうな。
下手したら押さえてる時にズルッと滑って、机に衝突する羽目になりそうだ。
「姫様」
「あぁ、頼む」
ん?
コレットさんが自分から進み出てきたけど、どうするんだろう。
まぁあの人なら、金属の板でもへこませるくらいは軽くやりそうだな。
……んん?
「どうぞ」
「うむ」
いやいや、今何をしたんだ。
そっと指を当てただけにしか見えなかったのに、帽子の丸みに合わせた形に綺麗にくり抜かれてるんだけど。
……まぁなんか謎の技が有るんだろう。うん。
あ、土台の方の板にくり抜いた半球状の物をくっつけて、そこに帽子をかぶせ直した。
あれなら帽子の形をある程度保ったままで圧縮できる…… けど意味は有るんだろうか。
いや、多分あんまり無いな。
「ふむ、問題は無さそうだ」
帽子に板を乗せてから、つんつん突いて確かめる。
妙に安定してると思ったら、帽子のつばで支えられてるのか。
「では、やってみよう」
「一応気を付けてくださいねー」
「うむ」
問題無いとは思うけど、一応動いたり滑ったりした時の事を考えて声はかけておこう。
言うまでもなく気を付けてるだろうけど。
「お前じゃあるまいし」
「うっさいですって言いたい所ですけど、うん、言えませんよね」
「当たり前だ」
うん、解ってる。
ジョージさんには、やらかしてるのを何度も見られてるもんね。
特に水蒸気での自滅と役場の結界への突撃あたりは、流石に言い訳出来ないレベルだし。
……あれ?
そういえばあの結界、【妖精】の突撃に耐えるってどうなってるんだ?
普通に魔法で作った物なら、私…… というか【妖精】なら普通に突き破れそうなものだけど。
まぁ実際破れずにこっちが一方的に負けたんだから、何か秘密が有るんだろう。
訓練場の奴はなんか破れそうな感じが有ったし、あそこの奴だけ特別製なんだろうな。
ここの人達の事だから、アリア様を守るためならなんだってやり遂げそうだし。
特にコレットさんあたりが。




