1040:どうせ無理だから許そう。
私が帰ってきたのを見た人たちが、左右に分かれて道を開けてくれた。
人をかき分けて通るなんて【妖精】には無理だから、その辺をちゃんとやってもらえるのは助かるね。
……魔法で吹っ飛ばして通る事なら出来るけど、色々と大問題だし。
「やあ、やる気に満ち溢れている様だな」
「あ、どうもー。妖精さんもお帰り」
「はーい、戻りましたー」
とりあえずこっちに振られたので、適当に手を振ってお返事しておこう。
しかしアリア様、なんか楽しそうだな。
結果は毎回アレだけど、アホな事やってる面白い奴って枠なんだろうか。
「ま、頑張るが良い」
「うっす」
あ、許可が出た。
排除するのは変わらないから、許可って言って良いのかは謎だけど。
……いや、不法侵入を頑張って良いのか?
どうせ無理だろうし、強く育てよーくらいのノリかもしれないけどさ。
「お帰りなさいませ」
「はい、ただいまー」
「うむ、戻ったぞ」
いや、アリア様の家ではないんじゃないかな。
別に良いっていうか、考え様によってはこの町は全部アリア様の土地だけどさ。
「さて、と」
「……観ていくんですか?」
「せっかくだからな」
アリア様、門の横でコレットさんがどこからか取り出した椅子に座ってしまった。
まぁどうせすぐ終わるだろうから、別に良いけどさ。
毎回グロくなるから、あんまり見たいものでは無いんだけど。
「毎度面倒ではあるのですが」
「まぁそう言うな。優しくしてやりなさい」
「はい」
普段通りのまっ平らなトーンの声で面倒くさがるモニカさんを、アリア様が笑いながら送り出す。
……「優しく」って、絶対に普通に優しくするって事じゃないよね。




