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森のエルフは過保護さん  作者: rurura
エルフの里 《黒の森編》
65/80

第65話 旅支度

 ――宿で出立の荷支度をしながらの事――



「ねえララ、ララの故郷ってどれ位のエルフさんが居るの? こないだ行った森の村くらいなのかな~」


 と、サハラさんはいつもララが言って居る”里”と言う言い回しから小さい村か、せいぜいでもそこそこの大きさの村で町とは言えない位の規模を想像します。

 でもそれに対してララは少し自慢げに答えます。


「ふふふ、サハラ。 たぶんサハラは勘違いしているわ。 私の里を凄い田舎だと思っているでしょう?」


「う、うん。 ごめんなさい。 里って言うから小さな村くらいなのかなって思ってたのです」


「ああ、大丈夫よ。 怒っている訳では無いわ。 ある意味ではあってるもの。 そうね、普段は森の村の倍位かしらね。 でもね、“里”って言うのは昔からの伝統的な言い回しで実際にはもっと特別な場所なのよ」



「おぉ~~、そうなのですか! 特別な場所……良く分らないけど楽しみなのです! …………あ、遊びに行くわけじゃ無いのにはしゃいじゃってごめんなさい……」


 ララの特別な場所って言う不思議な話にエルフの里がどんな感じなのか気になってしまい、ついついテンションが上がっちゃったサハラさんなのですが、すぐさまララの今の立場を思いだしてはしゃいでる場合じゃないと謝りました。


「うぅん、大丈夫よ。 さっきリンディアお兄様が言った様にたぶん長老達に怒られるだけで終わる筈だから平気よ」


 ただし、きっと何十分も何時間も長々と小言を言われながら反省文を書かされる事になるんだろうなぁ……と、少し遠い目になってしまうララなのでした。

 ですが”ぶんぶん”と頭を振って気持ちを切り替え、隣で心配そうにしてるサハラさんへ向き直り明るい声で里の自慢を語り出します。


「ねえサハラ、実は私の里はね、全てのエルフにとっての中心的な意味がある特別な里なのよ。 だからすっごく歴史は古いし、里の中心にはすっごくすっごく大きな世界樹って言われるマザーツリーが生えてるの。 絶対に感動出来るから期待しててね!」


「おおー、すごいのです! それは期待大なのですよ~」


「里で一段落付いたらマザーツリーの中も案内してあげるわね」


 すっごく綺麗なのよ、とララは懐かしの故郷に思いを馳せながら提案します。


「え、中に入れるの!?」


「ええ、ツリーの中は人族で言う所の王宮と神殿が合わさった場所になってるのよ。 さっき言った特別な場所ってのはそう言う事。 それでそこは許可が無い人は入れないんだけど中は凄く綺麗で絶対見た方が良いから一緒に見に行きましょうね。 あ、許可は何とかするから大丈夫よ」


 と、ひどく簡単にララは言って居るのですが、当然の様に王宮やら神殿やらに気軽に外国人とも言えるサハラさんが入れる訳はありません。

 そして”何とかする”と安請け合いしていますけどララは別に何かしらの権限があったりするわけでも無く、むしろ里で一番若いうえに未成年なララでは全く何ともしようが無いのですけれども、謎の自信に裏打ちされちゃって意気揚々と無謀な約束をするララエルさんなのでした。



「うん。 ララ、ありがとう!」



 だけどララの事をもはや完全に信頼しきっちゃっているサハラさんはそんなララの無茶で無謀で無計画な提案を全く疑いもせずに信じちゃってマザーツリーの中に入れると期待してテンション高くお礼を言うのでした。

 ララもなかなかに罪作りですね。


「さて、それじゃあサハラ、そろそろ行きましょう。 あんまり待たせると短気なメルミアお姉さまが機嫌を損ねちゃうかもしれないわ」


 “困ったものね”と、さも人事かの様に呟くララなのですが、正直ララとメルミアさんだとどっちの方が短気か分らない位どっちもどっちだったりします。


「うぅぅ、ララ、僕はあの女の人怖いのです~」


 首根っこを掴まれて剣を首筋にあてがわれた上に凄く冷たい眼差しで物扱いしてる様に言われたサハラさんです。

 軽くトラウマの様な物を植え付けられちゃって考えるだけでも怯えてしまいます。


「だ、大丈夫よ。 あれでもやさし……くは無いか……。 思慮深……くもないわね。 うーん……大丈夫よ! 念の為私の側を離れないでね。 あ、リンディアお兄様は優しいから頼っても大丈夫よ」


「わ、わかったのです」


 そこはかとなく安心出来ないララの大丈夫宣言でむしろサハラさんとしては不安が増したのですが、ララにあんまり迷惑掛ける訳にもいかないかなと言葉を飲み込んじゃうのでした。







今更ではありますが、生存報告代わりに久しぶりに投稿させて頂きます(゜_゜;)

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