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森のエルフは過保護さん  作者: rurura
序章 《出会い編》
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第02話 始まりの日

 パッと目が覚めて飛び起きます。

 キョロキョロと辺りを見回してみますが全然見覚えの無い場所です。 と言うよりもどう見ても森でした。

 そもそも少女は自分の部屋に居たはずなのに今は見知らぬ森……。


「あ、あれ? ここ何処です!?」

(え~と、何してたんだっけかな? ……う~ん、たしかゲームをやってた気がする……それで変なアイテム拾って……使ったら光って気が遠くなって…………え? って事はあのアイテム本物だったんですか!?)


 こ、これはもしや噂の異世界転生!! そう思い至って少女は歓喜に染まります。


「ふふ……ふふふ……ふふふふふ! 来た! 来ました! 僕の時代が来たのです!」


 夢にまでみた異世界行き、あんまりな嬉しさにちょっと小躍りしちゃいました。





◆◇◆◇◆





 とりあえず現状確認でもしようかと少女はもう一度辺りを見回してみます。


「森です。 見渡すかぎりすっごい大きな木の森です! これって樹海より深そうだよ」


 そうなのです。 今少女が立っている場所はほぼ完全な森の中、その森を切り裂くように走っている一本の道の上だったのです。

 周囲の確認は出来たので次は自分の状態を見てみようかなと思って少女は持ち物とか服装、体の状態などを調べてみます。


「え~と、持ち物とかは最後に装備してたローブと杖みたいね」

(ミスリルセット『魔法使い用』を装備してたから、たぶん今の服はミスリルローブとミスリルとんがり魔女帽……それとミスリルかぼちゃぱんつ……。 武器はミスリル製の長杖にレッドドラゴンアイって魔石をはめた炎魔法用の杖……だと思う。 だって見ても触っても何で出来てるかなんてわかんないもん……)


 魔法使い用の装備で固めてる少女なのですが……実は少女のジョブはヒーラーだったりします!

 何故ヒーラーなのに魔法使い装備なのかと言うと、ただ単に魔法使いルックが好きだからなのです!! ……でもジョブはヒーラーがやりたかったんです。

 ちなみにローブは白地に金銀の糸で縁取りしたちょっと豪華な雰囲気のローブです。 でも白地だから何となく教会関係の服に見えなくもないです。




「ふふ~ん! さてさて次は一番重要な自キャラ確認です」

(鏡が無いから良くわかんないけど、ちゃんとキャラデータを引き継いでるみたいです! いつもより声も高い気がするし肌も白いです。

 髪の毛もちゃんと癖っ毛ウェーブで太股まで届く超ロングヘアーです!

 確か背の高さは百四十㎝にしたはず、目の色も髪の色も艶っつやの真っ黒!

 ふふ~ん、一日掛けてじっくり作った甲斐があるってものです)


 鏡が無いので少女本人は見えていないのですが少女の容姿は、太ってる訳でも痩せすぎてる訳でも無い健康的な体型、百四十㎝の背で日本人的な色白の肌、ふわっふわくるっくるの癖っ毛ウェーブな上に太股まで届く超ロングヘアー、しかも艶々な黒髪。 顔は丸顔でまあるい目をした優しそうな印象の女の子。 瞳も黒色です。

 少女が理想の容姿を悩みに悩んで作った自信作なのです。


「ふっふ~ん♪ じゃあ次は魔法が使えるか調べるのです!」

(え~と、確かステータスは初期値に戻るって言ってたから、使えるのは一番初期の【回復Ⅰ】【浄化Ⅰ】【閃光】の三つだけかな? ……いつも思うんだけど魔法名ってもっと凝ってくれても良かったのにね……)


 ちなみに……

 【回復Ⅰ】は傷が治ります!どれ位治るかと言うと、無くなった手足は生えてこないけど切れた手足くらいなら繋がります!アンデットに使うと逆にダメージを与えます。

 【浄化Ⅰ】は毒や病気がある程度治ります。アンデットに使うと何故かダメージを与えます。

 【閃光】はすっごく強い光を放ちます。目眩ましですね。アンデットや悪魔みたいな敵は逃げてっ行ったりします!

 基本的にヒーラーの魔法は聖属性なので邪属性には攻撃になります。


「ではでは……【回復Ⅰ】!!」


 さっそく少女は呪文を唱えてみました。 だけど特に何も起こった様子がありません。


「……あれ? 何にも起きないです。 何だろう……魔法使えないのかなぁ~。 ……う~ん……あ! もしかして対象を指定して無いのがダメだったのかな? もう一度【回復Ⅰ】」


 改めて次は自分を狙うイメージで魔法を使ってみたら無事発動出来て、頭の上辺りからふんわりとした雪のような光の粒がはらはらと舞い降りてきました。


「お~! すっごいです! 何だか暖かくて光ってる雪が降ってきましたよ!」

(最高です! でも何だかちょっとだるくなりました……。 これが魔力を使う感覚なのかな?)


 とにかくこれで大体確認する事は終わりました。


「さて、次は今後どうしようかって所ですよね」


 そう言いつつ周りを見回してみます。 左右は深い森です。 一人で道具も持たずに入って大丈夫な様には見えないです。 森に入るのは危なそうですよね。


 そして前後は道です。 たぶん馬車か何かの通り道らしくて轍が出来ています。 しかし道、道です! 道の先には人が居ます。 こっちが良さそうですね。


「とりあえず人の居る所に行かないと困るよね。 丁度道の上に居て迷う事が無いってラッキーです! さてと、どっちに向かおうかな~」


 そこでおもむろに武器である長杖から手を離します。 当然倒れます。

 今回は後ろ向きに倒れました。 それを見て少女はにっこり頷き杖を拾い、倒れた方向へ向き直ります。

 ようするに少女は棒倒しで向かう方向を決めたのです!




「ふふ~ん。 考えても分からない事は運頼み、さあこっちに良い事あるはずですよ~。 ふんふんふ~ん♪」



 そして少女は上機嫌に鼻歌を歌いながら歩き出すのでした。




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