お手伝い
「誘った?」
「えー誘われたの?!」
「誰と行く?」
楽しそうな声がしている。明日はこの地域で1番盛り上がる夏祭りが開催される。お祭りでは花を交換し、一緒に花火を見ると永遠の愛が約束されるだとかされないとか。
「マリはお祭り誰と行くの?」
「家族かな?好きな人いないし誰にも誘われてないから。」
「えー寂しい!私達と行く?」
「ソフィはロビンと行くんでしょ?付き合いたてなのにお邪魔しないよー。大丈夫大丈夫。2人でどうぞ。」
いいのにーと話をしながら選択授業終わり廊下を歩く。皆明日のお祭りの事で頭がいっぱいだな。未だに好きな人もできた事ないし、恋愛はまだよくわかんないな。
「今帰り?」
「はい!リアム様はまだお仕事ですか?」
「そうなんだ。生徒会は総出で夏祭りの用意を手伝うのが慣例なんだけど、人手が足りなくてね。まだまだ終わらないんだ。」
「大変ですね。私お手伝いしましょうか?」
「夏祭りの間も手伝いあるし、無理しなくていいよ。お祭り行くんでしょ?」
「予定無いから大丈夫ですよ。お手伝いします。」
ありがとう!助かるよと握手される。リアム様は今年同じクラスで騎士を目指しながら、生徒会長をしてる文武両道のとても素晴らしい方。高嶺の花過ぎて誰も手が出せない程モテの条件が揃いすぎている。
「じゃ詳しい説明するね。今から時間いい?」
はい!とソフィと別れリアム様について行く。前日と当日もお祭りの手伝いがあると説明をされる。当日は役員もお祭りを優先で参加させてあげるみたいでさらに人手が足りないと。
「役員といえど参加させてあげたいからね。」
「リアム様は参加しないのですか?」
「私は全くモテ無いから相手もいないし、この年で家族と行くのもね。」
モテ無い訳がなかろう。貴方モテすぎてますよ。いや、でも謙遜で無く本気っぽいな。高嶺の花過ぎる結果か。
「本当にお祭り参加しなくて大丈夫?」
「はい!私もモテ無いですから、家族と行くかな?と思ってただけなので。」
「マリエ嬢はモテてるよ。間違いなく人気ある。」
そんな馬鹿な。では何故お誘いが無いのだ?おかしいじゃないか。
「マリエ嬢は兄上が強すぎるよね。私達の世代で憧れない人はいないよ。たがら誰もお誘い出来ないんじゃないかな。」
「あぁ…お兄様。家ではグダグダしてるので憧れと言われると変な感じがします。」
私の兄は騎士団で副団長をしていて、何故かヒーロー扱いされている。いつも家で絡んできて煩いのに、まさか恋愛にも絡んでいたなんて。
「人手が増えて嬉しいよ。今日はこの後街で準備を手伝って、明日は人員整理や配布物のお手伝いなんだ。終ったら少し時間あるかもしれないから、そこからは自由にしてもらって大丈夫だよ。」
「サクッと終わらせてお祭りを少しでも楽しみましょう!」
「え…私も?」
「そうですよ!リアム様も一緒に楽しみましょうね!!」
ありがとうとお礼を言うリアム様の様子が、いつもと少し違う事など気づかなかった。じゃとりあえず街に行こうか!となり準備に向かう。
「マリエ嬢の事マリーって呼んでいいかな?」
「あ!はい!良いですよ。マリエ嬢って何か言いにくいですよね。」
「そうでもないけど、なんとなく?」
「なんですかそれー。じゃ私もなんとなく変えますよ?」
「いいよ。何て呼ぶ?」
「んー…リーだとマリーと被っちゃうし…リアかリリ?リリにします!」
「いいね。急に仲良くなった感じがする。」
「不都合が出たら言ってくださいね。戻しますから。」
「不都合が出たらね。マリーはあちらの御婦人を手伝ってくれる?私は向こうを手伝ってくるからね。」
わかりました!手伝ってきます!と手を振り別れる。お手伝いします!と輪の中に入り設営から色々お手伝いをしていく。
「マリー今日は疲れたんじゃない?遅くなったけど大丈夫?送るよ。」
「初めてだったので楽しかったです!連絡してあるし大丈夫です。リリまた明日ね!」
また明日と微笑み手を振ってくれる。楽しかったなー!リリとも仲良くなれたし、良い事尽くしだわ。
「マリ!遅かったじゃないか!心配するだろ?」
「はいはい。連絡しましたしまだ明るいから大丈夫ですよ。」
「可愛いマリに何かあったらと思うと…」
「あ!そういえば!私がモテ無いのお兄様のせいだって聞きました!シスコンやめて下さい!」
「可愛い妹を心配するのは当たり前だろ!誰から聞いたんだ?!しばいてやる!」
「やめて下さい!このままじゃ嫁ぎ先見つからないじゃないですか!!」
「俺を倒せないやつにはマリはやらん。」
「一生無理じゃないですか!!最悪だわ。」
いつでも挑んでこい!と言っているが、そもそも挑んでくれる人が皆無だ。あんな兄を持って私の人生終わった。
「明日一緒に行くか?騎士団の良い奴紹介するぞ?俺には勝てないがな。」
「嫌です。明日は生徒会のお手伝いしますのでお祭りには不参加です。」
「それなら仕方無いな。お手伝い頑張るんだぞ。ナンパされたら迷うことなく殴るんだよ。」
はいはい。まずナンパ何かされませんよ。お兄様と行くなんて地獄過ぎる。この兄に憧れた脳筋ばっかり集まってくるんだから。私は細身ながら引き締まった感じが好きなのよ。ムキムキなんてお断りだわ。
「おはようございます!イイお天気で良かったですね。」
「マリーおはよう。こちら一緒に活動してる生徒会のメンバーだよ。大体顔見知りだよね?皆徐々に抜けていくけど気にしないで。」
「よろしくお願いします!皆様お相手がいるですね。羨ましいです。」
「マリーは私とお祭り参加してくれるんでしょ?」
「あ、そうでした。リリ頑張りましょう!」
各担当に分かれお手伝いに向かう。配布物の担当になったので早く配り終われる様に頑張ろう。
「あのマリエ様…いつから会長とお付き合いを?それとも密かに婚約者とかですか?」
「え!してないです!お友達と言うのも烏滸がましいくらいのクラスメイトです。」
「いやいやいや。会長が令嬢を愛称で呼ぶなんて無いですよ?」
「えー気まぐれじゃないですか?なんとなくって言ってましたよ。」
いやー…?と疑われている。書記をしているルディ様は私とはたまに話をする仲で、呼び方が気になったみたい。世間話以外したのも昨日が初めてな仲だよ?そもそも学院内の噂で聞く以上の話は何も知らない。完全にただのクラスメイトだ。
「昨日会長の何かをマリエ様が刺したんじゃないですか?」
「刺さるような事何もしてないと思うけど。」
「会長本気で全くモテ無いって思ってる様な人ですからね。わかりませんよ?」
本当に何か刺してたらお菓子プレゼントしますよ、逆に有り得なかったらくださいねって軽い気持ちで賭けをする。お菓子ゲットだわ。
「マリー疲れてない?まだまだ長いし無理しないでね。」
「え?大丈夫だよ!ルディ様とお話しながらだから楽しいし。」
それなら良かったって飲み物をくれる。暑いから気をつけてねと去って行った。
「ほら。会長はマリエ様にだけ優しい。」
「きっと生徒会メンバーじゃないからですよ。きっと気を使ってくれてるだけです。」
「私お菓子はルンブラ堂の焼き菓子が良いです。楽しみにしてますね。」
ルディ様早く配りましょう!って話を変える。きっとお兄様に憧れてるから、私にも気を使ってくれてるんだわ。そうに違いない。




