念力負荷
戦闘シーンあり。
避けられない。
そう判断し、私は振り下ろされる赤スライムの衝撃に耐えるために、念力を使い、出来るだけ身を硬くする。
トラックの時と違って衝撃が体全体に来るわけではないはずだ。
腕だけを狙ってくることに賭け、
大事な腕の表面組織を骨の細胞と置き換え、
腕の表面が薄橙色から白色に変わる。
衝撃に耐えるために歯を食いしばる。
赤スライムが当たる直前、サイの黒スライムが間に入る。
金属が当たるような音が、響く。
目の前が真っ暗になった。
冷たい金属に包まれたような感覚が全身を包む。
黒スライムが私を包んで、サイの胸に抱き寄せる。
「すまない、ノウ。
俺が油断したせいだ。」
ロットから伸ばされる赤スライムを弾きながら、サイは気落ちした声で言った。
「オコってしまったことは仕方ない。
とにかく今は、ロットの方に集中。」
ロットの顔は、歯を剥き出し、眉間に皺を寄せ、こちらを睨んでいた。
もう完全に怒らせちまってるよ。
サイが、黒スライムで赤スライムを金属のあたる音と火花を散らしながら、弾いていく。
一見、対等に戦っているように見えるが、こちらは防戦の一方だ。
ロットが少しづつ近づいてくることによって、赤スライムの威力が上がる。
そのとき、メタルスライム警官の声が、メガホンを通して聞こえてきた。
「ケマルぺ王国から援軍、約1時間後、………来る頑張って持ち堪えてくれ」
援軍が来ることは、嬉しいだが、ほかに重要な情報を言ったようだが、サイとロットのスライムの当たる音でよく聞こえなかった。
ロットは、怒りで我を忘れて、さっきの放送を全く聞いてないようで、攻撃をやめない。
「サイ、1時間頑張ればいいみたいだから、あの場所変えよう」
コンテナが無くなったこんなだだっ広い場所では、純粋に力が強い方が有利だ。
私は視線で、コンテナが残っている場所を示す。
サイはそれを理解して、私を抱えた状態で、10m横に跳躍し、私の視線の先に移動する。
突然の行動にロットがついていけず、赤スライムがアスファルトの地面に突き刺さる。
地面にヒビが入り、えぐれる。
あんなのと戦うことのできるサイってすごい。
私たちを追おうとして、ロットがこける。
立ち上がると口から血を吐いていた。
ロットはカラスマ夫妻とのコンテナの押し合いで、相当の念力を消費して、体に負荷がかかっている。
だから、しばらくはコンテナ飛ばしはこないはず。




