第七十五話
短めです。すみません。
互いにプレゼント交換をし終わったその後、そのままその店で夕食を済ませ、俺たちは2人で、暗くなった街を歩いている。
外はすっかり聖なる夜。そこら中でカップルの話し声が聞こえ、あらゆる場所が光り輝いている。
俺は暦月の後を追って歩く。なんでもこの辺に有名なクリスマスツリーとイルミネーションがあり、日付が変わる瞬間、その近くの教会で鐘が鳴り、それはもう綺麗で、感動的だそうだ。
「着いたよ!」
「へぇ、ここが……」
辺りを見回す。
あらゆるところにイルミネーションのオブジェがあり、その中心に堂々と立つクリスマスツリーは、七色の光を、そこら中から放ち、見ている人達を圧巻していた。
よくもまぁこんなロマンチックなものを知ってたものだな…………
「えへへ、綺麗でしょ?」
「うん。普通に綺麗で、すごいな」
俺は暦月にそう呟くと、俺の態度が気になったのか、暦月は顔を歪ませる。
「あれ?もしかしてこういうのあんまり興味ない感じ?プラネタリウムも寝てたし」
「いや、さすがにあそこまで興味なくはないよ?ていうか普通に感激してる。物凄い綺麗で圧感だし、なんとも思わないなんてことはないよ」
「へー、そうなんだ………」
「ただ、」
「ただ?」
「どうしても思っちゃうんだ。光ってるだけじゃね?って」
「えー…………ムード!最低だよ?」
「いやわかってる。わかってるんだよ、その光ってるのが綺麗ってことは。でもなんか悔しくない?たかが光に綺麗って思わされるなんて」
「そんなこと言ったら全部そうでしょ………」
「んー、でもなぁ」
「あぁ!そんなことよりほら!もうすぐだよ!」
「は?何」
───カラァァァァ……ン カラァァァ……ン カラァァ…ン カラァァン カラァン
俺が、暦月の肩に手をおこうとした瞬間、大きな鐘の音が響き渡る。
すると、それと同時に周りのイルミネーションの光は一斉に消え、辺りが真っ暗になったかと思うと、ツリーのみが明るく点灯する。
俺も暦月もそして周りの人も、みんながツリーに釘付けになる。
そうして、それが終わる頃、暦月がいつになく真剣な顔をして、俺の名を呼ぶ。
「紅葉」
「ん?」
「私ね………紅葉のこと、だいすでっ!」
なんだか嫌な予感がしたので、暦月が皆までいい終わる前に頭をチョップしておいた。
「な、何すんのさー!」
「はぁ…………もうね。すーぐそういう空気になるから俺はクリスマスデートが嫌いなんだよ」
「え、だっていい雰囲気だったじゃん」
「いーや、全然違いますー。はい。今日は好きとかそういう言葉は禁止とします」
「え、ひどっ!」
「ほら、もう用は済んだでしょ?ケーキ買って帰ろう?今日は泊まってくんでしょ?」
そう言って、歩き出すと、暦月が後ろから飛びついて来る。
「いてっ!何すんの」
暦月は抱きついたまま離さない。
「えへへ、大好き〜!」
「うわっ、やめろって言ったじゃん。ほらもう離れて!」
「いーやーだー」
結局、暦月は俺の腕に抱きついたまま、ケーキを買って2人で俺の家に帰った。
家に帰ると、2人ともとりあえずお風呂に入り、後は二学期の思い出話に花を咲かせたり、今日買ったゲームを2人でプレイしたりしていた。
気づけば、俺たちは2人で一緒のベッドに寝ており、起きたのは昼の12時を回ってからのことだった。
俺たちのクリスマスは、ひとまずいい思い出として終わったのだった。
ブックマーク、高評価、ご感想、よろしくお願いします!




