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第五十三話

「ちょっと早いけど、お夕飯にはちょうどいいね!今日は遊び回ったからお腹ペコペコだし!」


「うん、そうだね」



俺たち2人は自分のクラスに帰っていた。



「ていうかよかったのかな?」


「なにが?」


「だってもう店閉めの時間じゃん。なんかすんなり入れたけど、他の客は全然いないし、接客も誰も…………接客いないのに料理注文できるの?」


「あーっと、俺が事前に予約してたんだよねー」


「あ、そうなんだ………でも誰もいないよ?」


「ここのベル鳴らせばくるよ。それより何頼む?」


「え、うーん…………紅葉は決めたの?」


「うん」


「じゃあ一緒ので」


「わかった。というか、それを食べてほしかったから」


「あ、そうなんだ………なに?」


「お楽しみ。ベル鳴らして?」


「うん!」



ーーチリンチリン


暦月がベルを鳴らす。

すると例の扉が開き、女の子が出てくる。



「えっ!あの子って………」


「ご注文は?」


「か、楓ちゃん…………?」



そう。俺たち2人を接客しにきたのは妹の楓。

1万円で承諾してくれた。



「………なんで?」


「俺が頼んだの。楓、やっぱ例ので………」


「はーい!じゃ、しっかり楽しんでね!お義姉ちゃん!」



そう言って、楓は再び扉の奥へ入っていった。



「お、お義姉ちゃん……………えへへ。あ、これってサプライズみたいな?」


「そ、記念日だし、楽しんでね?」


「うん!ありがと!」


「ふふっ……」



料理が来るまでの間、俺たちは再び文化祭のことについて話を弾ませた。


そうして、5分ほど経ち、最初の料理が運ばれてきた。



「あれ?早いねー」


「まぁ、この時間に合わせてある程度作ってもらってたからね」


「はい、お待たせ!まずは、茶碗蒸し!じゃあね!」



机に料理をおくと、楓は去っていた。


暦月は嬉々として茶碗蒸しの蓋を開け、目をキラキラさせている。



「いい匂〜い!美味しそー!早く食べよ!」


「そうだね」


「「いただきます」」



手を合わせ、一緒にいただきますをすると、暦月は早速茶碗蒸しを口に運ぶ。



「おいひー!」


「それはよかった」


「………………あれ?うちって、茶碗蒸しなんてメニューあったっけ?」


「さあ?」


「まいっか!……………んー!おいひー!」



そうして、茶碗蒸しを食べ終えた頃、次の料理が来る。



「はい!お味噌汁!体あっためてね!」


「わあぁぁぁ!いただきます!」



そう言って、暦月は味噌汁をすする。



「す、すごい……………味付けは濃いのにさっぱりしてて、出汁もすごいきいてる………具材も美味しい…………」



そうして、味噌汁を全て飲み、しばらくしてから、さらなる料理がくる。



「はい、次はお寿司!」


「あれ?お寿司なんてなかったよ?」


「まあまあ、食べなよ」


「そうだね!……………ん、これも美味しい!なんか、百円寿司より豪華な感じがするー!」


「お、意外と鋭いね」



また、お寿司を全部食べ終えると、



「はい!次は和牛の特別ステーキ!それからポテトサラダと、ほかほかの白ご飯!」


「あれ?和牛なんてなかったよ?」


「まあまあ」



そうこう言いながらも、暦月はしっかり肉を食べる。



「や、柔らかい〜…………肉汁が………」


「ご飯が………うちのと全然違〜う………何杯でも行けそう…………」


「このサラダ、いい感じに甘くて最高〜!」


「はい!最後にお茶!」


「あったかい……………おいしいよー………」


「ふふっ……満足した?」


「うん!もう最っっ高!」


「今からデザートだけど、お腹大丈夫?」


「別腹です!全然いけます!」


「よかった………」



とりあえず、主食の方はこれで終わり。

あとはデザートだ。

俺的にはこっちの方がずっと楽しみ。


「はい!まずは苺大福から!」


「甘〜い!やわ〜い!」


「うまっ」


「次はプリン!上にはクリームついてるよ!」


「甘っ!やわっ!」


「うまっ」


「次はパフェ!」


「果物が全部甘い…………」


「うはー!最高!」


「甘みたっぷりホットココアとテリーヌショコラ!」


「あ、甘すぎる〜!」


「うまい……………泣きそう……………」


「最後に、お口直しのコーヒー!」


「あ、おいしい………」


「にがっ……」



1つ1つは少ないとはいえ、スイーツのフルコースを完璧に楽しんだおかげで、2人とも既にお腹はいっぱい。


2人して、料理の余韻に浸るかのように、コーヒーをすすっている。



「ねぇねぇ、見たことないメニューばっかりだったんだけど…………すごく美味しかったし、素人じゃないよね?」


「まあね、一応プロだよ。2人とも」


「えっ、もしかして…………」


「そ、今回の料理、そしてデザートを作ったのは俺たちだ!」


「暦月ちゃん、久しぶり!」


「お義母さん!お義父さん!」



そう。俺が頭を下げて2人にお願いした。

暦月のことはたいそう気に入ってるらしく、なんの抵抗もなくOKしてくれた。2人ともGJ!



「あわわわわ………す、すごく美味しかったです!感動しました!」


「ふふふ、いいのよ!」


「あ、それから暦月…………」


「ん?」



楓が横から、俺に袋を手渡す。



「昨日、いなくなったときあったでしょ?あのときに買ったんだ。サプライズ」



そう言って、赤い袋を暦月に渡す。



「え、あ、ごめ…………私何も………」


「いいの、もういっぱい貰ってるから。それよりほら!受け取って」


「あ、ありがとう……………開けていいかな?」


「ん、どうぞ」



俺のプレゼントを受け取った暦月は嬉しそうに顔を緩めながら、袋を開ける。



「えーと、これはハンカチ!?可愛い〜」


「ホント?よかった………」


「あ、まだ入ってる!…………なにこれ?」



暦月が取り出したのは、細長い箱1つと、小さな箱1つ。



「まぁ、開けてみてよ」


「うん!」



暦月は小さい方の片方をまず開ける。



「き、綺麗…………」



中には指輪が入っている。



「あ、ローマ字でコヨミって彫ってある!」


「うん」


「もう一つは!?」



そうして、もう片方も開ける。

同じく中には指輪。デザインが同じだか、色が違う。



「こ、コウヨウって彫ってある…………」


「うん、お揃い」


「あ、ありがと…………」


「うん」


「こ、これは何かな……………………これって……」



最後に、暦月が開けた細長い箱にはネックレスが入っている。



「か、可愛い…………」


「付けてあげようか?」


「う、うん!」



俺は暦月からネックレスを受け取り、暦月の首に手を回して、付ける。


うん、とても似合ってる。



「あ、ありがと…………」


「まぁ、そんなに高くないんだけどね」


「そんなの………関係ない…………うぅっ……ひっぐ…………ありがとう………うぅ……」


「ふふふ…………暦月って泣き虫?」


「ち、違うもん!…………」



暦月は泣きながらも俺のプレゼントを笑って受け取ってくれた。



「暦月……………」


「……………ぐすっ……ん゛?」


「俺ってさ、自分で言うのもなんだけど、結構めんどくさいと思うんだ…………暦月のことだって、まだ完全に恋したわけじゃない……………それは暦月が一番わかってて、それってやっぱり………いつも明るく振る舞ってくれるけど………やっぱり傷ついてると思うんだ…………」


「う゛ん゛…………」


「だからさ…………これはお返し。暦月………」


「……………」


「いつも、ありがとうね」


「う゛ん゛!」



感謝の気持ちを込めた笑顔で言う。

それに合わせて、暦月も大量の涙を流しながらも、笑顔で返してくれた。



サプライズは無事、成功に終わったーーー





え、ちょっと………過去最高に甘くない?


あの……スイーツの辺りが特に。


あ、それガチの方の甘いだった。比喩とかじゃなくてリアルな方の。しかも資料のために色々調べたからなお甘い。


しかも、デザートとか、和食とか、色々資料として調べてたらすごいお腹減った。いいなぁ、食べたいなぁ………



ブックマーク、高評価、ご感想、よろしくお願いします………じゅるり…………

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― 新着の感想 ―
[良い点] 甘い [気になる点] 指輪はちょっと、重い [一言] すこ
[一言] まさか後書きを斜め読みしたら次回の展開を示唆する内容になっていたとは… 俺じゃなきゃ見逃してたね(天丼) とまあ同じネタはさておき。いつも砂糖吐きながら読ませてもらってます…
[一言] 更新お疲れ様ですm(_)m 紅葉が紅葉じゃない!
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