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第四十話

「ふぅぁぁ…………」


「あ、起きた。おはよう」



俺は暦月の膝の上で目を覚ました。

そういえば膝枕してもらってたんだったな。



「おはよう、ごめんね。ありがと」



そう言って、頭を上げる。



「ううん、気にしないで。でも…………ん!」


「?」



暦月が両手を広げている。



「お詫びとして、ギュッとして、頭撫でて?」


「はいはい」



暦月に抱きつき、少し力を入れる。

そのまま頭を撫でると、ふふふとか力の抜けた声がして、俺の背中に手を回す。


しばらくして、もういいだろうと思い、体を離そうとするが離れない。



「ん、暦月?もうそろそろ……」


「だーめ、もうちょっと。ね?」


「まぁ、いいけど」



それから5分ほど抱き合っていたのだが、暦月は全く離れるつもりがない。


しかしどうやらそれは晃に見られていたらしい。



「ヒュー!お熱いなー2人とも!」


「うぇっ!あ、晃!?」


「ん?なんだ晃か………」



暦月が急いで手を離す。ある意味では助かった。



「こんなところで2人で抱き合っちゃって」


「う、うるさい!紅葉、行こ!」


「え、あ、うん」


「あ、俺も連れてってー」


「いーや!今日は2人きりのデートだから。ね?」


「………そゆこと」


「ふははっ……そっかそっかー、楽しんでこいよ!」


「当たり前!」



こうして俺たちは教室を出て、デートを開始する。



「ふふふ………腕組んでいい?」


「どーぞ勝手に…」


「やった!ねーねー、どれから行く?」


「まずはお昼ご飯探そうか」


「うん、そうだね!何か食べたいのある?」


「んー、あんまりパンフレット見てないしなぁ。なんならうちのクラスでもよかったんだけどね」


「あはは、たしかにねー。じゃあ私が決めていい?」


「もちろん、楽しみにしてるよ」


「ありがとー!」



そうして暦月に連れてこられたのは普通の飲食店だった。



「ん?ここでいいの?」


「うん!ここはフードコートみたいなので料理のバリエーションが多いから割と人気なんだよね」


「へー、なるほどなぁ………量で勝負って感じの店なんだな。でもなんでここに?」


「こ、ここはさ………席がちょっと特別で………カップル席があるから………」


「あ、なるほど」



暦月はそれでここに………

恥ずかしいのか相変わらず顔を真っ赤にしている。


すると、俺たちの番がきたのか席へ案内された。



「せっかくだし、2人で違うの選んで、半分こにしようよ!」


「ん、まぁいいけど……」



俺はオムライスを暦月はスパゲッティを頼んだ。


暦月もさすがに慣れたので、今更あーんで顔を染めたりはしなかったが、間接キスはかなり緊張したみたいだ。真っ赤っかになっている。



「そういえば、紅葉の家族は今日は来ないの?」


「うん、さすがに平日は来れないからね。明日から来るよ。バイト先もみんなもね」


「へー、じゃあやっと明日、お義父さんと義妹ちゃんにも会えるのかぁ」


「………………すごいね…」


「?……………もしかして、あの後輩ちゃんも来るの?」


「あー、行くって言ってたかな」


「むぅ…………」


「苦手なの?」


「だって彼氏とか…………」


「からかっただけだよ」


「ほんとに?」


「うん」


「ならいい」


「へいへい。さ、早く食べて、回る時間なくなるよ?」


「そうだね!急ごう急ごう!」



その後、次のシフトが入るまで俺たちは文化祭デートを楽しんだ。


暦月が頑なにお化け屋敷には入りたがらなかったので、ほとんど外の出店を食べ歩きとなった。



そして、大したトラブルもなく1日目は順調に進み



「よーし!今日の売り上げはまあまあいいスタートをきった!今日来てもらったお客さんにも文化祭ブログの評価とレビューを書いてもらったし、休日だ。明日からもっと忙しくなるから、覚悟しとけよ!そんじゃ、文化祭1日目はこれにて終了!とりあえず、お疲れ様!」


「「いぇーい!!」」



材料なども新しく買い足して今日は各々解散となった。



「紅葉!一緒に帰ろ?」


「ん、いいよ」


「お、2人ともじゃあな!」


「あーい」「うん!」



俺と暦月はクラスメイトたちと挨拶をして、一緒に駅まで帰っていた。



「あ、ちょっとトイレいいかな?」


「わかった、待ってる」


「ありがとー、すぐ来るね!」


「あーい」



暦月は走ってトイレに向かって行った。

とりあえず暇なのでスマホをいじっていると横から声がかかる。



「おーい!紅くん!」


「ん?」



顔を上げると俺に手を振りながらこちらへ走ってくる女の子。


あれは



「あ、久しぶりっつてもこないだちょっと会ったか」


「会いたかったー!」



そういうと俺に抱きついてくる。



「うお!……って、こんなところでやめろよ」


「いひひ、いいじゃん別にー」


「まぁ、ダメじゃないけど………」


「ダメに決まってるでしょ?…………」


「え?」



後ろから声が聞こえてきたので振り返ると、殺気に満ちた暦月がこちらを見ている。



「ダメじゃないってなに?浮気?」


「浮気?紅くんどうかしたの?」


「こぉう…くぅん?」


「いや、暦月、これは違っ………」


「ちょっと、いつまで抱きついてんの?いい加減離れなさいよ?」


「ちょっと紅くん、この人誰?」



俺から離れたこいつは明らかに機嫌が悪そう。

まぁ無理ないだろう。見ず知らずのやつに急に離れろなんて言われたんだから。



「あんたこそ、紅葉のなに?」


「むむ、失礼じゃないですか!?」


「いや、落ち着いて………」


「いいから………答えて」


「はぁ……何って言われても………妹ですけど…」



そう、この子は俺の妹ちゃん。



「へっ?…………い、妹……?」


「そうですけど、あなたは?」


「あ、ご、ごめんなさい!私、浮気されたのかと勘違いしちゃって!」


「浮気?………もしかして、紅くんの彼女?」


「は、はい!橘暦月と言います!」


「えー!紅くん、こんなに可愛い彼女できたの!?あ、すみませんすみません。自己紹介がまだでしたね。私は基山 (かえで)です。紅くんとは一歳差です」


「か、楓ちゃんかぁ」


「しっかし、紅くんにこんな彼女がいたとは……」


「まぁね」


「あ、あの私!」


「ん?どうしたの、暦月ちゃん」



暦月がビシッと姿勢を正して、とても緊張しているのがわかる。



「り、立派なお義姉ちゃんになれるように頑張ります!」


「「え?」」



暦月?なに言ってんの?と言おうとしたがいえなかった。


別に声が出なくなったとかそういうわけじゃない。

言う前に後ろから声が聞こえてきたからだ。



「へぇ………これはこれは、ずいぶんと熱烈な逆プロポーズだねぇ……………」


「へ?」



後ろには父さんがいた。


う、うわぁ…………


最悪だ。どうやら聞かれてたみたい。




ついに登場、妹ちゃん!



ついでにちょっとした裏話?を


気付いてる人が多いと思うけど、基山家は下の名前が植物、というか葉っぱだ。

それぞれ四季の季語になっている。


秋は、紅葉

春は、楓

冬は、木の葉で恋乃花

夏は、茂りで茂


と、家族4人で一年を表しているわけだけど

ヒロインの名前は暦月。

そう、暦だ。年間の月日を表す暦だ。


うわー!すげー!凝ってるー!

ってなるじゃん?すごいなぁって思うじゃん?


これね、全部たまたま。


最初に主人公の名前決めるときに思いつかなかったから、たまたま読んでいた作品に紅葉って書いて、もみじって読むヒロインが出てきたからそれをパクった。


暦月も特に意味とかはなくて、仮面ライダーウィザードのヒロイン、コヨミからとった。


それで、母親が出てきたときに、せっかくだから四季にしよう!と思って、妹を秋と反対の春にして、母親を冬にした。


そしたらビックリ!なんと四季にしたことで、思わぬところで基山家と暦月の接点ができたんだよね。


今気づいたけど、橘も植物だね。


という、超どうでもいい裏話。




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― 新着の感想 ―
[一言] ガッツリイチャイチャしてると思ったら思わぬところで妹発見→嫉妬→父さん登場という事件のインフレで外堀埋まってますね!紅葉もそろそろかな?
[良い点] 逆プロポーズは笑った笑 相変わずヒロイン可愛くて嬉しい。 [気になる点] もはや付き合ってるようにしか……。 [一言] 仮面ライダーウィザードのコヨミの話、かなり感動したから作者様が知って…
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