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第1作 ようこそ異世界へ

「...い。..ウル..。」


耳元で誰かの声がする。


ーーなんだよ、うるさいなぁ。

ーーこちとら二徹明けでようやく寝れたところなのに。


「おい!アウル!」

「しっかりしろ!」


沈んでいた意識が徐々浮上する。

重たい瞼を開くと、霞んでいた視界が次第にはっきりとしてきた。


見慣れない石造りの建物。

高い天井には色鮮やかなステンドグラスがはめ込まれている。


ーーどこかの教会、だろうか。


「ああ、アウル!」

「よかった!いきなり倒れて何事かと思ったわぁ!」


突然、若くて綺麗な女性に抱きつかれ体が硬直した。

そして、その隣には見覚えのない男性が立っていた。


ーーなんだ!一体何が起こっているんだ!?



唐突な出来事に起きたばかりの頭では理解が追いついてこない。


その時。


突如、頭に激痛が走る。


ーーああ、思い出した。


そう。


思い出したのだ。

一体ここはどこで、本当は自分が誰なのかを。


俺の名前は「アウル・クレアトル」。

この国『ノインシュタット王国』辺境伯家の次男。


そして。


本当の俺は、日本という別の世界でごく普通に働く社会人だった。

二徹明けの帰宅途中、意識を失いそのまま死んでしまったらしい。


その後のことははっきりとは思い出せないが

神を名乗る爺さんが出てきて気づけばこの世界に生まれ変わっていた。


爺さんは理由をつらつら言ってた気もするが

生憎声が小さすぎて何を言っているのか半分以上は分からなかった。


「アウル……?」

「大丈夫?どこか痛いところはない?」


「は、はい。大丈夫です、母上。」


俺を抱きしめている女性は、

この世界での母親――アナスタシア・クレアトル。


陽の光を溶かしたような黄金色の髪に、翡翠色の瞳。

思わず見惚れてしまうほど美しい女性だ。


「そうか。突然倒れから心配したぞ。」


穏やかな声の主は、この世界での父親――マグヌス・クレアトル。

クレアトル辺境伯家の現当主。

長身に鍛え抜かれた体躯はいかにも武人だが、その眼差しは驚くほど穏やかだった。


「祝福の儀の最中に倒れるなんて...。」


気になれない言葉に首を傾げた。


「祝福の儀...?」


「なんだ、アウル。」

「今自分が何をしにここに来たのかも忘れてしまったのか?」


ーーん...。どこかで聞いたような。

ーー!?


そうだ。


爺さんは確かこう言っていた。

『祝福の儀』とかいう儀式の時まで記憶を眠らせておくと。

なんでも生まれたばかりの脳には負担が大きすぎて耐えられないらしい。

五歳となった今日、『祝福の儀』を迎えたことで戻ってきたのか。


「悪いが司教殿。」

「もう一度息子に説明してくれるか?」


マグヌスが視線を向ける先には一人の老人が立っていた。

両親同様心配そうにこちらの様子を伺いながら説明を始めた。


「それでは改めまして。」

「祝福の儀とは、五歳の誕生月に神より祝福を授かる神聖な儀式です。」

「その際、魔力に最も適した属性が与えられ、本人の素質により五段階の星が与えられます。」


要するに神様から魔法属性を授かるための儀式ということだろうか。


「それでよ。」

「息子の属性と星の数は?」


「今確認いたします。」


すると、司教はアウルの元へ近づいてきた。


「アウル様。左手の甲を見せていただけますか?」


母親に寄りかかっていた体を起こし、

司教の言われ他通り左手を差し出した。


そこには刻印らしき紋様が浮かび上がっていた。


「これは...!?」


司教の驚きようにその場にいた全員が固唾をのんだ。

そして、司教は重い口をそっと開ける。


「無属性の1st(星1)です。」


司教の言葉に空気が静まり返る。


ーーえ...?

ーー何この微妙な空気?


司教だけでなく両親までこちらに憐れむような視線を向ける。


ーーもしかしてハズレ属性ってやつですか!?


お忙しい中お時間を割いて、本作品を見ていただきありがとうございます!


いかがだったでしょうか?


もし、いいなと思っていただけたら

ブックマークとページ下部にある☆☆☆☆☆の評価をおねがします!


作者のやる気にもつながります!

読者の方が満足できるお話を書けるように頑張って参ります!

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