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願い
「ねえねえ、早く弾いてよっ」
「まぁ待って。」
彼はそう言いながら椅子に座った。目の前のピアノに座って鍵盤に指を置く。彼が目を覚ましてから、シガミはいなくなっていた。
机の上に手紙が置かれていて、そこには「お幸せに」とだけ書かれていた。
勝手に現れて勝手に付き纏い勝手に助けてくれた。
死んだら会えると私は信じている。
「よし、準備ができた。覚悟はいい?」
「もちろん」
「それでは聞いてください。ベゴニア」
言葉にならないほどの美しい演奏。
シガミの言う幸せはきっとこの事でその願いは無事叶えられた。
これから先の話は、遠い未来、私が死んだらシガミに話してやろう。その時までにはこの美しさをきっと言葉にしてみせる。




