↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界トラベルツアー  作者: 瀧音静


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
169/240

また事案?

「いふぁいれふ」

「むー……」


 工房見学から帰って来てそうそう、ガーディアンさん本体に何故か頬を引っ張られてるんですけど。

 俺が何をしたって言うんだ。


「分体を甘やかさないで欲しい」

「甘やかすって……」


 やっと解放された、と思ったら、出てきたのはそんな言葉。

 甘やかしたと言っても、ゴーレムの刺繍入りハンカチを買ってあげただけですぞ?

 それくらいの出費なら全然可愛いもんだけれど。


「……いい。とりあえず、そのハンカチは没収」

「貰ったのは我。取り上げるのは横暴。パワハラとして認定する」

「分かれているだけで元は一緒。よってパワハラではなく筋トレと同じ。自分の身体を虐めているだけ」


 虐めてる言うてますやんか。


「分体と本体とでは権力が違う。権力の乱用に――」

「うるさい。私がルール。認められないなら分体から外す」

「……ミクリヤー」


 なんか言い合ってたガーディアンさんの分体と本体が、揃って俺の方にやってきたんだけど。

 とりあえず面倒なことになりそうだし避けるか。

 ヒョイッと。


「……避けられた」

「大人しくハンカチを渡す。仲間はいない」


 ……あの、泣きそうな顔でこっち見るの止めてもろて。

 罪悪感凄いから。


「ミクリヤからのプレゼントが……没収される……」

「私が貰えば分体全員に行き渡るの。それを分体の一個体が独占していいはずがない」

「……やだ! 私だけの物なの!!」


 独占欲……なのかなぁ。

 まぁ、だいぶ面倒くさくなってきたし、ちょっとだけ口出しするか。


「独り占めは良くないね、うん」

「ミクリヤ!?」

「よく分かってる」


 と言う事でハンカチを分体さんから回収し、本体さんへ。

 そして、


「我慢出来て偉い」


 と、分体さんの頭をなでなで。

 まぁ、この辺で妥協してくれない?


「むふーっ!」

「っ!! ミクリヤ! 私の頭も撫でる!!」

「はいはい」


 よく見えなかったけど、分体さんが勝ち誇ったような顔したんだろうな。

 本体さんがムキになって俺の手を取り、頭に乗せてきたし。

 はいはい、撫でますよ。


「~♪」


 機嫌は直りましたか?

 いつまで撫でりゃいいんですかね……。


「……幼女二人を両手でそれぞれ撫でながら、懐柔している様子を周りに見せつける人間男性っと……」

「誤解しか生まないような記事の書き出しやめて貰えます?」


 そんな様子をグリムダさんに見られていたようです。

 お帰りなさい。

 そちらもツアーが終わった感じですかね?

 ――となると、宝石酒の製造工場の見学だっけ?

 あれにツアー客のほとんどが流れていたはずで、それらが今から帰ってくるとなると……。

 この状況を見られるとまずいな。

 俺の世間体と言うか、社会性が。

 よし、


「部屋に移動しようか?」

「連れ込み?」

「お持ち帰り?」

「大胆にも自分の客室へと連れ帰る人間男性っと」


 こいつら……。


「ガーディアンさん、あの物書きドワーフの筆を止められたらなでなで時間十倍にします」

「お安い御用」


 瞬間。


「へっ?」


 パサリ、と言う音と、カラン……と言う音が響き。

 何が起きたかと思ったら、グリムダさんの両腕が消え失せてた。

 ――やり過ぎでは?


「別次元に両腕を押し付けた。一時間で元に戻る」

「それまでは?」

「両腕欠損。さ、部屋に行こ」


 慌てふためくグリムダさんをよそに、ガーディアンさんの本体と分体に引っ張られて客室へ。

 ――後で驚かせたと迷惑料として何か奢るか。

 ……トラウマになって無きゃいいけど。



 なでなで。


「……」


 ぐりぐり。


「……」


 かいぐりかいぐり、とっとのめ。


「確かな満足」

「もういいですか?」


 えーっと、ガーディアンさんの客室に向かいまして、ソファに腰かけ、ガーディアンさんの頭を撫でることニ十分。

 ちなみに片手で撫でながら、もう片手で分体さんの頭も撫でる。

 分体さんは一分で交代して別の分体さんへ。

 と言うか、部屋に入りきれない位の分体さんが列を成してるんだけど……。


「もう少し」

「はいはい」


 まぁ、その……なんだ?

 お金かからないし、頭撫でるだけで機嫌良くなるならいいよ。

 時間はかかるけど。


「ちなみに晩御飯は?」

「食べますけど……」


 時刻は夕暮れ。

 もう少しで晩御飯のお時間。

 なお、車窓からの景色は相変わらず土の中なもよう。


「晩御飯は、米酒、ウイスキー、宝石酒、それぞれに合うコース料理」

「先にお酒を選んで、メニューが決まる感じです?」

「そう。おススメは宝石酒」

「う~ん……」


 何かなぁ、今のコンディション的に、宝石酒って気分じゃないんだよな。

 どちらかと言うと日本酒な気分。

 となると米酒か。


「米酒にしようかな」

「おススメ無視!?」


 ガビーン! みたいな効果音が付く表情するじゃん。

 いや、なんだっけ、宝石酒のハイボールを乗車前のラウンジで飲んだけどさ。

 割と重いんだよな。

 アルコールが、とかじゃなく、味わいが。

 ハイボールにしたから飲めたけど、ロックやストレートでって考えると、一杯が限界な気がする。

 で、その量でコース料理を楽しめるかって言ったら、多分ノーじゃない?

 それに、日本人として、食事は楽しんでなんぼだと思うのよ。

 というわけで米酒のコースに決定。


「まぁ、俺の希望なので」

「むぅ……まぁいい、許す」


 さて、と。

 晩御飯の時間までには頭撫でるの満足してくれよ……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
忠:――後で驚かせたと迷惑料として何か奢るか。 ……トラウマになって無きゃいいけど。 グリムダ:う~~ううう あんまりだ…H E E E E Y Y Y Y あ ァ ァ ァ ん ま り だ ァ ァ ア…
お疲れ様です!今回は轟龍ちゃんとのイチャイチャ回でしたねー、ともあれ暑くなってきたので作者様も忠くんも轟龍ちゃんも酒以外での水分補給も忘れずにー夏といえば個人的にはわたあめをお菓子として推します!
2026/06/21 18:46 さんどまん
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。