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異世界トラベルツアー  作者: 瀧音静


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残りはスタッフが美味しくいただきます

「飲み物はどうする? 酒か? ジュースでもよいぞ?」


 一応見た目は優雅なアフタヌーンティーセットなんだからさ。

 そんな雰囲気ぶち壊しの提案をすな。


「コーラとかって?」

「無論ある。我にはエール、こやつにはコーラだ」


 いや、そりゃあ飲めるなら飲ませていただきますわよ。

 なお、昨日かなり飲んだのと、昼間っからお酒ってのもなぁ……という思いでコーラを選択。

 夕方家に帰る時に酔って訳分からん所に行っちゃう、とかも無きにしも非ずだから……。


「普通に食べていいので?」

「当然だろう? ここは我の城。そして、その我と共にいるのだ。作法など無視して好きに食え」

「じゃあ……遠慮なく?」


 というわけで、最初に手を伸ばすはハンバーガー。

 お腹が少し空いているとか言っときながら、最初に手が伸びたのがガッツリしたハンバーガーというね。

 しょうがないじゃん、美味しそうだったんだから。

 ピックが刺さったハンバーガーで、ファーストフード店のそれらとは違う。

 スライスオニオン、レタス、トマト……と肉以外の野菜もしっかり挟んであり、何よりも……。


「パティがデカい……」


 ファミレスのハンバーグ並みのサイズがあるんですけど……。

 いや、だからこそ美味しそうに見えたんだけれども。

 肉なんて、あればあるだけいいですからね。

 バーガークィーンとか、たまに頭バカになった肉まみれバーガーを出したりするけども。

 あんなのでいいんですよ。


「ナイフとフォークとかって……?」

「必要か?」

「手掴みでいかせていただきます」


 人によるとは思うんだけど、手掴みで食べて文句が無いなら、俺はハンバーガーは手掴みで食べたい。

 ピックが刺さっていようが、おおよそ口を開けても一部にしか齧りつけないんじゃね? と思われる高さを持っていても。

 いただきます!


「……うんめぇ!」


 たまんねぇぜ。

 口一杯に肉を頬張って噛み締める感覚……。

 滅茶苦茶美味い……。

 あと、しばらく海鮮続きだったから、こういう肉肉しい肉が恋しかったのもある。

 クジラベーコンとか、海羊肉とかはあったけれども。

 あれらは口一杯に頬張るって程ではなかったし。


「口に合ったか」

「こんなの最高ですよ。口に合わないわけが無いじゃないですか」


 パンからふわりと香る小麦の香り。

 レタス、トマト、オニオンの野菜由来のシャキッとした食感や、瑞々しい食感。

 噛むとジュワッと肉汁が溢れるどっしりしたパティ。

 そして、香りとコクがしっかりとあるチーズ。

 全部がしっかりと調和して、俺の今まで食べた中でも三本の指に入るくらいには美味いハンバーガーですわね。

 あと、ソースが美味いわ。

 グレイビーソースっぽい味わいだけど、全然しつこく無く。

 むしろあっさりしているとさえ感じてしまう。

 なのにしっかりと味わいはあって……。

 この味を伝えるには、私の食の経験と語彙力が足りない。

 とにかく、肉にめちゃめちゃに合う美味しいソースという事。


「……コーラがうめぇ」


 で、そんなバーガーを食べた後に飲むコーラがまた美味いんだ。

 飲んだ直後にチリチリとスパイスの感じが広がるのと、鼻に抜ける風味が妙に新鮮な感じがするけど、まぁクラフトコーラだと思えば違和感はない。

 そんな事よりこのコーラ、マジでバーガーと合うな。

 ……なんでハンバーガーとコーラってこんなに合うんだろうな?

 君たち、さては前世でマブだったな?


「うむ、美味い」


 そんな風に俺が感動していたら、横のスイさんはホットドッグを頬張ってまして。

 でっかいソーセージと、ソーセージを隠すように乗せられたトマトソース。

 トマトソースから見えるみじん切りの玉ねぎが白く輝いていて、その上にチーズソースとマスタードの黄色が映える。

 こっちのビジュアルもいいなぁ……。

 ハンバーガーとホットドッグ、写真を並べてあなたの好みは? とアンケート取ったら、かなり競りそう。

 一人一票と決めとかないと、両方を選ばれる確率大。


「スイさんって、いつもこんな食事を?」

「いや? 普段はもっとラフだ。貴様を連れ込んだからこうなっているだけだな」


 ラフな食事ってあんまりイメージ沸かないんだけど……。

 普段何食べてるんだろう。


「ビーフシチューやカレーとパンなどだぞ?」

「あ、普通」


 それが毎日となると話は違ってくるけど、一食だけだと思えば割かし普通。

 こんな大層なお城に住んでるのに、食べ物は普通なんですねぇ。

 なんだか親近感。


「バーガーのお代わりはどうだ?」

「この後が何も入らなくなりますよ?」

「サイズを小さくすることも可能だぞ?」

「マジすか? じゃあ、スイさんが食べてたホットドッグを一口サイズとかでも?」

「可能だろう。……おい」


 という事で近くに居たドラゴンハウスキーパーさんに声をかけるスイさん。

 で、数分後には、俺の注文通りの、一口で食べられるサイズにカットされたホットドッグが。

 マジでして貰えるのか。


「ありがとうございます」

「良い良い。遠慮はするな」


 いや、今のは用意してくれたドラゴンハウスキーパーさんへなんですけど。

 まぁ、スイさんにも感謝の気持ちはあるけれども。

 ま、いいや。

 それじゃあ、美味しいが確定してるホットドッグ――いただきます!!

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