05.半魔?
謎世界にて、魔族を発見した!
ゲットします!
「まーてー!」
「ぴぃーーーーー! おたすけぇええええ!」
「逃げるなぁ……! 逃げるな卑怯者ぉお!」
「至極まっとうな反応だと思うけどね……」
後ろでヒキニートさんがツッコんでいる。
が!
僕は戦わずに逃げ出す魔族を、卑怯者だと思っている。
今までの魔族は皆、僕と戦って、経験値になっていった。
「戦え! そして、君も経験値になるんだよぉお!」
「いやだぁ……!」
そんな風に追いかけ回していた、そのときだった。
ヴオン……! という謎の音とともに、上空から謎の巨大物体が飛翔!
あ、さっきのメカ鳥だ。ゾ●ドだ!
『ここに居たか半魔ぁ……!』
「はんまー?」
トンカチ?
巨大物体からは、エコーがかかった声が聞こえてくる。
『逃げてんじゃあねえぞ半魔! てめえらはおれさまたち、魔族の奴隷なんだからよぉ!』
謎のメカ、今度は大きなトンボみたいなフォルムをしてる。
む……。
「あのぉ……?」
『ああ? なんだてめえ……?』
「あなた、中にいるあなた、二つ聞きたいことがあるんですが」
『そうか。おれさまにはねえ! 死ねぇ!』
巨大トンボメカの口が開く。
そこから、液体が凄い勢いで吹き出した。
ブシュウゥウウウウウウウウウウ!
『ひゃははあ! 万物を溶かす溶解液だ! どろっどろに溶けちまいなぁ!』
「? 溶けてませんけど?」
『なにぃいいいいいいい!? ば、馬鹿な!? 万物を溶かすんだぞ!? なぜ生きてる!?』
「さぁ……?」
きちゃない。
僕はカバンの口を開けて、汚れを吸い込む。
『!? そ、そのなんでも吸い込むか、かば……カバン……ままま、まさか……鞄の魔神!?』
「あ、どうも。カバンの勇者です」
魔神じゃないよ?
『うびゃぁあああああああああああああああ!』
トンボのロボが凄い勢いで、飛び去っていく。
あらら。逃げるようだ。
え?
「こんなので逃げられるとでも?」
カバンの口を開けて、そこから触手を伸ばす。
触手は高速で飛翔し、トンボロボにぐるぐると巻き付く。
「よいっしょぉ!」
僕は触手を引き戻す。
『おぎゃぁあああ! ひっぱられるぅううううううううううううううううう!』
蠅王宝箱で、トンボロボを回収してきた。
カバンの中に入れずにおく。
僕は勇者の短剣を取り出して、ぴょんっ、とトンボロボの頭の上に乗っかる。
「二つ聞きたいことがあります」
『ひぃ! な、なんでございましょう?』
「一つ。そこの女の子のこと、半魔っていってましたよね? なんですか、半魔って?」
『は、半分魔族のことです! 魔族と、多種族の混血のことをさします!』
なるほど……半分魔族で半魔か。
「次に質問。このロボのなかにいるあなた……魔族ですか?」
『え、あ、はい……』
「ありがとう、聞きたいことはそれだけです。蠅王宝箱!」
ヒュゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!
触手はロボのなかに入り込み、そして中にいた魔族を取り出す。
そしてそのままカバンの中にしまってしまった。
『聖武具のレベルが上がりました』
よっしゃー!
ひさびさレベルアップキター!
「あ、あわわ……わ、わらわを助けてくれたのですか……?」
半魔の女の子が声を震わせる。
半分かぁ……。
「いや、別に」
「わ、わらわを食べるのですか!?」
「いや、別に」
半分じゃね。経験値たくさんほしいし。
今たくさん経験値手に入ったし。
「さ、さきほど鞄の魔神と聞いたのですが……ほ、本当にカバンの魔神なのですか?」
「ん? まあ……いちおう」
どさっ!
……あれぇ?
半魔ちゃん、眠っちゃったよ?
どうしたんだろう?
今のうちに経験値にしちゃおうかな?
いやでもなぁ、今レベルアップしたばっかりだし。
半分っていっていたし。
うーん……経験値にするのは、保留!
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