15.もうあいつ一人でよくない?
僕らは廃棄神たちの野望を阻止することになった。
四人の仲間……しかも、みんな勇者!
同格の力を持った仲間、四人で力を合わせて、悪を討つ……。
すごい!
まるでファンタジー小説の、主人公になったみたいだ!
(※↑カバンの勇者主人公)
「オタクさん、シズカさん、ヒキニートさん! がんばりましょう!」
「うむ!」「……なるべく暴走しないでくれな」『いつも思うんだけどヒキニートって本名じゃないんだけど?』
暗黒竜ジャガーさんに乗って、僕らはゲータ・ニィガ王国北部、【タイナイ】という街へとやってきた。
『見て。タイナイを覆うように、大きな儀式魔法陣と、それを守護する結界が街を覆って居る』
ヒキニートさんが眼下の街を指さす。
確かにドーム状の結界は見える……けど。
儀式魔法陣ってやつはわからなかった。
『まずは結界内に入ろう! そこで、ぼくの聖武具の出番さ!』
ヘルメスさん(に入ってるヒキニートさん)が、やる気に満ちた顔になる。
『ぼくの聖武具は【扉】! 扉を設置することで、結界の中を素通り……』
「蠅王宝箱!」
『ふぇ!?』
僕はカバンの蓋をかぱっ、と開ける。
ヒュゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!
カバンの中から無数の黒い触手が這い出る。
結界を包み込み、持ち上げると、カバンの中へと収納していった。よし!
「結界を破壊しました!」
『お、おう……』「すごいのでござるよ! さすが啓介殿!」「あれ……? これもしかして……」
オタクさんが僕を褒めてくれた。
ヒキニートさんはなんか引いてた。
シズカさんは……何かに気づいた様子だった。
『気を引き締めるのじゃ。勇者たちよ』
僕の頭の上に乗っている、子犬姿のスペさんが言う。
『街の中に複数の魔族の反応がある。今ので奴らもこちらに気づいただろう』
「経験値来たぁ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!」
うおぉお!
最近めっきりなかった、経験値獲得ちゃんすだ!
「ばっちこーい!」
「……なぜこの悪魔はテンションあがってるんだ?」
『魔族の首とって経験値にするためだって』
「……え、殺すことに快感を覚えてる系じゃないか……こわ……サイコパスじゃん」
ツッコミ二人がなんか言ってるけど、無視!
ばっ! と敵がこちらにやってくる。
『魔族が二体こっちにくる。飛行タイプじゃな』
「では、拙者が敵の注意を引いて……」
オタクさんが弓を持ち出す。
僕は……ジャガーさんの頭をけって、地上へとジャンプ!
「啓介殿!?」
僕はカバンから勇者の短剣を取り出し、魔族に向かってダイブ!
カラスとカモメみたいな魔族がいた!
うん!
雑魚っぽい!
(※↑中級魔族です。古竜を遙かに凌駕する魔族です)
『け、ケースケよ! さすがに相手は魔族二体! 真正面からツッコむのは危険じゃ!』
「OKスペさん。見てて、悪魔の左腕……発動!」
僕のカバンから、2本の悪魔の腕が伸びる。
悪魔の腕は魔族どもの心臓部に突き刺さる。
どすっ!
どすっ!
『な、なんだ!?』
『我らの魂が……肉体から追い出された!?』
神スキル、神の右腕・悪魔の左腕。
悪魔の左腕で触れた相手の魂と肉体を分離する。
そうなると、やつらは肉体を動かせなくなる。
つまり、相手の体は無防備状態!
「聖剣技・裂空!」
僕は体を高速横回転させる。
スパァアアアアアアアアアアアアアアアアアン!
僕の攻撃が魔族の首を吹っ飛ばす。
すかさず着地&蠅王宝箱。
カバンの中に、経験値が入る!
よし!
「経験値げっとぉ! おーい! 皆さーん! やっつけちゃいましたよぉ!」
僕が頭上にいるジャガーさんたちに手を振る。
ジャガーさんが着陸。
「オタクさん見てくれましたっ?」
オタクさんには新コンボを褒めてほしかったんだっ。
オタクさんは冷や汗をかきながら、僕の頭をなでてくれたっ。
「す、すごいでござるよ! 敵をあんなに見事に倒してしまうなんて!」
「えへー!」
一方、ヒキニートさんとシズカさんが青い顔をして僕を見ていた。
「……やばいね、今の」
「……ああ。悪魔の左腕で相手の魂を体から追い出し、絶対に回避できなくしてから、適切に首を切断してた」
「……新しいスキルを手に入れて凶暴さに磨きかかってる……」
なんだよぅ、二人とものりが悪いなぁ。
オタクさんを見習って欲しい。ここは、活躍した仲間を褒めるべきではないかねっ?
ま、いいけどね。二人はオタクさんよりコミュ力低いし。
「で、次はどうするんですか? ヒキニートさん」
『えっと……儀式魔法陣を潰そう。多分街のどこかにあるはず』
なるほど、魔法陣を探すと。
「……ここはおれに任せてくれて」
シズカさんが槍を持ったまま言う。
「……おれにはダウジングと呼ばれるスキルがある」
シズカさんは手のひらを広げ、その上に槍をのせる。
「……ダウジングは捜し物を見つけ出すスキルだ。その精度はかなり高く、スキルによる隠蔽なんてもろとも……」
「狼王魔閃光!」
「……なっ!?」
高慢なる勇魔の鞄を発動。
黒い獣が大きく口を開き……。
「ふぁいあー!」
チュドオオォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!
カバンからレーザーが照射。
レーザーは街の一角を吹っ飛ばす!
「……おまっ! なにやってんだ! 町中でレーザーなんてぶっ放しで! 危ないだろうが血迷ったか!?」
シズカさんが頭ごなしに叱ってくる。
むぅ、血迷ってないのに。
「あそこ見てください」
「……あそこ。って、あれは! 魔族!?」
正確には魔族……だったものだ。
狼王魔閃光の直撃を受けて、木っ端みじんになっていた。
その近くには、小さな魔法陣が敷かれてる。
「あれが儀式の魔法陣だね……」
「おお。よくわかりましたなっ。すごいでござるよ」
オタクさんが褒めてくれるっ。わーい!
よくわかったって?
「そりゃ、だって魔族がこっそり隠れて、そこから動こうとしなかったんですもん。ってことは、壊されたくない何かがあったのかなぁって」
「な、なるほどぉ~……しかし啓介殿。いきなりビームぶっ放すのは危ないでござるよ」
「周りに人が居ないかはスペさんに確認してもらったので、もーまんたいですっ!」
さて、儀式の魔法陣をぶっ壊した訳だけど……。
破壊した瞬間、どぱ! と魂が飛び出していった。
「この儀式を成立させるために、生け贄となった人たちの魂だね」
「……肉体はどうなったんだ?」
「……おそらく、この町のどこかに隠されているだろうね……」
「……じゃあ早く探さないとな……」
「……魂が天に昇る前に、肉体を見つけないと。拙者の鷹の目スキルを……」
大丈夫!
「蠅王宝箱!」
僕はかぱっ、とカバンの蓋を開ける。
ヒュゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!
カバンから無数の触手が伸びる。
それは街に散らばって、隠されていた人間たちの死体をつかんで、僕の目の前に置く。
「そんでもって……ルクスリアさん! 力貸して!」
「はーい♡ 夜王薬箱!」
ルクスリアさんの夜王薬箱、そして僕の神の右腕。
二つが合わさり……。
「あれ?」「お、おれは死んだはずじゃ……?」「ど、どうなってんだ……?」
倒れている人たち、みんなふっかーつ!
やったぁ!
「チームの勝利、ってうやつですね!」
「「お、おう……」」
「……いやこれは、チームプレイじゃない! 断じて!」
シズカさんだけが切れていた。
あれれ?
チームプレイでやっていたはずなんだけど……。
「啓介殿、もう少し、拙者たちに頼っても良いのでござるよ?」
「えー、でもぉ」
「啓介殿には、ボスをボコってもらわないと。エースはほら、温存しないとでござるからなっ」
「エース……温存……秘密兵器! ってこと!?」
「そうでござるよ!」
「わかった! じゃあもうちょっと力温存するね!」
そっかぁ、秘密兵器かぁ。
じゃあ、温存だね!
「……オタク様。これ、やはりあの悪魔は一人王都へ向かわせた方が」
「……そうだよ。バケモノの相手はバケモノにさせたほうがいいよ」
「……いや、それだと啓介殿が一人で可哀想でござるよ」
大人組が何か言っていたけど、聞こえなかった!
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