第16話:領地入り
「それでは神様方、お休みの日に色々とありがとうございました。代休を取ってくださいね。
私は自領に行き、家を作りたいと思います。またわからないことがあったら聞かせてください。
あ、連絡手段がないからとりあえず、しらたまをスイに送りますね。
あと、戸籍の件は明日夕方に聞きに行くから!
ではまたー!!
あ!余った神力水、湖にぶちまけといてください!しらたま行くよー!」
私はおかきと一緒にドンに乗せてもらって自領へと走り去った。
後ろに犬やら猫やら鳥やら魚が続いているのは百鬼夜行のようだったろう。
アッシュに乗せられたシャフ君の悲鳴が響き渡る。
「………今度の怠惰様は、怠惰にかける執念とやる気が何かすごいですね…」
誰からともなく全会一致の本音がこぼれた。
ひょー!!早い早いー!!
そういえば転移の仕方を聞き忘れちゃった。
でもこれまでの原理だと、具体的にイメージすることが大事なようだった。
さっきと同じ原理で、天界内でも転移できるのではなかろうか。
あ、シャフ君が白目剥いてる。
でもPCを抱きしめて離さないあたりさすがだ。
ドンがスピードを緩めた。
「着いたぞ」
おぉ!確かに空気がおいしい!
これが自分の神力が漂う領土ということなのだろう。
私は日が傾きかかっている夕暮れの秋の森で、
家を建てるのに良さそうな場所を探していた。
「どこかおすすめスポットあった?」と聞くと、「あの丘の上あたりが、湖も近くて良さそうだったよ」ときなこが教えてくれた。
よし、じゃあ行ってみよう!
着いた丘の上は、まさに理想の場所だった。
白樺や色とりどりの木々が見渡せる湖のほとり。
ここから見える御神木様も紅葉していた。
ここにしよう!とみんなで決めた。
そして、生前住んでいた古民家を思い浮かべて神力を頭の方に集めた
うぬぬぬぬ…
ぽんっ…
ちまっ…とした古民家のフィギュアができた。
なんでー!!!
「神力が足りないんじゃない?」とムーンに指摘される。
たしかに!大きな建造物を作るにはまだ私には足りないのかもしれない!
「神力ボールってまだあるんだよね?持って来て欲しいな」
そういうと、犬全員で集めにいってくれた。
ふむ…もう夜になる。
「シャフ君、今日どうだった?」と、待っている間に一応上司らしく聞いてみる。
「んー…なんかすごい単純なことを、すごい苦労してやってましたよ、あの人たち。
逆によくこれでストライキ起きなかったなって感じでしたわ」
「ねー、私も最初話聞いた時、何時代?って思ったもん。どう?システムというか社内インフラというか…整えれそう?」
「できそっすけど、神力がいるっぽいす。このPCも、神力がないと動かないみたいで、すぐバッテリー切れになりましたわ。ついでに自分も神力切れになりましたわ」
「シャフ君も体内に神力を貯めて、それを使えるってことか。あれだね、モバイルバッテリーもおかきに結界で作ってもらおうか。それか神力水の水筒?」
「両方ほしいっすね」
「そだね」
そんな話をしているうちに、ゴロゴロと大玉が転がって来た。
今日も野宿だ。
「おかき、私とシャフ君、この中で寝るから、足伸ばせるように四角くできる?」
そう言うと、大玉が直方体が2つになった。
私はシャフ君をその中に押し込め、自分ももう1つの直方体に入った。
その周りをもふもふたちが取り囲む。
おかきはまたたぬきに温めてもらっているようだ。
「これぞ高濃度神力吸入室!」
「なんか棺桶みたいね」とムーンが言う
「もう縁起でもない…けど私の棺もう焼かれたんかな…」
「返答しづらい!」ときなこに言われてしまう。
まぁ、あっちの世界のことはもういいさ!
明日の家づくり楽しみだなぁ…




