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戦国野望  作者: 丸に九枚笹
第五章
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第五章 76話 西国と陰謀

1554年3月5日


一月にここに来てから早二ヵ月、選定は思ったより早く進み、あと二、三日もあれば全員との面接が終わる。青竜で選定した人数も、既に五百三十人いる。青竜が一番時間が掛かっており、他の五隊はもう選定が終わり、訓練に入っている。


俺は自分の使っている部屋に戻ってきた。


采女「殿、よろしいでしょうか?」


信輝「采女か。入れ。」


采女「失礼します。時間がかかりましたが、西国に行って参りました。」


信輝「おう、わざわざ悪かったな。お疲れ。」


采女「はい。毛利家について調べてきたことをお話しします。」


信輝「ああ、頼む。」


采女「毛利家は直近急激に大きくなっていますが、それは三、四年前からのようです。殿が京に行かれた時くらいです。」


信輝「そうか。なぜ毛利家はそんな急速に大きくなったのかわかるか?」


采女「はい。堺から鉄砲が海路、大量に送られているようです。その力が大きいかと。」


信輝「堺から?堺は足利将軍家領だろう。」


采女「はい。ですが、村上水軍が大量に鉄砲を運んでいるのを確認しました。」


信輝「堺ってそんな鉄砲作ってるのか?」


采女「はい。かなりの量を作っているようです。どこに売っているかまではわかりませんが。」


信輝「そうか。それで?」


采女「はい。安芸、備後のほとんどを支配した毛利家は、理由はわかりませんが、今まで友好関係にあった大内家の陶晴賢と昨年の今頃、厳島で戦い、水軍と鉄砲の力で勝利しました。それがさらに毛利家が勢いづくきっかけとなったようです。その後その勢いのまま夏頃までには周防、長門の二ヵ国を手中に収めたようです。」


厳島って1555年のはず。鉄砲の大量購入で力を付けたからそれが早まったのか?何か違和感があるな。


信輝「早いな。それも鉄砲の力か?大内家は?」


采女「はい。防長二ヵ国は早くも毛利が支配し、忍が多くいたため深くは探れませんでしたが、おそらくは鉄砲かと。大内義長殿は九州に落ち延びたようです。」


信輝「そうか。半年で二ヵ国を支配するとはすごいな。」


大内義長は毛利に攻められて討たれたはず。これも違うな。時間を優先して大内義長を討つことまでは求めなかったか。


采女「はい。大内家の旧臣のほとんどが毛利家に降ったようですので。そして、周防、長門、安芸、備後を支配した毛利家が、それまでも何度も戦っていた出雲の尼子家を攻めました。十一月末頃の話です。」


信輝「それも早いな。勢いに乗ると一気にいくんだな。それで月山富田城が落とされたと。」


尼子家臣は、十一月末に落城して、十二月末には一度京を経由してここまで来たのか。


采女「はい。そうなんですが、この戦では気になることが。」


信輝「何かあった?」


采女「はい、鉄砲を大量に導入してというのはそれまでの戦と変わりませんでしたが、それを指揮していたのが水色桔梗の旗を掲げた部隊だったと。」


信輝「何!明智か!?いや、十月まではここにいたんだ。ありえないだろ。」


采女「はい。私もそう思いますが、指揮があまりにも見事だったことと、桔梗と一緒に、二頭立波の紋の旗があったそうです。」


信輝「それは。桔梗だけだったら美濃源氏の土岐家の別れが安芸にもあるかもしれないが、その組み合わせは。」


采女「私もそれを思い、長尾景虎殿を見張っている者に確認したのですが、あの後、おそらく明智殿は長尾景虎殿の栃尾城に参られたようです。もしこれが明智殿であれば、数日留守にしていた時があったと。でもその数日後に戻られたようです。それも明智殿なのか定かではないのですが。」


もしそれが明智だったとして、数日。越後から出雲まで行って、戦に参加して戻ってこれるか?船でだったら可能か?村上水軍が味方したとして。でも村上水軍が日本海に来るか?いやその前に毛利とも繋がっているのか?斉藤、毛利、長尾、明智か。そうすると、毛利の鉄砲もどこかが手配したか。斉藤か…。いや、松永じゃないか?六角、細川も繋がっていないか?明智が橋渡しをしているのか?首謀者は斉藤か?その月山富田城攻めの鉄砲って火縄銃か?数丁盗まれた大峰銃か?いや、そうなってくると明智は最初から斉藤の家臣のままだったということだ。三年で鉄砲の作りだって盗んでいたかもしれない。そしたらそれをどこかに流して作らせたか?いや、大峰銃は使えないだろ。でも…。わからん。わからないと対策も立てようがない。


信輝「采女。隼人殿にもこれを報告し、父上にも報告してくれ。注意して頂くようにと。」


采女「ハッ。」


信輝「わざわざ遠くまでありがとな。お陰でかなり大事なことがわかったようだ。まだわからないことだらけだが。采女は栃尾城を探ってくれ。美濃の斉藤、甲賀にいる六角、細川、大和の松永、安芸の毛利も無理しない程度に探ってくれ。頼む。」


采女「わかりました。」


これは史実とは全然違ったことが起きて来た。明智が首謀者だったら、あのとき美濃からここに明智を連れてきてしまった俺の失態だ。でも毛利もとは。長尾、明智とは戦う覚悟をしていたが、それだけ繋がっているとなると、西の美濃との国境も注意が必要だし、義輝様にも、六角、細川、松永に注意していただかなければ。


信輝「采女、義輝様にも使者をだしてもらってもいいか?今手紙を書く。」


采女「畏まりました。」



とりあえずはできることはないか。情報を掴まないと動けないな。



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