第四章 71話 発明王と六神隊
1553年12月21日続き
八善屋甚右衛門が帰った後、今日は皆それぞれの屋敷に帰って行った。
小姓衆や、左近、孫一、源左衛門はここに住んでいるのでそれは除いて。彼らは部屋に帰した。
俺の小部屋に、俺といつもの三人だけが残っている。
三人の妻である俺の姉妹も来ていて西館にいるので、三人は今日も泊まっていくようだ。
肥後「馬よく考えたな。」
陸奥「南部馬でも十分だけど、そりゃあもっと大きくて速い方がいいよね。」
備前「私たちが成長したので、もっと大きいのにも乗れますしね。」
信輝「なるほど。昔は南部馬がめちゃめちゃ大きく感じたけど、俺らが大きくなったのか。」
肥後「そうだな。あんま考えてなかった。」
陸奥「もしもっといい馬できたら今の何千頭どうするの?」
信輝「もしできたとしてもすぐに増えるわけじゃないから、一部の兵は新しい馬にできるかもしれないけど、南部馬も貴重だよ。それに、戦も今までと違ってこれからは外に出て戦うことになるから、輜重隊とかも馬いるし、南部馬は気性が穏やかだから、馬車とかにもいいんじゃない?」
肥後「確かに、輿よりも馬車いいじゃん。」
備前「馬車ですか?」
陸奥「馬車いいけどさ、道の整備が先じゃない?」
信輝「そうだね。ある程度の道の整備はしてるけど、まだ狭い道とかでこぼこの道多いもんな。」
肥後「コンクリートの道にするとか?」
信輝「上州の石灰石の鉱山が手に入ったから作ってもいいな。」
陸奥「じゃあコンクリートの設計図ね。」
信輝「うん、お願い。」
陸奥「わかった。」
肥後「上州の鉱山って結構あったん?」
信輝「金、銀、銅、鉄、石灰石、あとマンガンが取れる鉱山があるみたよ。」
肥後「マンガンわかるの?」
陸奥「多分見ただけじゃわかんないでしょ。それに使い道も特にないし。電池くらい。」
信輝「電池作るか?作れる?」
陸奥「多分作れるけど何に使う?」
肥後「電球は?あったら便利。」
信輝「調べるか。一応電球の設計図描いてみて。」
陸奥「描くけど、ないものばっかりじゃない?」
信輝「代替品も考えてみよう。」
信輝「ガラス、銅、鉄、竹炭、があればできそうだよ。エジソンも竹でフィラメント作ったらしい。知ってた?」
肥後「なんか聞いたことあるような気がする。」
陸奥「言われてみれば聞いたことあるような。これ描いてみた。確かにフィラメントのタングステンを竹に代えたら、銅線とガラスと脱酸素材として鉄使ったらできそうだな。あとは電池か。こっちはそんな難しくないからできるだろ。」
信輝「おー、電球出来たらいいな。とりあえずこの屋敷に付けてみよう。」
陸奥「了解。作るわ。」
肥後「さすが理系。」
信輝「量産出来たらいいね。」
備前「よくわかりませんがよかったですね。」
信輝「あとコンクリートね。まずはセメントか。できる?」
陸奥「できると思うよ。この前のガラスとさ、セメント、コンクリート、電池、電球を作る工場は浅川園と別にした方がいいと思うよ。」
信輝「確かにね。父上に許可を取ろう。どこに?」
陸奥「鍛冶の治平、忠兵衛親子がいた村あったじゃん?今はあそこの鍛冶集団全員、西ノ丸に引っ越してきてるから、その村のあった辺りから野尻湖の南側一帯に大きく作ったらいいんじゃない?治平には話しておくから。ちなみに、鍛冶集団もかなり人数増えてるよ。」
信輝「了解。それは任せるわ。中村家の管轄でやる感じでいいかな?」
陸奥「俺も父上に言ってみるわ。絶対にいいって言うと思うけど。人が欲しいからよろしく。」
信輝「わかった。お願い。」
肥後「じゃあ、道普請はうちがやるか。」
信輝「いいね。お願い。これも父上に言ってみる。道がコンクリートで固まったら馬車ね。あの、土木集団が使ってる一輪車のタイヤで作れるよね。」
陸奥「じゃあ、馬車も何通りか設計図描いておくわ。座るところは、綿で座布団とか置いたらいいよね。この機会に座布団も作ろう。」
肥後「座布団はちょっといいのたくさん作ろうよ。」
信輝「そうだね。綿は高価だから、本丸に住んでる者たちくらいかな?」
陸奥「それは設計書いらないよね。」
信輝「うん。あとさ、この前雪合戦のときも思ったんだけど、孫一と源左衛門用のために遠距離銃作ろうよ。さっき話に出た西ノ丸の鍛冶に頼んで。」
肥後「いいね。設計図?」
陸奥「その抽象的なのは設計図では無理だよ。実際に、孫一と源左衛門連れて西ノ丸行ってくるよ。鍛冶と相談しながら作ってもらおう。」
信輝「じゃあお願い。遠距離射撃軍ができたらいいよね。」
肥後「軍さ、せっかく専属兵いるんだから、その都度配分する兵も便利でいいんだけど、武衛の直属の軍も作れば?俺らは家の兵ってそれぞれいるし。」
陸奥「そうだね。大峰家の兵とか、それぞれの家の兵はいるけど、武衛の専属兵っていないもんな。」
信輝「確かに。近衛兵団を作るか。使いやすくなりそうだな。ありがとう。あとさ、最近集まってる近臣衆と、一族衆を合わせて、いくつかの隊にしようと思ってるんだけどいいかな?北条の五色備えみたいに。」
陸奥「いいんじゃない?今ここにいる人たちが将来的に方面軍みたいになるんでしょ?それの予備隊ね。」
肥後「いいと思う。」
信輝「じゃあ、あの会津の白虎隊の名前を使って、青竜隊、朱雀隊、白虎隊、玄武隊、それから、鳳凰隊、麒麟隊の六つでわけるから宜しく。」
肥後「わかった。けど、俺らはとりあえず入れなくていいよ。あとそのうち一つを近衛兵の名前にしたら?」
陸奥「そうだね。青竜が近衛にして、備前、肥後と俺は青竜に入れて。」
信輝「そうか。じゃあ、青竜が俺で青、朱雀が武蔵で赤、白虎が播磨で白、玄武が越前で黒、鳳凰が近江で緑、麒麟が下総で黄でいいかな?まとめて六神隊って呼び名でどう?」
肥後「うーん、まあいいんじゃない?」
陸奥「まあ何でもいいよ、わかれば。」
備前「とてもかっこいいと思います!」
信輝「じゃあ、分けたら皆に言うよ。最後に、この俺の居住区の部屋に名前を付けようと思う。宴会場が松の間、大部屋が竹の間、ここ小部屋が梅の間、寝室が笹の間で。」
肥後「了解。」
陸奥「わかった。」
備前「わかりました。」
翌日、父上に許可を取り、野尻湖工業地帯で電池、電球、コンクリートの開発、コンクリートを使って道普請をすることになった。コンクリートを作るためにできたセメントは、量産して、岡部、甲良の大工集団や、安倍家の農業土木集団にもまわすことになった。
道はとりあえずは、ここ大峰城から、野尻湖工業地帯、飯山城、松本城、上田城、龍岡城、前橋城を広いコンクリートの道で繋ぐことになった




