未来の田舎事情 迷子編
1話 世界の有り方、存在価値
世界は、情報処理が速いかどうかで決まっていった。
けれどそれはーー。
速くても存在価値を見出だせなければ、スクラップとして廃棄される。
有り方が、どうかの世界だ。
世界は、有能な生き方のみしか生きられない。
とあるスクラップ置き場、我々弱者の集合住宅地だ。
鉄ゴミを溶接し、部屋らしく演出してるが、窮屈な錆臭い住まいだ。
鉄素材の存在の変わりに、強度な剛性を持ち且つ、質量がない素材だ。
無いとはどういう事か?
最初から物質ではなく、粒子状態から質量になり鉄より剛性があり、なりより、材料が無限だ。
素材なんて、宇宙空間に行けば、いくらでもあるのだから。
地球資源使うよりは、エコだよね。
画期的な素材発見人類スゲーよねとか、思いたくなるだろうが。
そんな事はない、それらは、いきなり来たのだ。
未確認飛行物体の墜落。
もちろん、未確認生命体もセットでだ。
言語すら話さないし、ジェスチャーすら使わないし、どうコミュニケーションすれば良いかわからなかった。
それらの一体は、自己発光する液体を垂れ流していて、明らかに弱りきっていた。
それらの多数は、敵意や殺意とか何もして来なかった。
侵略というより不時着して来たのかな?
何しに来たんだ?
世界が疑問に包まれていた。
全人類は、単純で助けようキャンペーンとか騒いだわけだ。
えらーーーい学者さんが地球に来た理由を水だと仮定して、ポリタンク20リットルを、未確認生命体にかけたところたちまち元気がみなぎるように、ウネウネし始めたのである。
植物と動物のハイブリッドに近い存在とか定評していたが学者さん。
そんなわけで、数世紀経ちまして、技術提供など色々あり、地球人は色々生きづらくなりましたとさ。
エイリアンとの共存スタートし、物価値がぶっ壊れた世界に生れた青年が一人。
鉄くずスクラップコロニーでのんびりすごしていた。
「戦車作ろうぜ!」
粒子汚染でアルビノになった女の子の一声。
それを、ふて寝して聞いている、15歳あまりの黒髪とアジア系の少年。
「時代遅れな!それと排ガス規制で死刑な」
「いいやん、古くて」
スチャと真っ黒レンズゴーグルを付け、女の子は、ラジコンのコントローラーを取り出した。
「………しゃーないな」
女の子のそのゴーグルとコントローラー持たせたら、物理的に手伝うか逃げるかどっちかで決まるのだ。
旧時代の車がやってくる。無数のアーム付きの車両である。
通称ヤドカリ、見たままのが、やってくるのだから。
公開アーカイブでの、戦車情報見ながら夕暮れまで一台出来上がるのであった。
甲高いトルク音で荒野を爆走する鉄くず、いや立派な戦闘用戦車だ。
エネルギー系は、いま基準の加速式粒子反応電池である。
サイズは指先乗る程度の物で、専用カートリッジを駆動系に流動させれば、永遠的に動く運動エネルギーを与える。
現代の基準値排ガスゼロがクリアできるのだ。
荒野を鉄くずが走る。
「目標ヤドカリに向かって砲撃!!」
愛用のおもちゃを標的に粒子質弾を打ち込む。
ヤドカリが真ん中に当たり、潰れたカニのようにぺちゃんこになる。
ウネウネと駆動し抵抗したが、叶わず玉砕。
「誰が修復するんだよ。」
「やりすぎちゃった」
手のひら収まる端末を出すと、カシャと差方向に突起物が展開する。
突起物から強い光放ち、ヤドカリへ向け隅々くまなく、光を当てていく。
ボゴンッベギンッドゴンッ
「いつ見ても壊れた物が治るのは面白いな」
「自分で壊しといて何を言うか」
端末が甲高い音を出ると、少年は怪訝に舌打ちをする。
「リペアの適正質量が、足りない……」
「お気に入りなのに」
「なら」
彼女の悲しげな表情に一言を飲み込んだ。
「リペア材料取りに宇宙行くしかないなぁ」
「ありがとお兄ぃ」




