番外編兄サイモンの場合
今回はリリアナ兄サイモン編です。
此方をお読みの美人や可愛い方、独身の方。
あくまで作中の創作上の偏見ですのでお許しください(◎_◎;)
リリアナの次兄サイモンはいい年をして独身だった。
この国では大抵が早婚である。
そして年若い彼等は後継ぎをどんどん産むもんだから独身者は極めて肩身が狭い。
その上ジジババである親も若い、元気が有り余っておせっかいが増える。
望んでもいないお見合いを休みごとにセッティングされるこっちの身にもなって欲しい。
部屋でゆっくりゴロゴロしたいサイモンはいい加減げんなりしていた。
幸せな奴、足の小指を毎日ぶつけろとか小さな呪いを掛けながら毎日を過ごしていた。
因みにサイモンの兄であるルーカスはリリアナ特需により美人と評判の伯爵家の娘を嫁に貰った。
母親べったりの兄だったが二人して選びに選んで遂に結婚。
婚約者も持たず探し続けた甲斐があったようで今では三人の子持ちになっている。
サイモン自身は次男なので早々に独立しリリアナの婿であるエドモンド殿下の下で働いている。
出会いはある、王城はとにかく綺麗な女性が多い。
しかしリリアナを見て育った為理想が恐ろしく高い!
外見は可愛いに越した事は無いが拘りはない。性格を何より重視する。
大概綺麗とか、可愛いとか言われる女性は付き合ってみると我儘で結婚まで踏み切れずこの年まで来ていた。(サイモン調べ)
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「あー、どっかに可愛い嫁さん落ちてないかなー!」
「サイモンさん、また愚痴ですか」
後輩のジョージが呆れて言う。
「何だよ、彼女持ちのジョージ君」
「憎々しげに言うのは止めてくださいよ、とばっちりはもう飽き飽きです」
「あ~?」
「其れに!昼食後の日向ぼっこ何てじー様じゃあるまいし」
「日向ぼっこの何が悪いんだよ。趣味なんだよ、田舎の名残の」
リリアナと共に田舎の領地で過ごす事の多かったサイモンは勉強と剣術の稽古に明け暮れ暇があれば日向ぼっこしかやる事が無かった。
平民とは交流を禁止されていたし、周辺の貴族は上品なおぼっちゃまばかりだった。
それにあの口うるさい家庭教師が直ぐに飛んで来ては怒鳴っていたが上手い事逃げ出していた。
王都に来てからは色々本当に忙しくのんびり日向ぼっこも出来なかった。
ここ数年、やっと落ち着きやれやれと思っていたら例のお見合いラッシュである。
ほっといてくれよと思いながら今は甥姪達の成長が楽しみなのだ。
「枯れてますねぇ~」
先輩への態度の成っていないジョージの尻を蹴飛ばしながら後5分とか思うサイモンだった。
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その人とはリリアナの顔を見に行った先で出会った。
リリアナが親友と言って憚らない若くして亡くなったメリッサ夫人の従姉妹ローザ嬢だ。
雰囲気が凄く似ているそうでここの所リリアナが頻繁に会っているらしい。
「お兄様、暇さえあればこちらにサボりに来ているのですか?」
最近のリリアナはお兄ちゃんに結構厳しい。
「いや、ちゃんと仕事をこなしてから来ているよ」
「毎日毎日、暇さえあれば居るじゃありませんか」
「そんな事……ところでそちらのお嬢さんは?」
「あら、ローザ様ごめんなさいね、次兄のサイモンよ。暇さえあれば来て困ってるの」
「初めまして、ローザ・ハミルトンと申します。リリアナ様には仲良くして頂いております」
花がほころぶようにニコリと彼女は笑った。
決して美人じゃないが好感の持てる雰囲気で何より着飾っていないことが気に入った。
リリアナに会うとなるとどちらのご令嬢も流行の煌びやかなドレスを着て、持てるだけの宝飾品で自身を飾り立て香水の匂いもクサイ!
しかし彼女は上品な身なりで宝飾品はダイヤだろうか一粒のネックレスのみだ。
指輪も無し、合格!等と妄想していると訝しく思ったのかリリアナから声がかかる。
「サイモン兄様、意識が飛んでいてよ。寝ないで下さい。お客様の前で」
「いや、寝てないよ。こちらこそ初めまして。サイモン・モンタギューです」
「リリアナ様からとても頼りになるお兄様だと聞き及んでおりますわ」
「まぁ、そうなんです」照れくさくて後頭部をガリガリ掻く。
「お兄様、お世辞ですわ。お世辞!」
「あら、そんな事ありませんわ。とても素敵な……」
そこまでローザ嬢が言ったところでサイモンがあろうことか、真っ赤になっている。
リリアナは瞬時に察した。
遅い初恋ね、何だか兄の一目惚れの瞬間を目撃したリリアナは不器用な兄の恋の成就を祈った。
この後メイドのアン編、アリーシャ兄編、アリーシャ編、その後の二人編と続きます。
それぞれの行く末が見れるものとなりました、是非読んで下さいね!
其れと新作「間引き草」はじめました。宜しくです~(^_-)-☆ブックマークと評価をお願いします_φ(・_・




