表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
51/100

一つの恋の⋯⋯過信

 空は澄み渡り雲一つないこの日、メリッサは待ち望んだ花嫁になる。


 身体中ピカピカに磨かれキラキラとしたラメ入りクリームを指先から体の中心へとたっぷりすり込む。

 髪は高く結い上げられパールを散らせるように飾っていく。

 ドレスは富の象徴の如く繊細な総レース仕立てでダイヤを配した作りの物だ。

 耳たぶにドレスとお揃いの少し大ぶりのダイヤのピアスつけ、開いた胸元にダイヤを並べた見事なネックレスつける。これは公爵夫人からのプレゼントだ。

 メイド達とブライダルスタッフが総力を結集して鏡の中の私はこれ迄で一番美しかった。

 出来映えに十分満足してベールの位置を確認しながら白いシルクの手袋を付ける。

 高揚した気分のまま、鏡の前でクルリと回って全身を確認して用意された椅子に座って待つ。


 今の公爵家に相応しく素晴らしい式になるはずだ。


 婚約が決まってからこの日をどんなに待ち望んだだろう、ドキドキが止まらない。

 全てハワードを中心に世界が回っていた

 彼の髪も目の色も指先でさえ思い描いた理想の王子様そのものだった。

 婚約できた幸運に感謝し彼に相応しくなろうと自分を磨いた。

 外見だけでなく勉強も知識もマナーも。

 そして遠く果てしない今日というゴールに向けて障害物は全て排除出来た。

 人を使い金を使い頭を使った。


 これも全てあの人と家庭を持ち子供をたくさん作る為だ。

 もうすぐあの人が現れる、私を世界一の花嫁にするべく満面の笑顔で目の前に。


 メリッサはその時確かに世界で一番幸せだった。




 一方ハワードはとうとう今日の日が来てしまったと言う気持ちでしかなかった。

 結婚式は花嫁のもの、新郎はただの添え物だ。

 メリッサの本当の気持ちを知ってからは遊びも辞めて真面目に領地経営を学んできた。

 暫くは遊びを控えて家庭を作ることに心を砕かなくてはいけない、と言い聞かせてきた。

 父親の手前もあり、諦めにも近い気持ちだった。


 そう言い聞かせて来たのだが、先日アリーシャから突然の窮状を訴える手紙が届いた。

 心が揺らいだ、自分が欲してならなかった人。

 何度も諦めては足掻いた人。

 自分に言い聞かせエドモンドに任せた愛しい人。


 彼女の幸せを見つめる決心をしたのに遠い修道院に入ってしまった。

 メリッサの言う様な悪魔かどうかは自分にとってはどうでも良いのだ。

 彼女が自分を頼りにしてくれる限り絆は切れないのだから。


 この事を知ったらメリッサは私に幻滅するだろう。

 暫くは知られないように慎重にご機嫌でも取っておくか。


 それと秘密裏にアリーシャの処分軽減の手伝いと身元保証人になり保護申請もしなくては。

 当分忙しくなりそうだ。


 ハワードは公爵令息の地位とこれまで培ってきたコネを最大限に利用する気だった。

 アリーシャの最大のピンチに駆けつけることが叶わなかったのだから。


 それによって自分の運命が大きく変わるなんて思いもよらずに。





  誤字報告有り難うございました。

適用を押したらパッと消えちゃいました。お礼をと思ったらどなたか分からず……。

あれ?そもそもどなたからとか何処かで分かったのでしょうか?

ボケボケなのでこちらから感謝、感謝です。

 それといつも読んでくださる皆さん、沢山の小説の中から見つけてくださって有難うございます。

そして更にブックマークや評価を頂けて涙が出るほど嬉しいです。

 皆さんが楽しい毎日を過ごせます様に。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ