到着後の色々とこの後の予定?
「それじゃあ、僕達がいない間も充実した時間だったんですね」
「おう、色々と攻め方の研究が出来たからな。いつでもニコスに再戦を申し込めるぞ」
笑ったレイの言葉にマイリーが胸を張ってそう言い、その隣ではティミーも笑顔で大きく頷いている。
「あはは。じゃあ次にニコスが来てくれるのを楽しみにしていてね。えっと、まずは先に荷物を下ろしますね」
ブルーのベルトに取り付けた木箱を見ながらのレイの言葉に控えていた執事達が駆け寄って来てくれたので、手分けしてブルーに取り付けていた木箱や荷物を全て下ろした。
「では、我は先に湖へ戻る。レイも疲れているだろうから、今日はゆっくり休みなさい」
大きく喉を鳴らしたブルーの言葉に、レイは笑顔で頷く。
「そうだね。じゃあ、ブルーもゆっくり休んでね」
大きな鼻先に両手を広げて抱きつき、キスを贈ってから湖へ戻るブルーを見送った。
待っていてくれたマイリーとティミーと一緒に一旦建物の中に入ったところで、若竜三人組人組がラプトルに乗って到着した。彼らは、朝から今まで倶楽部の会合に参加していたらしい。
応接室に入ってすぐに、今度はルークの寄越した伝言のシルフからもう間も無く到着するとの連絡が来て、結局座る間も無く全員揃って改めて出迎えの為に外へ出て行ったのだった。
「ううん。真っ暗な中を明かりを灯さずに飛んで来ると、本当に近くに来るまで全く見えないなあ」
「確かに。まあ、注意してみていれば空の星が消えるからそこに何かいるとは分かるな」
全員揃って外に出たところで空を見上げたカウリがそう言い、同じく空を見上げていたマイリーが笑いながらある方向を指差す。
「ああ。確かにあそこだけ星が見えませんね。成る程、そういう見方があったか」
感心したように笑ったカウリの言葉の直後、軽く羽ばたく音が一度だけして、ルビーの巨大な姿が庭に降りてきた。ルークの乗るオパールとヴィゴの乗るガーネットがそれに続いて降りてくる。
笑顔の陛下がルビーの背中から降りてくるのを、整列して直立したレイは目を輝かせて見つめていたのだった。
「出迎えご苦労」
笑って片手を上げた陛下の言葉に皆も笑顔になり、まずは竜達のベルトに取り付けた荷物を手分けして下ろして執事達に運んでもらい、それが終わったところで、そのまま全員揃って建物の中へ入る。
それぞれの主を見送った竜達は、順番に竜舎へ戻っていった。
「夕食を用意してくれているから、まずはいつもの制服に着替えておいで」
マイリーの言葉に、レイは自分の服を見る。
当然、今は遠征用の制服を着ているので慌てて頷き、来てくれたラスティと一緒に部屋に戻った。
「お疲れでしょうが、陛下がお戻りになるまでもう少しだけ頑張ってくださいね」
着替えを手伝ってくれるラスティの言葉に、レイは笑って頷く。
「僕は、ずっとブルーの背の上に座っていただけだからそれほど疲れていないよ。それより、よく考えたらこのあとの予定を聞いていないけど……きっと色々忙しいよね」
タキス達がこっちにいる間は、今にして思えばかなりゆっくり目に予定を入れてくれていた気がする。
正式に竜騎士となったレイには、この三日の間にも夜会や昼食会、お茶会などのお誘いが山と来ているだろう事が容易に想像出来る。
「まあ、色々とお誘いのお手紙や伝言が届いていますので、明日にでもルーク様と一緒に予定を決めていきましょうね」
笑顔のラスティの言葉に、上着のボタンを留めていたレイの手が止まる。
「え? どういう事?」
今までなら、ルークやラスティから明日の予定はこうだと言われて素直にそれに従っていたのに、違うのだろうか?
驚くレイを見て、ラスティが笑顔で頷く。
「正式に竜騎士となられた事ですから、そろそろご自分の予定をご自分で決めても良いのではないかとの、ルーク様よりのお言葉です。もちろん、いきなり全部をやらせるような事はしませんのでご安心を。私とルーク様が同席しますので、まずは予定を決めていきましょう。招待状を確認していき、まずはご自分で参加なさりたい夜会や昼食会などを決めてくだされば良いですよ。もちろん、竜騎士として参加しなければならないものにつきましては、その都度早めに私の方からお知らせします」
「そうだね。以前にもそんな話を聞いたね。確かに、自分の予定をいつまでもルークやラスティに頼って決めてもらってばかりだといけないのはわかるけど……ううん、でも僕に出来るかなあ……」
困ったようにそう呟くレイに、ラスティは苦笑いしていたのだった。
『心配いらぬよ。なんなら我も一緒に考えてやるゆえ安心しなさい』
その時、レイの右肩にブルーの使いのシルフが現れてそう言いながら座った。
今のブルーの使いのシルフは、伝言のシルフのように声だけでなく姿もラスティに見せている。
「ああ、蒼竜様がお手伝いくだされば完璧でしょうね。どうぞ、よろしくお願いします」
『うむ、任せておけ』
得意そうに胸を張るブルーの使いのシルフの横では、ニコスのシルフ達が、今こそ出番とばかりに一緒になって胸を張っていたのだった。
「そうだね。頼りにしているからよろしくね」
笑ったレイは、手を伸ばしてブルーの使いのシルフだけでなく、ニコスのシルフ達もそっと撫でてあげたのだった。




