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転生したら無職で追放されたけど、実はチートだったので、とりあえず、魔王というやつをこの目で確めて来ます  作者: @SsRay
無職転生

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ep7.悪魔討伐依頼

 休息を終え、次のギルド依頼を受けるため、仲間のリン、ミリィ、セリア、そしてメトロポリスから来たという謎の少女フィーリアは、ギルドの掲示板の前に立っていた。

 灰街ギルドの掲示板には、いつも以上にぎっしりと依頼が貼られていた。創夜は少し眉をひそめ、厚い依頼書の束をめくった。

「最近、魔物も異常だけど、人間の依頼も面倒なものが増えたな」

 リンが肩越しにのぞき込み、にやりと笑う。

 フィーリアは創夜の目線を気にしながら、呟いた。

「悪魔の討伐? これが気になるの? 悪魔っていう種族と人間は戦っているの? 魔王もそうだけど、争いばっかりね」


「悪魔の討伐? これが気になるの? 悪魔なんていう種族と人間は戦っているの? 魔王もそうだけど争いばっかりね」

「だから、俺を分析するなって!本当に空気が読めないやつだなぁもう!」

「また創夜が渋ってるネ。これアルか? 今回はどんな依頼アルか?」

 セリアはくすりと笑い、杖を軽く回した。

「悪魔ね……ふふ、面白くなりそう♡」

 創夜はため息をつく。

「いや、……単純に気になっただけで、魔物と魔王と人間と悪魔?全部で何種類あるんだ?」

「知らないわよ、悪魔なんて全然聞いたことないわ♡」


「やっぱり、単純に会えるときに会っとかないといけなそうな感じだな、魔王軍に付こうとしていたときもあったんだがな。悪魔って単純に少しひかれただけなんだ。人間側の王を倒す側だったらなんにでもひかれるさ」

 四人は悪魔ってなに?という疑問を解消するためだけに依頼を受け、郊外の村へ向かった。村に入ると、辺りは戦火の残り香と煙で包まれていた。兵士たちの足跡が地面を踏み固め、倒れた家屋の間を黒い影が横切っていく。

「兵士って王がどうとか言ってたあれだよな……ちょっと待って。あれは?」

 リンが指さした先には、小さな影が必死に逃げていた。赤い瞳、ツインテールの髪、そして微かに見える小さなしっぽ――それはどう見ても、人間で同い年位の子供にしか見えない。

「悪魔?」

 セリアの声には、興味と軽い警戒が混ざっている。創夜はその背後で、兵士たちが何かを追っているのに気づいた。


「危ない……!」

 創夜は剣を抜き、リンとセリアに目配せする。三人は声もなく、兵士たちの前に立ちはだかった。

「なにをしているネ!」

 リンが前に出て、拳を構える。兵士たちは瞬間、動きを止め、警戒の視線を向けた。

「……なんだ、この小娘は?」

 兵士の一人が叫ぶ。ツインテールの悪魔の女の子は、恐怖に震えながら後ずさる。小さなしっぽがふるふると揺れる。

「……安心して、もう大丈夫だ」

 セリアが前に進み、軽く杖を振る。魔力の光が兵士たちを押し戻す。

「なんで……魔術師ごときが……」

「小娘だからって、甘く見すぎだな」

 創夜は冷静に剣を構え、攻撃の隙を見逃さない。リンも前衛として兵士たちにたたみかける。二人の連携は、まるで自然と呼吸が合ったかのようだった。

 フィーリアはあきれたような顔で集まって来た兵士たちをマギテック・ゴーレムの腕で遥か彼方へとホームラン級の威力で吹っ飛ばした。

 戦いは一瞬で終わった。兵士たちは撤退し、村の残骸に静寂が戻る。

 女の子は震えながら創夜たちに駆け寄った。


「……助けてくれたんですか……?」

 赤い瞳が涙で潤む。小さな手が無意識にしっぽを覆うようにして、警戒心と恥ずかしさが混ざった仕草を見せた。創夜は震えている猫を撫でるように優しく、目の前の悪魔と呼ばれていた少女の頭を撫でると、たちまち震えが収まった。

「悪魔……だよな?でも……俺たちと対して変わらないな、敵対する様子もないし、襲われていたのはどうみてもこの子だ」

 リンが小さく笑う。セリアもくすくすと笑いながら、杖を傾けてその子を見た。

「ふふ、あたしに似た小悪魔ね。名前は?」

 女の子は少し戸惑った後、小さく答えた。

「ミーナ……です」

 創夜は軽くうなずいた。

「ミーナか……俺たちと一緒に来るか?」

 ミーナの瞳が一瞬輝き、しっぽが少し揺れる。

「……うん!お父さんとお母さんが王の兵士とか言う人たちに殺されたの。私を逃がしてくれたんだけど、見つかっちゃって」


「大変だったな、本当にこの国の王は一体なにをしているんだろうな」

「創夜、優しいのね。見直したわ!」

 フィーリアが人間以上の笑顔で創夜を褒めた。その顔を見た創夜は一瞬あまりの笑顔にフリーズする。

 四人はミーナを仲間として迎え入れることに決めた。悪魔であるが、あまりに小さく、無防備で、そしてどこか守りたくなる可愛らしさがあったからだ。

 村の外れにある森を抜け、彼らは一息つく。ミーナはまだ少し怖がっていたが、リンとセリアが軽く肩を叩いて笑顔を向けると、少しずつ落ち着きを取り戻した。

「ふふ、これでまた賑やかになるわね」

 セリアが言い、杖を軽く振る。魔力の小さな光が森の中で揺れる。

「……これから、よろしくお願いします」

 ミーナは小さく頭を下げる。その仕草には、まだ幼さとけなげさが残っていた。

「俺たちがついてる。安心しろ」

 創夜は優しく声をかける。ミーナの肩に小さく手を置くと、赤い瞳が少し緩む。

 森を抜けた先には、夕焼けに染まる町が広がる。新しい冒険者たちは、こうして少しずつ、互いを信頼し合う仲間になっていったのだった。

 創夜がミーナのしっぽをじっと見て呟く。

「しかし、どうみても悪魔だよな」

 セリアが笑いをこらえながらツインテールのしっぽを指で触れる。


「尻尾だけね!」

 セリアが楽しげに言うと、ミーナも少し照れた笑顔を見せた。

 日が沈む町の空に、仲間たちの影が長く伸びる。

 悪魔――でも可愛いミーナを加え、創夜たちの新しい冒険が静かに始まろうとしていた。

 灰街ギルドでの報告を終えた後、創夜、リン、セリア、フィーリア、そして新たに仲間となったミーナは、情報を集め、ついに仇の居場所を突き止めた。悪魔として扱われていたミーナの両親を殺したのは、王国とつながる裏社会の闇の親玉だった。

 兵士の一人を脅したら場所を簡単に吐いた。


「……ここが、やつの隠れ家か」

 創夜は低くつぶやき、剣を握り締める。

「待ってたよ、ミーナ。さぁ、仕返しの時間だ」

 リンが拳を握り、地面を軽く踏み鳴らす。

「ふふ、ようやく……」

 ミーナの赤い瞳がぎらりと光る。ツインテールが揺れ、微かに見えるしっぽが威嚇のように動いた。


「――お前たち、ここまで来るとはな」

 隠れ家の奥から、黒い鎧に身を包んだ親玉が現れた。周囲には手下の兵士が取り囲む。

「この娘!やっぱり悪魔か以前逃がしたやつか……覚悟しろ!」

 親玉の声には嘲笑ちょうしょうが混ざっていた。

「覚悟、ですって?」

 ミーナが静かに立つ。手をかざすと、赤黒いオーラが周囲に波紋のように広がる。

「……うん、私の手で全部終わらせる」

 戦闘が始まると同時に、リンが前に飛び出した。

「連続拳!――ドラゴンブレイク!」

 高速で拳とキックを連打するリンの動きは、まるで嵐のように親玉の手下を翻弄した。壁にぶつかる兵士が倒れ、残る敵は慌てふためく。


 セリアは後方から詠唱を始める。

「フロスト・バリア……そしてアイス・ブレイズ!」

 氷の刃が飛び交い、敵の足場を凍らせる。攻撃の軌道は計算され尽くし、どの兵士も動きを封じられた。

 創夜は地面に手をつき、重力魔法を発動する。

「グラビティ・クラッシュ――!」

 周囲の兵士たちは重力の渦に吸い寄せられ、宙に浮いたまま無力化される。

 しかし、主役はミーナだ。彼女は剣『アルティメットブレード』を握り、赤黒いオーラに包まれる。

「――ダークインフェルノ・ストライク!」

 高速移動スキルを駆使し、瞬間的に親玉の周囲を飛び回る。瞬間移動のような動きではあるが、微妙な速度変化と軌道操作で読まれることはない。まるで悪魔そのものが地面と空間を蹂躙するように、斬撃と衝撃波が炸裂する。

「く……何だ、この速度……!?」

 親玉が苦悶の声をあげる。剣の一振りごとに、地面には赤黒い炎の痕が残る。

「次は……影縫かげぬい連撃!」

 ミーナの技は複数連続攻撃の連携で、どの隙すきも与えない。小さな体から繰り出される無数の斬撃は、まるで空間を裂くほどの威力を伴っていた。

「うおおおお!」

 リンもキックの連撃で援護し、兵士たちは完全に翻弄される。

 セリアは氷と雷を組み合わせ、追撃の網を張る。創夜も重力の調整で、親玉を空中で拘束し、逃げ場を奪った。


 親玉は必死に反撃するも、ミーナの悪魔的な速度と技の多彩さにはかなわない。

「……終わりだ」

 ミーナがアルティメットブレードを天にかざす。赤黒い炎が剣から噴き出し、親玉を包み込む。

「ダークレギオン・インフェルノ……!」

 爆発的な斬撃が親玉を打ち砕き、周囲の空間が一瞬赤黒く染まった。

 気がつくと、親玉は地面に倒れ、手下の兵士たちも無力化されていた。ミーナは息を整えながら剣を下ろし、赤い瞳を曇らせずに前を見つめた。

「……これで、両親のかたき討ちは終わり……」

 創夜と、ミーナの連携により敵討ちは終わった。

 リンが笑みを浮かべ、手を差し伸べる。

「すごい……さすが悪魔、いや、すごすぎる」

 セリアも微笑み、杖を軽く回した。

「ふふ、今日の主役は間違いなくミーナね♡」

 創夜は静かにうなずき、仲間の肩に手を置いた。

「……これで一区切りだな。だが、油断は禁物だ」

 ミーナは小さく笑みを浮かべ、しっぽを揺らす。

「……はい。でも、私は……これからも、皆と一緒に戦います」

 灰街ギルドに帰る道すがら、夕陽に染まる街並みを背景に、仲間たちは静かに互いの背中を見つめ合った。悪魔の少女――ミーナの悪魔的な力と覚悟は、確かに新しい仲間としての価値を示していた。


 ――――――

 あとがき

 <キャラクターイメージ>:ミーナ

 URL: https://kakuyomu.jp/users/SsRei/news/822139842180609973

あとがき:

キャラクターイメージ:ミーナ


小さな影が必死に逃げていた。その姿は、一見すれば少女だが、微かに見える小さなしっぽと、はっきりと捉えられる赤い瞳が、それが人間ではないことを告げていた。


銀色の髪は、肩のあたりで二つに結ばれたツインテールとなり、その先はふわりと丸くカールしている。白いリボンのブラウスは、幼いながらもきっちりとした印象を与えるが、その下は黒いショートパンツとサスペンダー、そして膝上まで伸びるロングブーツという、少し大人びた服装だ。


ツインテールの悪魔の女の子は、恐怖に震えながら後ずさる。彼女の小さなしっぽは、不安にかられてふるふると揺れていた。しかし、創夜たちが兵士を退けた後、その子は震えながらも彼らに駆け寄った。


間近で見ると、その赤い瞳は涙で潤んでおり、幼い口元は何かを訴えたいように小さく開かれている。小さな手は、無意識のうちにしっぽを覆うような仕草を見せ、警戒心と恥ずかしさが混じり合った、複雑な感情を露わにしていた。問いかけに、ミーナは少し戸惑った後、小さく答える。「ミーナ……です」。その瞬間、彼女の瞳は一瞬輝き、隠していたしっぽが喜びで少し揺れるのだった。まだ少し怖がっていたミーナだが、リンとセリアが優しく肩を叩いて笑顔を向けると、次第にその表情に安堵が広がり、少しずつ落ち着きを取り戻していった。


挿絵(By みてみん)


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