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ep.21 バベルの塔 七階 欲望の試練 (創夜編)
目を開けると、そこは教室だった。
夕陽が差し込む窓際、机の上には見慣れたノート。
「……ここ、は……俺の世界?」
机の前には、笑い声。
勉強の話をして笑うクラスメイトたち。
けれど、彼の席の周りだけが、ぽっかりと空いている。
「……また、一人か。」
背後から、ラミアの声がした。
『孤独を恐れている。
けれど、群れに混じる勇気も持たない。
欲しいのは“理解”ではなく、“居場所”。』
創夜は振り返らず、静かに呟いた。
「……もう、違う。
今の俺には、仲間がいる。」
教室の景色が、波のように崩れた。




