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3-15 到着

 エンドが話した作戦はシンプルなもので、小鬼達が姿を隠して接近して藪に伏せ、合図と共にエンドが閃光弾を射出する。

 混乱した敵の群れに一気果敢に襲いかかり戦闘能力を早期に奪う事であった。

 エンドのガード・マギアには改造が施され、様々なボムを遠距離で射出できる機構が備えられ、直接相手を視認しなくともエンドは集中して障害となる木々や物の気配を察知して当たる事ができる様になっていた。

 そして、激痛を与える薬品が塗られた針も射出時に回転がかけられる様になり、直進の安定性と射程が多少なりとも増していた。

 これらのガードマギアはグレネード射出装置を備えた短い小銃のような形に組み合わさっており、利便性や使用感が大いに向上していた。


 全員の気配が止まった後、一つの慣れ親しんだ気配が前へと動くのを感じ、閃光弾を射出した。それはリンガであり、エンドを信じて目を左腕で覆いつつ身を踊らせ突っ込む。

 閃光が周囲を照らして魔獣達の混乱する声が聞こえると棒立ちになったファング達を撫で斬りし尚も進む。他の小鬼達も続き立て直される前に半分以上が仕留められていた。


 エンドもシッコを伴って前へと進み、すこし遠くにいたり、持ち直そうとする魔獣をさらに混乱させるべく毒針を撃ち込む。


 手から旗を生やして戦場に入るが、手負のファングを一匹マギア・フレームで強化された腕力で串刺しにしたのが唯一の戦果となった。


「皆!怪我はないか?」


 各々問題無いという声が上がり、全員の無事が確認された。僅かに擦り傷を負った者もいたが、傷を洗い、清潔な布で巻いて手早く処置を済ませる。常にある程度はオーラで強化されている女性の身体は、この程度の傷であれば翌日には治るという。

 小鬼が地面に穴を掘り、魔獣の換金出来そうな部位以外を捨てる。この先の村まで運べば肉や毛皮も売れる程度には需要があり、特に新鮮な肉類はマナも多いため価値があるのだが、ヒトを食べた獣の肉はいかがなものかと言う者もおり、埋める事となった。エンドはその話を聞いて成程とは思ったものの、自身はその様な忌避感が生まれなかったことに首を傾げた。

 ボロボロになった探索者の遺品から、価値のあるものと身元の分かりそうなものだけを持っていく。その死体は原形をとどめておらず、少し離れたところに埋葬して墓碑代わりの石を乗せる。

 エンドも教会で教わった手順を思い出しながら弔いの言葉をかけ、私物の酒を振りかける。


 その後は街道に戻る為に歩くが、小鬼達は先ほどの戦闘について興奮しながら談笑していた。小鬼は種族として狩や戦いを好むものが多く、その戦いぶりを話す口調は誇らしげであった。


 リンガとエンドの元にカリラがやってきて声を掛ける。


「先程は良い流れで魔獣を倒せた。ふむ、貴方がいれば奇襲を受ける事もなく、こちらから掛ける事が出来るな。マギアンの玩具かと思っていたが、牽制には案外使える様で認識を改めねばな。」


「いや、私はファング一匹で精一杯だったさ。大将首はうちの相棒が取ってくれたよ。」


「アイツ逃げようとしてしてたしね。ここで逃しちゃうと同じような事をしそうだったから・・・アイボーが足止めしてからなったら何匹かは逃してたかも知れない。」


「うむ、役に立てたなら嬉しいものだ。」


 2人の和やかな様子をカリラはまじまじと見ていたが、フッと小さく笑った。


「我らの至玉ももう少し共に外に出ても良いのかも知れんな・・・」



 その後は退避していたシタラ及びその護衛と合流、全員の無事を喜ぶシタラに小鬼達が次々と戦闘の様子を話してアピールする。エンドも声をかけるとシタラはエンドの手を握り、その無事を改めて喜んだ。


 エンドの気配察知の特性を疑う者も居なくなり、その後は特段大きな問題に遭遇する事なく、予定よりも早く目的の集合地点のリアエズの村に到着するのであった。

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