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不死の勇者の悲劇録〰︎不死の牢獄で知らぬあなたの名を呼びたい〰︎  作者: ボタン
第一章 呪われし英雄の決断
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戦火

お願いします

昔からあの人が苦手だった、最初の頃は優しい人だと思ったけど今は、あの人が苦手なんだ…


この手の震えはいつになったら止まるのだろう…




元々あの人は、私ハリス・ルイラは勇者シュテルが怖い。

あの人を見てると、どうしてもあの日の事を思い出してしまう。そのせいでいまだにあの人の前に立つと恐怖を感じてしまう、()()()()()()()怖いと感じてしまう、あの轟々と燃え盛る腕の、傷口の炎にーーー






「…どうすんだよこの状況。」

今、檻の中に入れられ遠回しに処刑宣告を受けてしまった。

結構困った状況だ、まずタダで死ぬってのは論外、最悪それでも良いかもだけど…


その時、いきなり牢屋のドアが開いた。


「何の様ですかね、ハリス様?」


「驚かないのね、…意外だわ。」


手をひらひらと振って、

「そんなんで驚いてたら戦えませんよ。」


「あぁそうだったわね、貴方はそう言う人でした」

呆れた感じで言い放つ


「んで、俺に何の様かな?震えてるお嬢様?」


彼女の顔から、少し焦りが出てきた。


「…やっぱり根っこは変わらないものですね。」


「まずさ、なんで俺の事そんなに嫌ってるわけ?」


彼女からの違和感は最初から気付いてた、不自然に俺と関わろうとしない、関わって来るのは()()()()()()()だけ。正直言うと、彼女とはこの数日間何回か会っているものの、露骨に避けられていた。


「言いたく、ありません…貴方には関係ありませんから。それと、処刑の日マリーは来れませんよ、私が行かせないようにしましたから。」

少し震えている肩と、腕を押さえて少しだけ気丈に振舞っていた。


「記憶が無いなんて、嘘を言わないで下さい。心底反吐が出る。」

そう言った後、後ろを振り向き立ち去ろうとする。


ーー出来れば一刻も早くこの人から距離を取りたい。

足早に出ようとしたその時、


「ごめんなっ…」

その声で足が止まってしまった、何かの謝罪なのかわからなかったが。


「多分、お前が俺を嫌う理由は()()()、だから明日はお前も来なくて良い、嫌なものを無理して見る必要はないんじゃ無いか、そして俺には記憶が無い、だから多分明日お前のトラウマの原因を使うかもしれないから、な?」



この人が分からない、怖い時もあるのにいきなり優しい時もある、妹には優しく振る舞うのに私に対してはすごくよそよそしくて、嫌ってた筈なのに…


「…つっ、」

声が出なかった、これ以上何か話そうと思ったら泣きそうになったから…


無言で私は部屋を出た…








だだっ広い会場で、断頭台も無く手錠一つしていない、まるで闘技場のような施設に連行されてしまった。

さらにおかしいのが、何故だか知らないが短剣が二本、支給されていた。


「何だよこれ?随分と死刑囚にお優しいこった」


その時、観客席の上にある所から音が聞こえた。

ーー開廷の合図であった


「これより、勇者シュテルの死刑裁判を始める。最初に、汝は魔か?それとも人か?」


上には十一人の審判員、十一の玉座に座す者たちは、魂の奥を見透かす者たち。誰も偽ることはできない。嘘を吐けば、心臓が焼かれる――だからこそ前を向くそこには、決闘の台のような場所


「私は……いや、俺は!人間だ!」

尋問台に立たされ、そう声高々に宣言した。






不気味な笑みを浮かべて…

あの日と同じように、


ありがとうございます!

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