表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
うちの神様の間違った転移でおおごとに! 女神の使いにされて、僕を頼られても困るのだが……。  作者: とらむらさき


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

61/251

61話 新しい敵と新しい開発計画

 今、僕の執務室では、一服を終えて気を引き締め直した皆が、深刻な状況に陥っていた。

 エトムントの爆弾発言で、先々代、先代皇帝が、毒殺されたかもしれなかったからだ。

 何か証拠はないかと、皆は思い返してみるのだが、病を患ってからの先々代、先代には、宮廷医師団から病がうつらないようにと、直接の面会を禁じられていたため、近付けた者はいなかった。


 宮廷医師を兼ねていたケイトも、シャルたち女性陣のみを診ることが仕事で、彼女が宮廷医師を兼ねた時には、すでに先々代は亡くなっていた。

 そして、先代に関しては、ケイトが女性だからだの何だのと理由をつけては、診させてもらえなかったそうだ。

 さらに、病名や症状すら彼女には、教えられる事はなかったそうだ。

 ただ、先代は、戦で負った傷が原因で、先々代と同じ病を発症し、治療を行った時には体力が落ちていたため、衰弱死という公式発表を知るのみだった。

 また、亡骸(なきがら)は病を患ったことから、二人とも火葬にされてしまっているため、組織を採取することもできない。

 遺骨や灰を採取できたとしても、本人たちのものかは、この世界の科学力では難しい。


 日本と行き来できるようになれば、向こうへ持ち帰って、検査してもらえば簡単なのだが、遺骨や灰から致死量の鉛が出たとしても、その結果を、こちらの人たちが納得できるとも思えない。 

 そもそも、墓を暴かせてはくれないだろう。

 なにせ、先々代、先代が病を患ってからは、エンシオさんとマイさんですら、面会できなかったほどの徹底ぶりだ。

 そこがかえって、皆に疑惑を抱かせている。


 「ねえ、面会謝絶や火葬するということは、感染病なんだよね?」


 「はい、感染病の対処法でした」


 僕の質問にケイトは頷く。


 「もし、感染病なら、医師団の中にも感染した人がいるんじゃないの? もしくは、鉛を調合した人が鉛中毒を発症したかもしれない。そういった医師はいなかったの?」


 「私が知る限りではいませんでした」


 彼女は首を横に振るので、他の人を見る。

 皆、曇った表情で、首を横に振った。

 そんな中、アンさんが小さく手を挙げた。


 「感染や鉛中毒の発症ではないのですが、数人の医師が処刑されたりしている話しは聞いています」


 「大きなミスをして、処刑されたの? それとも、感染か鉛中毒の発症をして死亡したことを誤魔化したとか? まさか、口封じ?」


 「そこまでは、分かりかねます」


 僕の質問に、アンさんは首を横に振った。

 八方ふさがりだ……。


 「この話しは、ここまでですね」


 シャルは、残念そうに話しを打ち切った。

 父と兄を毒殺されたかもしれないのに、証拠が見つけられない。

 彼女のやるせない気持ちを思うと、切なくなる。


 「シャル。最後にもう一つだけ、いいかな?」


 「はい」


 「エトムントは、宮廷医師から薬のことを聞いたのか、クレーメンスから聞いたのかをハッキリさせなかったけど、皆は、どう思う? クレーメンスが重要な情報を持っているだけか、帝国の裏事情に関っているかで、彼に対しての対応を考えるべきだと思うんだ」


 僕の言葉に、皆が険しい顔をした。

 中でもレイリアは、奇麗な顔が崩れるほどのムスッとした嫌悪感に満ちた顔をして、僕を見る。


 「あいつは、嫌いです!」


 「う、うん。そうなんだ」


 個人の好き嫌いを聞いたわけではないんだけど……。

 ヘルゲさん、シリウス、アンさん、アルバンの四人は、クレーメンスに思うところがあるのか、話し合っていた。


 「すみません。私たち四人の情報をまとめていました」


 シリウスは、僕のそばに椅子を持ってきて座る。


 「ううん。別にいいよ。それでどうなの?」


 「正直、彼は危険です。とても狡猾(こうかつ)な男です。そして、人心掌握(じんしんしょうあく)にも長けています」


 彼は眉間に皺を寄る。

 ちょっと、聞いただけでも厄介そうだ。

 なにより、人物像が、漫画や映画に出てくる悪党のボスを連想してしまう。

 本当なら、関らずにスルーしたいところだ。


 「彼なら、帝国の裏事情に関っている可能性が高いです。しかし、証拠は残さないでしょう。それほどの男です」


 シリウスの言葉に、他の三人は頷き、アルバンが手を挙げた。


 「私は第一騎士団の副官でしたから、彼と接する機会が多かったので、個人的な見解を言いますが、彼は策にも武にも長け、優秀で、抜け目がなく、人当たりもよくてカリスマ性を持っています。ただ、なんと表現すればいいのか、完璧すぎてとらえどころがない感じです。そして、直感的に怖いと感じました。抽象的な意見ですみません」


 アルバンは、クレーメンスという存在を出来るだけ思い出し、話してくれた。


 「アルバン、ありがとう。クレーメンスには注意を怠らない方がいいね。僕のイメージだけど、そういう人って、友人や恋人、もしかしたら家族にまで、笑顔で近付き、笑顔のまま心臓にナイフを突き刺して、笑顔のまま去っていきそう」


 「フーカ様、何言ってるんですか。それでは、まるで、アン様じゃないですか!」


 レイリア、ご愁傷様……。

 レイリアは、アンさんに両肩を掴まれと、顔から血の気が引いて白くなっていく。 

 そして、彼女は僕に向かって両手伸ばし、唇を震わせ、目は涙をためたまま、隣接する別室へとアンさんに引きずられて行く。

 バタンと扉が閉まると、レイリアの悲鳴がこちらの部屋にまで届いた。

 もう、これって、ホラーだよ……。

 シリウスたちは苦笑し、シャルたちは溜息を吐く。

 僕たちの話しが終わるまで、離れたところで、お茶と会話を楽しんでいたルビーさんたちも、悲鳴のする方向を見つめ、青ざめた顔をしていた。




 しばらくして、ニコニコの笑顔を浮かべたアンさんと、嗚咽を漏らしながらフラフラ状態のレイリアが戻って来た。


 「ケイト、レイリアに治癒魔法をかけてあげて」


 「は、はい!」


 ケイトは、アンさんに元気よく返事をし、レイリアに駆け寄ると治癒魔法をかける。


 「アンさん、やりすぎなんじゃ?」


 「軍人なんですから、これくらい大丈夫です」


 彼女は笑顔でシレっと答える。

 彼女の笑顔を見ると、レイリアの言ったことも、あながち嘘ではなさそうだ。


 「えーと、ルビーさん、エルさん、レオさんも聞いて、クレーメンス・フォン・シュミットという人物を警戒して欲しいんだ。もし、名前があがったら、要注意! すぐにここにいるメンバーで情報を共有したほうがいいと思うから、報告をして下さい。お願いします」


 僕はルビーさんたちに頭を下げる。


 「そんなに危険な人物なのか?」


 「うん。かなり狡猾らしい。証拠を残さないタイプだから、誰の企みか分からないまま、僕たちが踊らされる可能性も高いと思う」


 「それは厄介だな。そういう奴には、力押しも効かんからな……」


 ルビーさんは渋い顔をする。


 「何だか、カザネちゃんみたいだわ」


 エルさんつぶやく。


 「カザネかー。気を引き締めんとならないな」


 すると、ルビーさんが警戒心を強めた。


 「確かに、あの子の得意分野だな。これれは厄介だ」


 そして、レオさんまでもが……。

 姉ちゃんじゃなくて、クレーメンスを警戒して欲しいんだけど……。

 姉ちゃんは、いったい、何をしたの……。


 その後、僕とシャルたちは、領の主都を領都に改名して、ユナハ市は王都とすることを決めると、他にも建国式までに決めておくべき細かいことなど、建国後に必要となることをまとめたりした。

 その中には、皆との結婚式も含まれていたので、ケイトとは婚約したばかりだが、彼女もその結婚式に新婦として参加することとなった。




 僕たちの打ち合わせが終わり、ルビーさんたちとお茶をする。


 ルビーさんたちとの話題は、必然と同盟を結ぶ件になり、僕とルビーさんで正式な書類にサインを交わす。

 お茶をしながら、グリュード竜王国とユナハ国の同盟が結ばれた。

 こんなんで、いいのだろうか……。


 次の話題に移ると、グリュード竜王国との交易が問題となった。

 ガイハンク国とプレスディア王朝との交易は、隣接しているので容易だが、ユナハ国とグリュード竜王国の間には、カーディア帝国とハウゼリア新教国があったからだ。

 空路は、ドラゴンでない限り、二国間を行き来できない。

 ワイバーンでは、距離が最も近い位置にあるガイハンク国とグリュード竜王国でも、飛び続けて行き来するのは無理だった。

 海路は、ユナハが中央に広がるファルマティス海には面していないので、東海からの航路のみとる。

 そして、グリュード竜王国にたどり着くには、ハウゼリア新教国の海域を抜けなければならない。

 さらに、この世界の船では、ハウゼリア新教国の港で補給をしなければ、たどり着けない。


 僕は、ケイトとヒーちゃんを見る。


 「飛行機と船を造っちゃおうか?」


 僕が提案すると、二人は少し考え込む。


 「「造るしか手段がないです」」


 二人は、声を揃えて賛成してくれた。


 「飛行機は、空港建設地の脇に工場を造るとして、造船所はどうしようか?」


 ケイトは、棚から地図を取り出すと、テーブルに広げる。


 「ユナハでも木造船は造っていますが、この漁港にある小さな造船所です。貨物船や軍艦も造ってはいますが、フーカ様が見たら、小さいと思うかと……」


 僕たちは地図と、にらめっこをする。


 「どうせ造るなら、空母も造っておきたいしね」


 「そうですね」


 ヒーちゃんも空母建造に賛成のようだ。

 ルビーさんとレオさんは、僕たちの話しに興味津々で、一緒になって地図を覗き込む。


 「あっ! ルビーさん、ネーヴェさんも、ここに湯治場を建設中で、湖にドラゴンの姿でも入れるものも造るから、出来たら招待するね!」


 僕はウル湖を指差して、説明した。


 「おぉー。なんと! ここの温泉はシュワシュワして気持ちいいからな。楽しみだな」

 

 「そうですね。それに、ドラゴンの姿のままで入れるのは、魅力的ですね」


 二人は満面の笑みを浮かべる。

 そして、その脇では、アスールさんが得意げな顔をしていた。


 少し脱線してしまったが、話しを戻すために、パソコンに造船所の資料が入っていないか、フォルダの中を探しまくる。

 造船所も飛行機の工場もすぐに見つかった。

 画像を開くと、ルビーさんはパソコンに驚き、レオさんは工場の画像を見て驚く。

 そして、レオさんは国をあげて、飛行機、船だけでなく、その工場の建設にも協力をしてくれることとなった。

 出来れば、エルさんにも協力して欲しいと思い、彼女を見ると嫌そうな顔をされた。

 僕はパソコンを持って、エルさんのそばで、豪華客船やプライベートジェットの画像を見せる。


 「こんなのがあれば、移動を有意義に過ごせるのに……。これらが出来たら、協力してくれた国とのみ、共有するつもりなんだよね」


 僕は、豪華客船やプライベートジェットの内装や設備の画像をいくつか開いてから、彼女のそばを離れる。


 ガシッ。


 僕の腕が掴まれた。


 「フーカ君、そんなのが本当に造れるの?」


 「最初から、こんなに大きいのは無理だけど、小さなサイズから造っていき、大きなサイズまで造れるように技術を向上させていくから、造れるようにはなるよ」


 「そ、そう。コホン。それなら、プレスディア王朝も協力させてもらうわ」


 エルさんが食いついてくれた。チョロい。


 「フーカ! 我が国も協力するぞ! この空母というのは、ドラゴンにとっては、船から飛び立てるので、ありがたい」


 ルビーさんは、ヒーちゃんのパソコンに映し出された空母を覗き込み、興奮していた。

 ドラゴンに空母を持たせていいのだろうか……?

 こういう場合は、チート? 反則? どっちだろう。

 まだ、これからだというのに、ルビーさんとエルさんはニンマリしながら、妄想に浸りだしてしまう。


 「コホン」


 イーリスさんが咳ばらいをしたので、彼女を見ると、横にいたシャルと二人で僕を睨んでいた。

 これはまずい……。


 「ケイト、ヒサメ様、フーカ様。ちょっと、こちらに」


 イーリスさんは、空いているソファーを指し示す。

 僕たち三人は、恐る恐るそこへ座った。


 「何を勝手に、ホイホイと決めているんですか!?」


 シャルは腕を組んで、僕たちの前に立ち、ご立腹だった。


 「それに、ユナハの地図まで見せて、国にとって、地図は機密なんですよ!」


 「でも、ルビーさんたちは空を飛べるんだし……ヒィッ」


 言い訳を終える前に、シャルが鋭く睨んできた。


 「そういう問題ではありません。パソコンやその中の情報だって、機密にあたるんですよ!」


 彼女の言葉に、エルさん、ルビーさん、レオさんの三人は、もっともだと言わんばかりに大きく頷く。

 ズ、ズルい! 裏切り者!

 僕は心の中で叫ぶ。


 「空港は空軍基地でもあるのに、それまで教えるなんて……」


 彼女は額を押さえる。


 「そこは、オープンな国を目指せば?」


 「フーカさんの世界には、軍事施設をオープンにしている国があるんですか?」


 「……あ、ありません」


 軍事施設を公開したら軍事施設の意味がなかった……。

 シャルとイーリスさんは、頭を抱える。


 「三人とも、他に言いたいことは?」


 「「「ありません。ごめんなさい」」」


 僕たちが謝ると、二人は深く息を吐き、うなだれた。

 でも、怒られたのは僕だけのような……?


 「今の話しは無しなのか?」


 レオさんがしょんぼりと、シャルとイーリスさんを見つめる。


 「いえ、飛行機と船の開発は、進めます。ご協力、よろしくお願いします」


 シャルの言葉に、彼は満面の笑みを浮かべて喜び、ルビーさんとエルさんもホッとしていた。


 「我が国は、技術面では大した貢献はできん。そこで、人員を出そう。力仕事や荷物の運搬に使ってくれ!」


 「ルビー、ありがとうございます」


 シャルがお礼を言うと、彼女は照れ臭そうに笑う。

 僕たち三人は、シャルとイーリスさんに見えないようにガッツポーズをとると、お互いの手を重ねて、結束を深めた。

 イーリスさんがチラッとこちらを見る。

 僕たちは、何事もなかったかのように姿勢を正して座り、誤魔化した。


 シャルの許しを得て、僕たちも飛行機と船の開発計画に加わる。

 飛行機の工場は、最初の予定通り、空港の脇に造り、造船所はリンスバックとの境界あたりに造ることとなった。

 ついでに一般の港と軍港も新しく造ることにした。




 飛行機と船の開発計画の段取りなども決まり、打ち合わせが終わると、ルビーさんとネーヴェさんが申し訳なさそうに、相談に乗って欲しいと頭を下げてきた。


 それは、グリュード竜王国、特に白の一族とクレイオ公国と仲違いを解消すべく、ユナハ国が建国後、間に立って欲しいという願いだった。

 彼女たちから経緯を聞くと、ホワイトドラゴンが殺された後、グリュード竜王国は呼人が原因だと分かっていたので、クレイオ公国への報復はしなかったそうだ。

 そして、クレイオ公国も王宮に、ドラゴンスレイヤーとなったことを報告に来た呼人率いる自称勇者一行を捕らえ、処刑し、そのことを、グリュード竜王国にも報告をしたのだが、そこから先は、互いに気まずくなり、国交や交易が立たれてしまったそうだ。

 少し、骨が折れそうな気もするが、原因の発端が呼人である以上、無視もできない。


 僕がシャルとイーリスさんに視線を向けると、二人が頭を抱えていたので、悩む理由を聞いてみた。

 頼みは聞いてあげたいが、出来たばかりの国の話しに、クレイオ公国が耳を傾けるかが問題だそうだ。

 そして、当時から約二〇〇年も経過している。

 竜族は長命だからいいが、クレイオ公国は人族の国、当時の人は生きていない。

 世代交代した者たちが、当時の事をどう思っているのかが分からないのだ。

 それが、二人が頭を抱える理由だった。


 「フーカさん、クレイオ公国の悪い噂は聞かないので、大丈夫だと思いますが、どうしますか?」


 シャルは困り顔で尋ねてきた。


 「何で、僕に聞くの?」


 僕が質問で返すと、彼女の顔は困り顔から呆れ顔に変わる。


 「建国後は、フーカさんが矢面に立つからです。フーカさんが仲を取り持つことができるのなら、了承しますが、そうでないのなら、断るしかありません」


 彼女の言葉に、ルビーさんとネーヴェさんは手を合わせ、捨てられた子犬のような目でこちらを見てくる。

 美人のそういう仕草はズルいと思う。

 その横で、興味も関係もなさそうにお茶をすするアスールさんが視界に入った。


 「アスールさんは、どう思っているの?」


 「ん? わしか? うーん。どうでもいい」


 パシン。


 彼女の後頭部をネーヴェさんが叩く。


 「痛っ! 何故、叩かれるのだ!?」


 「クレイオ公国との仲が改善されるかもしれないのですよ! それなのに、どうでもいいって……」


 ネーヴェさんは嘆く。


 「わしは嫁ぐから関係ない!」


 「「なっ!」」


 ルビーさんとネーヴェさんは唖然とする。


 「我が国がユナハ国に対して反感を持ったら、嫁いだアスールは、肩身が狭いだろうな」


 ルビーさんがボソッと言う。


 「なっ! ズルいぞ! ぬー。フーカ、何とかしてくれ!」


 彼女は、手を合わせ、捨てられた子犬のような目でこちらを見る。

 竜族って、こんな種族なのか……。


 「引き受けることにするけど、結果までは保証できないよ。それでいいなら尽力するよ」


 「ありがとう」

 「助かります」

 「よく言った! さすがわしの夫だ!」


 僕が引き受けると、三者三様の言葉が返ってくる。


 「フーカさん、いいんですね」


 「グリュード竜王国は同盟国だし、クレイオ公国はプレスディア王朝の友好国の中に名があがったからね。それに、二国の仲を取り持つことが出来れば、クレイオ公国も、ユナハ国の同盟国になってくれる可能性も出てくるでしょう」


 僕がニッコリすると、シャルとイーリスさんはホッとした表情を浮かべた。


 「これで、後は建国式典に集中できますね。そういうことで、皆さんはお茶とお菓子でおくつろぎ下さい。フーカさん、行きますよ」


 シャルが僕のそばへ来る。


 「へっ? どこへ?」


 「今日も色々としてくれましたかから、反省会と言う名のお説教です」


 彼女がニコッと微笑むと、僕の両腕をアンさんとイーリスさんが掴んだ。

 そして、僕は別室に引きずり込まれていく。

 扉が閉まる瞬間に、隙間からミリヤさんが両親と団欒している姿が見えた。

 一瞬だが、微笑ましい光景に心が和む。


 バタン。


 しかし、扉が閉じられると、一変して、僕には、いつ終わるのかもわからぬ、地獄のお説教タイムが始まった。

 た、助けて……。

いつもお読みいただきありがとうございます。

ブックマークをしていただき、ありがとうございます。


誤字脱字、おかしな文面がありましたらよろしくお願いいたします。

もし気に入っていただけたなら、ブックマーク、評価をしていただけると嬉しいです。

よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ