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第8話:亀裂
使者を追い返したという報せは、瞬く間に南部家本家のある三戸城へと届いた。
返ってきたのは、回答ではない。
一通の、絶縁とも取れる冷徹な呼び出し状だった。
『九戸政実、傲慢不遜にして独断専行。即刻、三戸へ出向き、当主・信直公の御前でその首を差し出し詫びを入れよ』
城の広間でその書状を読み上げた実平の声が、わずかに震えている。
南部信直にとって、俺の存在はもはや「北の守護者」ではなく、豊臣の不興を買い、南部家そのものを滅ぼしかねない「危険な火種」でしかなかったのだ。
「……ついに、身内から首を差し出せと言われたわけだ」
俺は書状を無造作に放り投げ、冷めた茶を一気に飲み干した。




