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渋谷少女A―続編・山倉タクシー  作者: 多谷昇太
第三章 夢の絆

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開闢(かいびゃく)の思い(2)

そこに現れた大天使から私は「そなた田中茂平はこのあと生涯をかけて我への証しをせよ。A子を敬いB子を慈しめ。魔は滅びしにあらず、疾く戻り来む。田中茂平、いざ、が本懐を為せ!」と告げられたのだった。にも拘らずその後の20年に及ぶこの為体ていたらく!いくらそこに常人には有り得ない、20年間に及ぶヤクザストーカーどもによる苛みがあったとしても、おい、お前…田中茂平さんよ。いくら何でもひど過ぎはしないか?天使のめいないがしろにしてはいまいか?いいか、おい、茂平。もう終わっちまうんだぜ、人生そのものがさ。このまま負目負目と負け犬のままで終わるつもりなのかい?

「魂(A子)・心(B子)・現実(私自身、私の人生)の光転を為せ」と云われたのだったな?あの時、天使から……などと、チンピラストーカーどもの苛みに負けて、荒れ地のようになってしまった自分の心を、恰も開闢し行くが如き思いに至る私だった。

 思いここに至れば、今回のこの一連の出来事が決して偶然ではなかったという気がする。思いも寄らなかった山倉との再会、栄子さんやビアクさん、明美ちゃんとの出会い…実際のこと、その明美ちゃんがどれほど悲惨な境遇に置かれていたか、私はこのあととくと知ることになるのだ。それと比べればこの私など…まさに頬を引っひっぱたかれる思いがしたものだ。とにかく私にはもう〝やる〟しか、現実に行いを為すしか他に道はないようだ…。

 渋谷少女A子のような会釈を残して、私を清拭し終わった看護婦さんが離れて行く。魔王アスラ―から絞殺されそうになった悪夢から私を揺すり起こして醒ましてくれた看護婦さん。これをA子に見立て「ありがとうございます。A子さん」と心中でそっと呟いた。

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