そんな人いる!?
服を買って店を出ると、夏希さんが「あっ」と何か思い出したように辺りをキョロキョロ見回した。
「どうかしましたか?」
「ん?ああ、妹が今度誕生日だからな。何かプレゼント用意しようと思ってたんだが、ドタバタしてて今思い出したわ」
「あれ、ツンデレですよ。さっきから子供向けのコーナーチラ見してましたし、あとそこのオモチャ売場も棚の隙間からチラ見してました。不審者です」
「バッ⋯⋯お前、誰が不審者だ!別に見てねえし⋯⋯」
「はいはい、じゃあ行きますよ。何なら私が探すの手伝ってあげても」
「いや、それは遠慮しとくわ。何選ぶかわかったもんじゃねえからな」
「夏希お姉さんへのプレゼントならそうかもですが、小さい子のプレゼントくらいまともに選びますよ」
「大丈夫だよ。自分で選ぶから」
「じゃあ私はお兄さんへのプレゼントを選びますか」 「待て。さりげなくポイント稼ごうとするな」
「とりあえず皆で探してみましょうか。せっかくだし。夏希さんは何かお目当ての品があるんですか?」
「⋯⋯色々案はあるんだが⋯⋯じゃあ手伝ってくれると助かる」
夏希さんの言葉に俺も真冬ちゃんも頷き、今度はオモチャ売り場へと足を踏み入れた。
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「オモチャ売り場って事は⋯⋯千花ちゃんが誕生日なんですね」
「おお、そうだ。よく覚えてくれてたな」
「まあ、色々インパクトがあったんで」
「お兄さんは年下が好きですから」
「そ、そうなのか!?」
「いや、違いますよ!年とかそんな気にしませんよ!てか、真冬ちゃん!このタイミングでそんなこと言うのやめてくんない!?」
あらぬ疑惑をかけられてしまうではないか。
だが真冬ちゃんは軽口を叩きながらも、しっかりプレゼント選びを進めていた。
「ほら、これなんてどうですか?」
真冬ちゃんは夏希さんにクマのぬいぐるみを差し出した。まあ、小さい女の子へのプレゼントとしては定番だな。何ならそこそこ大きくなっても喜んでもらえるだろう。千秋とか姉さんからぬいぐるみ貰った時、めっちゃ喜んでるからな。
しかし、夏希さんはクマのぬいぐるみを一瞥すると、静かに頭を振った。
「せっかく選んでもらって悪いが⋯⋯千花はクマのぬいぐるみが世界一苦手なんだ」
「「そんな人いる!!?」」
思わず真冬ちゃんとハモってしまった。何なら真冬ちゃんの口調が変わるくらいの衝撃である。
夏希さんは少し切なそうな表情で遠くを見た。
「まあ、理由に関しては⋯⋯気が向いたら話すわ」
「「⋯⋯⋯⋯」」
えっ、そんな勿体ぶる理由ある?




