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リミックスⅠ  作者: E..
19/19

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 夜、食堂に行っても理美と冬美也が一緒にいる事もなく、狙っている子達が来ても何かが遮れる感覚を覚え、回りの目が冷たく感じたのか、すぐ距離を置く。

「案の定と言うか、やっぱりと言うか」

「今までの子達も狙っては居ても理美ちゃんが居るって分かっただけじゃなく、今朝のは俺でも引いたぞ?」

「でも分かっただろ?」

「分かったけども、理美ちゃん早めにご飯食べてたと思ってたんだけどねぇ」

「確かに」

 回りの声が聞こえる。

 ラッキーとか今しかないのかなとか、ザマアミロとか本当にしょうもない言葉ばかりが耳に入ってうざったい。

 ふと理美を見ると、もう食べ終わったのか、すぐに部屋へと戻る。

 冬美也は理美に話しかけようと立とうとした時、ゼフォウに止められた。

 小声できっちり絞められた。

「はい、距離置くってお互い決めたんだからそういうのは、loinでお話ししましょうね」

「は、はい」


 深夜、こうなるとやはり眠れないのは冬美也の方で、トイレに行く。

 ここで1人になったら捕まるのかとか色々考える中、部屋の扉を開けた直後、目の前に理美のアースがメリュウを連れてやって来た。

「――‼︎」

「よしっ! 流石に驚いてくれた!」

「おれさま要らなくないか? と言うか見えるんかいコイツ」

「何しに来た? オレ今からトイレ行くから」

 冬美也がいそいそとトイレに向かう中、アースは今後の事について言ってきたのだが、正直今聴く気分になれない。

「そうそう、お話しする為と暫くは動物や虫がちょっと見張る形になるのをお知らせに」

「お知らせか、そうだ、理美から返信無かったんだけど……そこまで」

 賛同した手前少し辛がっている。

 でもアースは距離どうこうよりも今本当に忙しいからただ単に返信出来ていない事を教えてくれた。

「嫌だ、あの子今忙しいから殆ど仕事用スマホとパットでお仕事してるから、多分見ていないわよ?」

「あの後仕事してたのかアイツ⁉︎」

 アースは今までずっと見ていた事を話ししてくれる。

「まぁ最終確認で目を通した後、晴菜さんがチェックするダブルチェックだから、慣らす為の実技授業だって理美は言っていたし、本格的にするとなると、大学入ってからって話だし」

「理美も、良い感じな出来る奴見つけたから、いつ騒動が起きたり自分が出来なくなっても、アイツなら任せられるし下克上を望んでいる節があるんだよなぁ」

「いっそ、会社建ててもらって買収してくれるとお金入るし尚のこと良しとか言ってたり」

 どうせお飾り社長なのだから、実力者に渡したいのは分かるが、もう少し責任持って励んで欲しかった。

「聞きとう無かったそんな話……てかなんでメリュウも?」

 メリュウはそのまま冬美也の頭に乗り言う。

「女々しそうに理美を探してたから活を入れに」

 凄い嫌な顔になる冬美也だったが、とりあえずトイレへと用を足しに行った。

 出て早々思った事を口にする。

「なんでお前、オレの頭に乗る? そしてお前メスじゃないのか?」

「おれさまって言ってるんだから男なんだぞ!」

「オスなんかい!」

 ずっとメスだと思っていたのだから、そりゃ驚きだ。

 アースも最初の頃からあまり仲良くなかったのでホッとする。

「仲良くなって良かったわぁ」

 メリュウとしては逆にどうしてアースが見えるのか分からない。

「てか、なんでお前はアースが見えるんだよ!」

 冬美也も実際どうして本当に見えているのかすら分かっていないのだ。

 同時に幽霊的なものでないとしても、一々見えていますなんて言えば、良からぬものが来てもおかしくない。

「しらねぇよ、気が付いたら見えるようになってたし……てか、その見えてるの言うなよ。回りが騒ぐの嫌だから」

「まぁおれさまには関係無いけど良いだろう、理美に教えても面白くないし」

 内容はどうあれ、理美は知る事が無いのだから少しホッとした。

「とりあえず、何かあったら小動物や鳥類等が教えてくれるから、理美には見えている事は言わないでおくわね」

「でも、ほら話に来たから伝達とか?」

「ううん、たまたま、なんとなく今の現状聞いたから、先に言いに行こうってなった時、メリュウちゃんも付いて来ただけだし」

「そうそう、おれさまは付いて来ただけだ」

「あぁ……そう」

 そうしてまた夜が更けていく――。


 昼過ぎ、結局理美は中等部へ行かず、寮の部屋で籠っていた。

 本来なら保健室で勉強と言う形をとる気ではいたが、晴菜から今日の内に方を付けるから別に大丈夫の事と、同時に被害者であるので無理に精神を患ってはいけないと言うのだ。

 ちなみに自分が加害者だったらと言うと問答無用で連れて謝罪と賠償と罰を持って償うと言われ絶句した。

 話を戻して、暇な時間やる事は無いが、とりあえず宿題を終わらせ、後から桜夜が先ほどloinで持って来てくれると話になっているので、ここは仕事をしながら待つとしよう。

『冬美也達大丈夫かな……?』

 理美はそう思いながら窓の外を見る。


 昼過ぎ、問題を起こした男子達と親御さん達、そして晴菜と弁護士女性に琴も来た。

 皆、応接室へと案内される。

 昨日のうちに全員話は回り理解している中で、晴菜は聞く。

「話は聞きましたし、理美からも話を聞いてます。どういう意味でやったのか説明を」

 明らかに怒っているのが伝わる。

 そして回りは黙るしかなく、しかも普通は両親、片親だけと言った形ならまだ良いだろうが、最初から弁護士まで連れてしかも身内ではあるが、第三者まで連れて来ているのだから、気が気じゃない。

 バートンは言う。

「今回、自分の不手際により、不安にさせ申し訳ございませんでした。こちらは生徒全員に事情聴取をし文書化したものです」

 一応書類と言う形で皆にプリントを渡した。

 目を通し、弁護士へと渡す。

「内容は説明と一緒ですね」

「はい、そうです。で、何か言いたい事はありますか?」

 沢村に対して聞く。

「なんで、あいつは呼ばないんですか?」

「本人呼んでも、目の敵されてはたまったものではありませんからね」

 普通考えれば、被害者もとなるが、万が一の事もあるので親である晴菜だけ、いや他も踏まえて2人も連れて来ているのだ。

「器物破損もですが、最近やたらと回りから陰口があるとの情報もありますのでその辺は追々お話を聞きたいので良いですか?」

「陰口も場合によってはですよね?」

「証拠があればですけどもね」

 まぁ冗談だけどもと思っている琴と弁護士だが、晴菜の目は殺意が滲み出ており正直もうこれも本気だろう。

 話し合いに参加している教頭が口を出すが、すぐにバートンに言い負かされる。

「大体、大げさなん――」

「大げさに騒がなければ、あなた方は何も知らぬ存ぜぬ、見にも来ず、隠ぺいされるよりずっと良いと思いますよ。下手にエビッターやらSNSを侮ってはいけません。この場を設けなければ次は無いだろうと思ったまでですので、正直教頭ではなく理事長に来てほしいと言ったんですが? 本来なら校長なんです、が前々から外せない用事があったので代理として教頭にお願いしただけですので、あまり口を挟まぬようお願いしますよ」

「うぐぐっ」

 そこへ丁度、三十代半ばと言えば分かりやすいだろうか、白人の男性がやって来た。

「すまない、電話の苦手な相手と話していて手間取ってしまった」

「この時に電話しないでください、理事長」

 どうやら彼が理事長のようだ。

「分かっている、分かっているがいつまともに電話出来るか分からん奴だったので」

「理事長も分かっていますよねこの件」

 威圧感がある晴菜に対して理事長は謝罪する。

「私の不備だ、本当に申し訳ない」

「本来ならこれで終われるんです。学校の謝罪は」

 そう言って今度は加害を起こした生徒と親御さん達を見る。

「勿論、この不備を今後起こさぬ事を誓う」

「そうですね、再度起こさぬのが普通です。勿論罰則なども考えていただけていれば」

 圧が本当に凄く、皆目線を合わせるのを止めてしまう程だった中で、野澤の父の方が謝罪。

「本当に申し訳ございませんでした。万が一心身に傷付いたのなら――」

 そうとう震えているのは、怒りよりも本当に申し訳ない気持ちによる無意識の興奮だろう。

 晴菜は一番知りたいものがあり、それについてまず、先に声をあげた野澤から聞く。

「勿論そのことも考えていますが、まず君はどうしてそれをしたのか話せますか?」

 そんな明白な理由なんてない。

 ただ面白半分、ストレスのはけ口、そんな率直な理由になっているのなら、多分に父から殴られてしまうだろう。

「……ちょっと懲らしめたかった」

「懲らしめる?」

「少し、神崎先輩達と仲良くしているのが気に入らなかったから」

 もっともくだらない話だとあきれ返る晴菜は、落とした所の付近に松平と広樹が居たのを書類に記載されているのを分かってあえて聞く。

「ならどうして、机を投げたの? 下に他のあなた方の同じクラスの子に万が一当たっていたらどうする気だったのか聞きたいわね?」

 流石にここで下手すればもっと危険なことになるのを理解し、顔を青ざめ、相川の顔も同じようになる。

 バートンがその点について話す。

「下手すれば、事件に発展してました。今回の件は話を通してますが、ぶつかっていないとのと関わっていないので今回は来てはおりませんが、相当怒っていましたよ。軽率な行動は下手すれば死ぬんですから」

 まだ理美に対しての自覚が無いのに少々がっかりな部分もあり、晴菜がため息を吐く。

「あなた達はもし、それでも気にせず理美が過ごしていたらどうしてたの? もっと酷い事を考えてたのかしら? 例えば、傷害、脅迫、強姦、たったそれだけの理由でこうもする人間が実在するんです。もっと具体的に話せばよろしいでしょうか?」

 今度は相川の母が謝罪する。

「すいません、本当にすいませんでした。くだらない事をしでかし本当に申し訳ございませんでした」

 こちらは母親が泣いているのを見て、流石にやらかしたのを理解したようだ。

「あの子は少々我慢強いのと、言うタイミングを考えてしまうのです。今回はパニックを起こしたので今日は休ませました。万が一また傷付かせる可能性も踏まえたのと、今回の件をなあなあにする気もありませんので」

「……はい」

「君も理美が、冬美也、神崎先輩達と仲良くしたのが気に入らないの?」

「いや、たまたま、その面白そうだったから」

 その言葉に、相川の母は怒って、平手打ちしてしまう。

「何が面白いのよ! 下手すれば人の人生めちゃくちゃにしてたのよ!」

 すぐにバートンが間に入って落ち着かせる。

「まずは落ち着いて、その辺は終わってから話し合いしてください」

 興奮してしまう中で、なんとか落ち着いてもらったが、塞ぎ込んでしまい、相川自身こうなると思ってなかったのか、黙り込んでしまう。

 誰も謝らないなとあきれ返る琴がイライラし始めている。

 殺気がちらちらと感じる中で、弁護士が言う。

「理由を言い訳にして謝らないのは論外では? 親が謝ったから良いではないんですよ? まあ反省の無い謝罪はもっとも侮辱する行為なので良いんですが」

 詳細は書類だが、真意は彼らしか分からないのだ。

 しかも主犯である沢村からまだ理由を聞いていない。

 漸く沢村が口を開く。

「……別に、ムカついたから」

 たったそれだけの言葉に、沢村の父は怒り任せに沢村の胸ぐらを掴む。

「お前! それで机捨てるわ、忘れたフリをするわでお前はやって悪い事をしでかしたんだぞ!」

 回りが止めようとするが、逆に沢村も掴み返す。

「いつも、いつも、なんで頑張っているのに見てないくせして偉そうに!」

「なんだ親に向かって!!」

「見ているのは、必ずテストだけでは見れないですよ。君ももっと人を巻き込んで反発るなら別にこっちは構わないけど、人を貶めるのは感心しないわよ」

 晴菜に言われ、どちらも止まってしまう。

「……!」

「誰だって過ちを何度も何度もやります。でも、度が過ぎればどうなるかを知りなさい。理事長、罰則をせず厳重注意のみなら、裁判をします」

 全員一気に血の気が引く。

 きっと、学院全てを巻き込む気だ。

 理事長はまず主犯に手を貸した2人生徒に1人ずつ話しかける。

「相川君、野澤君、君らは話に乗ったのだよね?」

「はい」

「そうです」

 まずは野澤に言う。

「でも手を貸さず、諫めていればこうはならなかった分かるね」

「はい……」

「懲らしめても良い事ありましたか?」

「無かった、です」

 こうなるとは思っていなかっただけでなく、全員に迷惑を掛けた事を漸く理解出来、泣いてしまう。

「君は、面白いと言っていたね?」

「……はい、冗談の」

「冗談はね、笑いを起こして初めて冗談になる。勿論、面白いは平等で無ければ、被害者が生まれた時点で面白いとは言ってはいけない」

「すいません、でした」

「その言葉は我々でなく、被害者の子に直接言いなさい。場は設けてあげるが、必ずしも許されるとは思わない事だ」

 2人は泣き出しながらも謝罪する。

 それでも未だ許されてはいない。

 少しだけ間をおいてから、理事長が沢村を見て聞く。

「沢村君、どうしてムカつくんです?」

「皆に気に入られてて」

 バートンは別に特別視をしていない、ただ桜夜達以外の回りに話しかけて来た女子生徒に関しては別だ。

「別に皆に気に入られていませんよ彼女? どちらかと言えばおこぼれ狙いの子達が居た感じでしたが?」

「おこぼれ?」

「神崎達ですよ」

 理事長も黙認していたが、どちらに転んでもお互いを害する訳でもないのでそこまで敵意を示すのはあまりに不自然に感じ取る。

「あぁ、でも彼らは彼女に害をなさなければ別に」

「そういう事をしたら、一番嫌われて一生許されないのを何故選んだのか教えてくれるかな?」

 晴菜の質問に、沢村は本心を話し出す。

「イライラするんです」

「だから、どうし」

「こっちは頑張って、ここに来ているに」

「それなら」

 理美の話だと思って晴菜が言うが、ここで理美ではないのに気が付いた。

「違う、アイツらが馴れ馴れしくしてて、イライラしてムカついて」

「アイツらって」

「神崎達だ! こっちは話しかけるのだってかなり勇気いるのに、簡単に普通にふざけんな!」

 多分好意があっての裏返しによるものだ。

 幼馴染だけではない雰囲気を感じ取ったのだろう。

 悔しさと憎悪が好意対象に向く、最低な行為だと分からせなければ――。

「あなたは、当たるべき人間を口では無く弱いと判断した相手に当たった、これは然るべき対処をさせて貰います」

「……! あ、あぁぁぁ……」

 漸く自分がとんでもない事をやらかしたと自覚してくれた。

 後悔して反省をしてくれればいいのだが、今後は家族と学院側の処罰に任せる事にしよう。

 それから、処罰が決まるまで加害を加えた生徒達は自宅謹慎となり、後日、共犯の相川と野澤は1ヶ月の停学処分、主犯の沢村は4ヶ月となった。

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