飛躍的な進歩(自己申告)
一番初めにアルトゥロに打ち明けたときに比べれば、私の言語能力は飛躍的に進歩している(個人の感想です)。今回はあのときよりもお母様には詳しくお話ができた。しかも順次情報を共有していたアルトゥロのフォローつきだ!・・・と言っても、お母様に全てを伝えられたかというと、あれなのだけど、今必要なことは伝えられた、と思う。
「とりあえずラモーナ様達の旅路を守ればよいのね」
・・・最低限のことかもしれないけど。
「しょう!」
「そう。わかったわ」
お母様は力強く頷いてくれた。
「アーロンたちはいつまでいるの?」
私は気になっていたことを聞いてみる。
「数日の予定だったけれど」
そこでお母様はいったん首をかしげて言葉を区切る。
「もっと滞在していただく必要がありそうね」
今後の旅路の準備について打ち合わせなければ。言いながらお母様は頷いている。
そのままそのお話合いに行ってしまいそうな勢いだったけど、
「アレックス」
お母様は、また私と視線をしっかりとあわせてくれた。
「追々お父様とも一緒に情報を共有していきましょう」
「あい」
やはりまだあまり伝わっていなかったか・・・。
ちょっとしょんぼりした私に、お母様は、
「これからゆっくり教えてちょうだい」
と笑った。
「だけど、今は何よりラモーナ様達の身を守ることね」
「うん。おねがいします」
私が頭を下げると、お母様は、
「任せなさい」
頼もしく請け負ってくれた。
そうだ、アーロンに関する心配事と言えば。
「あともう1つおねがいがあるの」
アーロンとお母様の関係についても何か力になれないだろうか。
騎士だったアーロンのお母様は、なぜかアーロンが騎士の訓練をすることにあまり積極的ではなくて、どちらかというと護身術にとどまるようなものをアーロンに学ばせている。
それがアーロンにお母様は自分に期待していないように感じさせてしまい、彼の劣等感に拍車をかけてしまう。ゲームの中ではすでにアーロンのお母様はいないから取り返しがつかないけど、今なら何とかできるのではないだろうか。
そして、お母様が亡くなる未来を変えることができたら。
身を隠して育たなければならないアーロンが、それ以上に不幸な子供時代を送らなくてすむようにできるかもしれない。ここにきた次の日の朝、1人でこっそりと剣を振っていたアーロンの憂いを少しでも払ってあげたい。
私はそう願った。




