友人として
武器が出来るのを待たず、寝てしまったことに気付く。
『…はあ。』
声だけで、器用にため息をつかれてしまう俺。
「朝の楽しみだと思えばいいんじゃないか。」
『…まあ、いいですけど。…そう言えば、体力25まで上がっていますね。他は、20ですけど。』
「レッドスケルトン効果かな。」
『そうですね。あと、友人の方のフォローも効いてますよ。それはさておき、技の訓練も始めますか?』
「そうすれば、もうちょっと効率上がるかな?」
『そうですね。』
技は、体力を消費して使う。
体力のエネルギーを体に乗せて打つ感じだ。
『最初は、斬撃のスラッシュからです。まず、打ってみてください。』
そうして、24時間睡眠学習空間で、スラッシュを打ち続けた。
『鍛冶LV73→LV126に上がりました。』
朝、起きると、スラッシュのやりすぎで、勝手に体で、スラッシュをしそうになる。
そんな感覚を止めながらベッドから起き上がる。
マナメタルフライパンは携帯鍛冶セットで、5つ出来ていた。
母に鑑定してもらうと、気配察知強化というフライパンが出来ていた。
フライパンにつける能力ではないが、まあ、そこはいい。
これは、妹にあげよう。
母が、「買うなら150万」とメモに書いて、机に置いた。
他の4つのフライパンは大した能力は無かったので、インゴット行きにすることにした。
「じゃあ、行ってくるね。」
5時。
母が、家を出る。
6時。
妹が準備を終えて、起きてきて、フライパンを見つける。
「買った!」
俺は、フライパンを妹に渡して、お金をもらう。
材料費なんかを考えると、悪いことをしている気分になる。
でも、妹は、満足そうだからいいのかな。
ちなみに、父は、4時には家を出ている。
色々な場所の実地調査が仕事だから、仕方ない。
俺は、スケルトンの荒野で、スケルトン素材を集めてから、9時30分に、間に合うようにレッドスケルトンの荒野に向かう。
今日は、少年が先に待っていた。
少年は、新しい杖を持っていた。
「悪い、待たせた?」
「待ったかも。今日は、これ使いたかったから。」
「それは?」
「家で眠らせてあったランクC+の回復武器だよ。」
「もしかして、俺のため?」
「それはそうなんだけど。なんていうか、今日はこれ試してみたかったんだよね。」
少年が使う杖は、身体強化で、減った分をどんどん補ってくれた。
「最大値の半分までしか回復できないから配分ミスらないでね。」
「ありがたいよ。」
その日は、100体のレッドスケルトンを倒すことに成功した。
体力+4だ。
「でも、いいの?俺はいいが、お前にとっては、あんまり意味ないことなんじゃないか?」
「どうだろう。…じゃあ、今日は昼ご飯おごってよ。」
「…わかったよ。何、食べたい?」
「おすすめは?」
「カツ丼とかどうだ?」
「いいよ。お腹空いてたから、ぴったり。」
カツ丼大盛りを食べ終える2人。
華奢な体で、大盛り行けるのか?とか思うが、俺も大概華奢だった。
適当に帰る感じの中、俺は、少し踏み込むことにした。
「俺のマナメタルナイフさ…。倒したモンスターの1000分の1の力を奪えるんだ。」
「いい武器だね。」
「俺は、もう少し強くなりたい。」
「応援するよ。」
「一方的に応援されるのもなんか、嫌なんだ。」
「うーん。どうすればいいの?」
「ユウは、俺に何かないのか?」
「あるけど…。いいのかな。」
「可能な限り、なんとかする。」
「じゃあ、パーティ組まない?」
「…俺と?」
「…いや、その、憧れだったんだよね。そういうの。」
「いや、ユウがそれで、いいならいいけど。」
「じゃあ、また、明日!」
「あ、おい。待てって。」
照れ隠しで逃げるユウを追いかけようとしたが、ユウには追いつかない。
俺が、パーティを組むなんて考えもしなかった…。
春の暖かい日差しの中、立ち尽くす俺の視線の先には、小さくなっていくユウの背中があった。




