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40話 魔術大戦①

<ダンセ>

「魔術大戦!それはこの世界で起きた世界を巻き込む巨大な戦い!同時に世界の大きな転換点でもあります!」


一瞬にして戦場の景色が広がった。

空は暗雲に覆われ、大地には亀裂が広がっている。


<ダンセ>

「現在まで、大小様々な戦争が起きてきました。近年ではロックフェリーの戦い。そして現在の魔王軍との抗争もその一環。しかし!真に”魔術大戦”と呼ばれるものは、たった四つ!」


彼の声に呼応するように空間に四つの亀裂が入りそれぞれの戦場の景色を映し出した。


<ダンセ>

「第一次魔術大戦――それは、神々との決別の戦い!」


一つ目の光景が僕達を飲み込んだ。

世界が、再び原初の世界へと巻き戻った。


<ダンセ>

「世界が始まった頃、多種多様な生命体が誕生いたしました。魔物、魔族、動物、植物、そして人間。各々が独立した生活圏を持ち、生活を営んでおりました。しかしその中で、生命体の頂点にいたのが神々!」


空が割れる。光を押しのけ、異形の物体が頭上に降り立った。

おびただしいほどの棘で構成された棟のような何か。その棘一つ一つが棟の中を巡るように動いていた。


<ダンセ>

「現在、神の総数は片手で数えられると言われておりますが、この時代には遥かに多くの神々が存在していました。彼らは徒党を組み、語り、時に争う。その様子はまさに――人間」


<シリウス>

「そういえばこの前、かみ――」


言いかけた瞬間。言葉が止まる。


<シリウス>

「……?」


口が、動かない。

(何で……………喋れない……?)


<ダンセ>

「どうされました?」


<シリウス>

「神々って、どんな存在なんですか?」


気づけば、別の言葉が口から出ていた。


(口が、勝手に……?)


<ダンセ>

「ほう!神にご興味がおありで!」


<パレ・リブッカー>

「確かに私も詳しくは知らないな」


<ダンセ>

「なるほどなるほど、ならばお話ししましょう!神々とは——人間や魔族、動物や植物とは一段階上の階層にある存在!」


空間に机と紙が現れた。

彼がペンを取ると、紙に円を描いた。


<ダンセ>

「例えばこの円が、我々だとしましょう。リブッカー殿、この円は貴方に攻撃できますかな?」


<パレ・リブッカー>

「無理だな」


<ダンセ>

「そう!一段階上の階層とは、我々では干渉すら出来ない存在なのです!そして!」


紙がビリビリと破かれる。


<ダンセ>

「神々は我々に干渉できる!」


<パレ・リブッカー>

「お前が神で円が私達ってことか」


<ダンセ>

「その通り。神々から干渉できても我々は彼らに対して無力。だからこそこの時代では畏怖と信仰の対象でありました。さながら異世界人世界の神々のように」


空間が、再び戦場へと戻る。


<ダンセ>

「神々はそれぞれ概念を持ちます。炎。水。草。土といった自然だけではなく、戦い。喧嘩。不仲。落とし物。人の営みにも紐づく概念を持つ神までいたようです」


<パレ・リブッカー>

「……面白いな」


<ダンセ>

「しかし、多様な概念を持つ存在であるが故に神々は対立した」


異形の物体同士が衝突し始めた。

衝突。閃光。爆発。

周囲が暗い雲に覆われ、大地を抉り取られていた。


<ダンセ>

「そしてその戦火はあらゆる種族を巻き込み戦争が勃発!レヴィリオン歴517年から20年間続いた戦い。それが第一次魔術大戦なのです!」


部屋中に轟音が鳴り響く。

天空で争い会う神々の下には地獄と化した戦場が広がっていた。

数多の生物の亡骸、戦死したとされる神々の残骸が降り注いでいた。


<ダンセ>

「神は存在するだけで世界に影響を与えるもの。神々が動くだけで森が焼け、海が荒れた。それによって絶滅した種族もいるとされております」


<シリウス>

「そんな……………」


<ダンセ>

「そんな中、神々の戦いを諌めようと立ち上がった者達がおりました。それが——魔法使い」


小さな光が二つ現れた。

その光は他のどの神々よりも鋭く輝いていた。


<ダンセ>

「魔法使いとは最上位の魔術師の称号に非ず。その本質は神々に干渉できる存在の事を言うのです!」


<パレ・リブッカー>

「初めて知ったぞ。だからSランクであっても”魔術師”なのか。魔術師のままじゃ神々とは戦えないと」


<ダンセ>

「その通り。そして戦いの最中、世界で初めて魔法使いが誕生しました。それも二人!それが——」


<パレ・リブッカー>

「ユキユキシカ・ホロノア殿とミミナ・ギ・アキサユース様だ」


<ダンセ>

「言われた……しかしホ——」


<パレ・リブッカー>

「ホロノア殿は魔術連盟の事務総長を、アキサユース様は連盟軍総司令官を務めている」


<ダンセ>

「全部言われた……それだけではありません!さらに終戦の一年前、ついに“光臨者”が召喚されたのです!」


彼がそう言うと、どこからともなく槍を携えた巨大な男が神々に矛先を向けた。


<シリウス>

「光臨者?」


<ダンセ>

「光臨者とは世界の危機に反応して召喚される特別な”異世界転生人”!それが」


<パレ・リブッカー>

「あ。後で魔術連盟に光臨者の像を見に行くんだ」


<ダンセ>

「ええぇ」


<パレ・リブッカー>

「ごめんな。光臨者の話は私が責任を持って話すから」


<ダンセ>

「……………はあ、仕方がありませぬな。ならばこの話は後の楽しみに取っておきましょう」


彼は大きな溜息をつくと、服のほこりを軽く払い、背筋を正した。


<ダンセ>

「これにより神々と魔法使い・光臨者達による連合軍の戦いが起きました。戦争の末、連合軍が勝利!神々はその数を大きく減らし、生き残った神々は反省し、人目のつかない所で静かに生きる事を選んだといいます」


暗雲が晴れ、世界は日差しを取り戻した。

残ったのは荒廃した大地、神々の残骸と僅かな生命体だけだった。


<ダンセ>

「世界を再建したのは生き残った人間や魔物達。彼らは街や村を作り、時間をかけながら少しずつ世界を復興していきました。 とはいえ、村同士の争いや種族間の軋轢といった多少の衝突があったそうですが。それでも共に生きる道を模索していったのです」


<シリウス>

「この時代は魔王軍みたいに対立してなかったんだね」


<パレ・リブッカー>

「復興するにも生活を営むにも互いに助け合わなければ生きていけなかったんだろう。それほど過酷な戦いだったという訳だが」


<ダンセ>

「さて第一次大戦の話はお終い。次に参りましょう!」


次回は5/20になります!

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