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転生勇者が死ぬまで10000日  作者: 慶名 安
3章 逆襲編

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第3章ーおまけ2

 勇者と別れてから数時間後、何事もなくリーヴ村に帰還した。


 「もう! 急に出て行ったから心配したのよ!!」

 「ご、ごめんなさい」


 帰ってくるなり、早速エリカさんからお叱りを受けた。

 鬼の形相というほどではなく、ぷりぷりと頬を膨らませた怒り方なので、つい愛嬌を感じてしまう。

 でも本人は本気で怒っているらしいので、余計なことは言わないでおこう。

 心配していたというのも本心だろうし。


 「ほら、ミオちゃんだって心配してたんだから、ちゃんとごめんなさいって言って!」

 「ミ、ミオ。ごめん」

 「……」


 エリカさんの隣で、ミオも明らかに不機嫌そうに頬を膨らませている。

 彼女にも謝ったが、返事はなく、ただじーっと睨まれるだけ。

 ヤバい、本気で謝ってないのがバレたか?

 確かに何も言わずに村を出たのは悪かったけど、そこまで怒られるようなことだったとは正直思っていなかった。

 ちなみに、少し前に馬を借りた人にも謝ったのだが、その人は特に気にする様子もなく笑顔で許してくれた。

 本来ならそっちの方が怒られて然るべきだと思うのだが……。


 「いい? 外は危ないんだから、勝手に一人で出かけてはいけません!

 せめて誰か大人の人に相談すること! 分かった?!」

 「はい、わかりました」


 エリカさんは怒りながらも、子供に分かりやすい言葉で諭してくれる。

 手慣れた様子だが、こっちは中身がおっさんなので、妙な羞恥プレイをされている気分になる。

 考えすぎかもしれないけど。


 「よし! それじゃあ一緒にお風呂入って、キレイキレイしよっか?」

 「はい……えっ?」


 お叱りが終わり、風呂に入るよう言われたのだが、今『一緒』と言ったか?

 聞き間違いか、それとも言い間違いか?


 「お外出ていっぱい汚れたでしょ? 私がキレイに洗ってあげるから、早く行きましょ!

この間は眠った状態だったから手拭いで全身拭いただけだけど、ちゃんとしたお風呂は久しぶりかしら?」

 「ッ!?」


 どうやら言い間違いではなかったらしい。

 金髪美人聖女と自分が一緒にお風呂? タダで?


 というか、知らない間にエリカさんに裸を見られていたという事実に、今さらながら衝撃が走る。

 前世も自慢できるようなものは持っていなかったが、キッズサイズのそれを晒したのはちょっと悲しい。

 しかもその時の反応すら見れていないのがもどかしい。それはさておき、今度は本気で一緒に入るらしい。

ということは、エリカさんの裸を間近で見られるだけでなく、お互いの体を触ったり触られたりするわけで……


 「ぶへぇっ?!」

 「ッ!? ミオちゃん?!」


 などと妄想に浸りながら教会に入ろうとした瞬間、背後から突風のような衝撃が襲ってきた。

 教会の入り口付近で盛大にぶっ倒れる。

 そのせいか、急に意識が朦朧としてきた。


 「ふん!」

 「ミ、ミオ、なんでお前……」


 朦朧とする視界の前に現れたミオは、ざまあみろと言わんばかりに鼻を鳴らし、そのまま教会の中へ入っていった。

 ひょっとして、邪なこと考えていたのがバレたのか?

 しまった。下心が顔に出てしまっていたか。


 「だ、大丈夫?! ミ、ミオちゃん、ちょっと待ってー!?」


 一方、エリカさんは視界の外であたふたしている様子。

 慌てた表情で自分とミオを交互に見ているのが容易に想像できた。


 「……っかりして、……ダメくん?! ……!?」


 その後しばらくエリカさんの声が聞こえていたが、徐々に遠ざかり、やがて完全に意識が途切れた。クソ、最後に、エリカさんとお風呂……入りたかったなぁ。


 ―転生勇者が死ぬまで、残り7793日。

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