7話-③ 屍騎士
俺の動きについて来れた訳ではないようだが、間髪入れずに、俺に斬りかかってくる騎士。
俺は騎士の懐に入り肘を入れる。
硬いはずの鎧だが、凄まじい衝撃波と共に、斬りかかった騎士を吹き飛ばす。
そして次々に襲って来る騎士をあらかた倒し切った。
「師団長……」
「撤退だ」
「不味いナウス!! 奴らは逃げるつもりだぞ!」
「いや、逃がして良いぞ!」
「何を言っておるラプラス! 逃がしたらまた報復に来るでは無いか!」
「安心せい小僧! 逃げる奴は放っておけ!」
「じゃから! あヤツらを逃がさない為にこうも必死に戦っておるのでは無いか!」
「ええい! 鬱陶しいわ! エリーゼ貴様は吸血鬼だろうが! 夜の王がこんな真夜中に敵をおめおめ逃がす事が本当に出来ると思っているのか?」
「どういう事じゃ……」
「逃げた奴らを追撃するのはエリーゼだ」
なるほど、やっと理解出来た。
つまり、ここでは師匠の攻撃で、二次被害を出してしまうから、戦えない。
だが、二次被害が出なければ、話は変わって来るだろう。
師匠が他人を巻き込まないのであれば話は別だった。
大きな声で高笑いした師匠は勢いよく、森に飛び込んだ。
自体はこれで解決するだろう。
ただ、別の問題がまだ残っている。
アサミ達の事だ。
セラスさんとユンジさんは戦闘中に殉職している。
それに比べ、あの族長は生き残ってしまった。
今だから分かるが、あの二人が俺にこの人を合わせなかった理由が……
「この魔族風情がぁぁぁ!! 貴様らのせいで、我が里に大量の犠牲者が出てしまったでは無いか!!」
「お、お父さん! 違うんです! 私達からお願いしたのです!」
「ええぃ! お前は黙っていろ! 何にせよ、こヤツらが事を招いたのは間違え無いだろうが!」
「予言で決まっていた事です! それは我々では避けようが……」
「そういう問題では無いのだ!」
それもそうだ。
彼等の言い分は非常に理解が出来る、
それは俺自身が既に師匠に感じぶつけてしまった負の感情だからだ。
それもこれも、理解を出来る人間だったら、俺はヴァンパイアになんてなって無かっただろうな。
「今日中だ! 日が落ちるまでの間にこの里からでで行くのだ!!」
とても強い口調だった。
だが、それに対して俺は何も言い返せなかった。
何故なら、アサミを除く他のエルフの視線が俺の背中に突き刺さっているからだ。
これは、明らかな殺意を持った視線とは違った。
あれだ。
恐怖に震える畏怖の視線だ。
怯えられる事はここまで辛いのだと、俺は初めて知った。
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