3話-③ 絶望の中の希望
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スキルと言うのは、つまりは特技と言う事なのだが、俺はそのスキルってのを、イマイチ理解出来ていない。
と言うより、そもそも何が出来るかも分からないのだ。
「妾が出来る事の劣化版なら大体出来るぞ」
妾が出来る事って…… そもそも師匠が何が出来るかを知らない。
「スキルと言うのは、教えられて使うのと、自分で考えて使うのでは、その力の本質が変わってくるのじゃ」
俺が、猪に追いかけ回されていた事には理由があったって訳か……
「そうじゃの…… 貴様が既に使ったスキルなら、教えてやってもええぞ」
そう言うと師匠は、俺が土壇場で行使する事が出来たスキルを説明してくれた。
一つ目は【治癒】つまりは回復だ。
このスキルはヴァンパイアの固有スキルの一つであり、急所以外の損傷で有れば直ちに傷を治してくれる。
所で、ヴァンパイアにも急所はあるかの?
「有るぞ、だがヴァンパイアにも階級があるのと同じく、その階級によって変わるぞ」
「貴様の場合は、杭を心臓に刺さると灰となってその存在が、消滅する」
師匠は、以外にも飄々と答えてくれた。
いつもなら勿体ぶって話すのにな……
そして二つ目だが、これはあの猪を絶命させた一撃、【不死】だ。
どうやら、人間と言う生物は普段から、力を制御して生活しているが、自分が死にかけたりする場面であれば、一時的にリミッターを外す事が出来て、普段以上の力を使う事が出来るらしい。
だが、何故に不死がスキルの名前なのか……
「治癒もそうじゃが、基本的には全ては不死からの派生したスキルじゃ」
ヴァンパイアとは、つまりは一種の状態異常である。
俺は既に死んでおり、生き返えりはしたが、それは不死の状態を捻じ曲げた、特殊状態である事。
つまりは、死んだ状態を維持し続ける状態である。
「我が弟子ナウスよ、一つだけは我が直々にスキルを伝授してやろう」
そう言うと、師匠は俺を手招きして、猪の前に連れて行く。
俺が倒した猪は気絶させるのが精一杯かと思ったが、あの時の一撃は猪を絶命させる程の威力であった。
師匠は猪の身体を触りながら、俺に話し掛ける。
「貴様は昨日だけで、沢山の経験をしたじゃろ? であれば、妾がここに呼んだ理由がわかるはずじゃ」
師匠からの問い掛けに対して、俺は一瞬分からなかったが、頭の片隅にずっとあった疑問と共に思い出した。
灰になっていない?
「そうじゃ」
灰になる事が、俺にはとてつもなく不思議な事になっており、初めて見た豚顔の魔物も人界騎士により、灰に変えられていた。
だが、俺が倒した魔物は一度も灰にならなかった。
何故と言う疑問があったが、実際には俺はその疑問点を解決させる余裕が無く、後回しにされていたのだ。
「こいつを吸収するのじゃ」
ーーーーヴァンパイア、俺がなった種族だ。
だが、ヴァンパイアとは、異なる種族名がある。
それが、吸血鬼だ。
吸血鬼、つまりは血を吸う鬼だ。
師匠が言う、吸収とはつまり、吸血する事である。
俺はまじまじと、自分で倒した猪の姿を確認した。
正式名称、エリュマントスの猪。
大きな猪の身体に、毛皮は非常に硬度が高く、毛の一本一本が非常に鋭利になっており、まるで剣山のような鋭さだ。
師匠は俺を見つめて艶美な表情で見つめている。
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