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平民だからと婚約破棄された聖女は、実は公爵家の人間でした。復縁を迫られましたが、お断りします。  作者: 木山楽斗


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第51話 秘めていた思い

 私は、ロクス様に話を聞いていた。

 サレース様の言葉に、ロクス様が妙な反応をしたのは、どういうことだったのか。その質問に、ロクス様はかなり悩んでいるようだった。

 だが、真面目なロクス様は答えをきちんと出してくれるようだ。ロクス様は、ゆっくり瞑っていた目を開いた。その目には、決意のようなものが見える。


「僕のあの言葉に、あなたが違和感を覚えるのは当然のことです。僕にとってあの質問は答えにくいものでしたから、おかしな反応をしてしまいました」

「やはり、そうだったのですね……」


 ロクス様にとって、あの質問は答えにくいものだったらしい。

 ただ、それは聞くまでもなくわかっていたことである。

 私が知りたいのは、その先だ。何故、答えにくかったかが知りたいのである。


「あの質問はされたくなかった質問でした。あなたの前では、特に……」

「私の前では……?」


 ロクス様の反応が妙なものだったのは、私の前でされたくない質問だったからのようだ。

 私の前でされたくなかった質問。それが、何を表すかはわからない。

 しかし、少なくとも嘘をつくことが苦しかったということではないだろう。それなら、そのような表現をしないはずである。


「少しお恥ずかしいことなのですが、僕が、セレンティナ様を婚約者に選んだという話は、紛れもない事実なのです」

「え?」


 そこで、ロクス様は驚くべきことを言ってきた。

 どうやら、ロクス様が私を選んだという話は本当だったようだ。

 それは、驚くべきことである。まさか、それが本当だとは思っていなかった。

 だが、それはどういうことなのだろうか。


「ロクス様が、私を婚約者に選んだというのはどういうことですか?」

「話の流れを説明しましょう。僕は、セレンティナ様がドルバル様に付きまとわれていたことを知り、それをどうにかする必要があると考えました。ドルバル様だけではなく、他の貴族もセレンティナ様を狙ってくる可能性は充分あるため、それら全てを解決できるような何かが必要でした」

「はい……」


 ロクス様は、私を婚約者に選んだ事情を説明し始めた。

 ここまでの説明は、前にも聞いたことがあるものだ。この先に、何か重要な話があるのだろう。


「家族として、あなたを守りたかった。ただ、それ以外にも僕にはあなたを守りたい理由があったのです。それは、もしかしたら、あなたを婚約者にしたことにも繋がる理由かもしれません」

「それは、一体なんなのですか?」

「僕が……僕があなたのことを好きだったからです」

「え?」


 ロクス様の言葉に、私は驚いた。

 まさか、そのようなことを言われたとは、まったく思っていなかったからだ。ロクス様が抱いていた思いは、私が想像していたより、かなり衝撃的なものだった。

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